あの頃は中学生【1分エピソード】
数年前、学校で埋めたタイムカプセルを開けます、と連絡が来ていた。それを機に少し昔を思い出した。これは中学時代のお話。
***
彼の名前はE君(本名は伏せます)。あだ名は「えいぱん」。
チンパンジー顔をしていたからだったように思う。
えいぱんとは、家が近く部活も同じことからよく登下校を共にしていた。
ある期間、彼との下校中に決まってやっていたことがある。それは四つ葉のクローバーを作るというもの。
ことの発端は下校中にクローバーを見つけたえいぱんの一言だった。
「四つ葉のクローバーってどうやってできるかしってる?人が踏んだ傷口から新しく葉っぱが生えるんだよ。」
この一言を受けて僕は驚愕した。
「人為的に作れたら幸運でも何でもないじゃん!!」
そこからである。早速目の前にあるクローバーを踏みつけ、下校中に観察するという日々が始まった。
毎日期待していた。ウキウキしていた。
まだかな?今日は生えてるかな??だがなかなか四つ葉には至らない。
「葉っぱを潰しても意味ないよ。茎から生えるんだから。」
えいぱん、早く言ってくれよ。そう思ったのを覚えてる。葉っぱの付け根に傷をつけ更に観察した。
……やはり結果がでない。結果のでない観察にお互い興味が失せたのか、次第に見向きもしなくなっていた。
観察を始めて2、3週間たったときには既に次の興味に移っていた。それは、
「ひび割れた道路のコンクリートを剥がすこと」
何が面白かったか全く覚えていないけど、夢中になって剥がしていた。
そんなえいぱんは高校でギターをはじめ、ロックに目覚めた。
そんなぼくは今、ウクレレを初めようとしています。
***
今思えば葉っぱを傷つけたり良くないことしたなぁって思いました。ただこんな何気ない思い出が大切な思い出だったりするのです。