私にとってのふくしま
「福島の魅力って何ですか?」
この質問をされたとき、真っ先に思い浮かんだのは、YOUNiiiiQで初めて取り組んだ企画「私にとってのふくしま」だった。
この企画のテーマは、「自分が思う『ふくしま』と他人が思う『ふくしま』は異なるはず。それぞれの視点を知れば、新しい『ふくしま』が見つかる」というものだった。この問いを深く考えることで、「自分にとって福島ってどんな場所なんだろう?」と改めて向き合うきっかけになった。
よく挙げられる福島の魅力といえば、
緑が多くて自然が豊か
桃や梨、リンゴなど果物が美味しい
温かい人が多い
どれも間違いないし、福島を語る上で欠かせない。でも同時に、「それ、ほかの地域でも聞くやつじゃない?」と思う部分もある。実際、日本全国には自然が豊かで果物が美味しい場所はいくつもあるし、「人が温かい」というのもよく耳にする言葉だ。
じゃあ、自分にとっての福島の魅力って何なんだろう?
考えたときに浮かんだのは、「何かをしようとしたときに、その場にいてほしい人の顔がすぐに思い浮かぶ」ということだった。
例えば、新しい仕事の企画を立てたとき、「あの人に相談してみたいな」と思う。休日にのんびりしたいときには、「この前会ったあの人と飲みに行きたいな」と考える。こうして“人の顔”が自然と浮かぶ感覚――これが、福島で暮らす自分にとって何よりの魅力なんだと思う。
振り返ると、「街の魅力」は偶然と縁の積み重ねでできている気がする。大学進学で一度福島を離れたけれど、「何もない」と思っていた福島に就職でUターンし、そのまま今も住んでいる。そして、今ここにいるのは、その時々で生まれた縁や偶然が繋がってきた結果だ。そうした縁や偶然が重なり、誰かと誰かが繋がり、面白いことが生まれていく――そんな「繋がりの面白さ」こそが、いま福島にいる僕にとっての福島の本質だ。
だから、「福島の魅力って何?」と聞かれたら、僕はこう答えたい。
「縁と偶然が生み出す、“この場所だからこその繋がり”。福島に限らないけれど、やっぱり、それが僕にとっての福島の魅力」
最初に思い浮かんだ「私にとってのふくしま」という企画。あのとき考えた問いは、今も変わらず自分の中にある。
だからこそ、最後にこの質問をあなたにも問いかけたい。
「福島の魅力って、あなたにとって何ですか?」
これからも、この街と向き合いながら、自分なりの答えを少しずつ更新していこうと思う。