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"持続的幸福"を求めて『ポジティブ心理学の挑戦』を読んだら、幸せハッカーになれる気がしてきた話。


「"幸福"から"持続的幸福"へ。」
その副題に惹かれて、読み始めた。

この文章は、学んだことを振り返る用のnoteです。
読了前の気持ち、読了後の気持ち、学びポイントの順で書き記しています。
※後半は本書をもとにした個人的な解釈が多数含まれます。

読了前の私 「"幸せ"が分かってきた気がする」

コロナさんのおかげでリモートな日々を過ごしている。
久しぶりに家にいる時間が増えて、ゆっくりと #おうち時間 を楽しんでいる。
できるだけ安いスーパーで特売品を手に入れ、料理をし、掃除をし、洗濯をし、切れた電気を付け替え、好きな曲を流しながら仕事をし、寝る前にはヨガっぽい真似事をし、友達とオンラインお茶会をし、休みの日には1日中ドラマを見る。
1ヶ月前ほど前までは「今日楽しかったこと」を探すので精一杯だったけれど、人生に"幸福"を感じられる状態に戻ってきた。

いつかは来る「アフターコロナ」に向けて、この"幸福"を"持続的幸福"へと昇華させていきたい。
そんな想いで、この本を手に取った。

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読了後の私 「"幸せ"、ハックできそう」

本書から一番学んだことは、「"幸せ"は構造化して捉えることができる」ということだ。それはまさに私が最近取り組んでいたことでもあった。人間関係からしか幸せを感じられないと、それが失われた時に奈落の底に突き落とされる。それはリスクが高すぎる。リスクを分散させるため、何か一つだけに依存するのではなく、自分が"幸せ"を感じられる要素、すなわち"幸せ"を生み出す柱を増やしていきたい。それが私の直近のテーマだった。その柱となるものが何なのかを、"幸せ"の構造を、そしてそれぞれをどのようにして高めていけば良いのかを本書は教えてくれた。

昔、ある人から言われたことがある。

「あなたは自分が幸せになることだけを考えたらいい。そしたら自然と周りも幸せになるから。」

あの時は意味がよく分からなかったけれど、少しずつ、分かってきた気がする。正直、本書に書いていたこと全てを無意識的に行える状況にまではなっていない。おそらく何度もこのnoteを読み返す。そうやって私は、自分の幸せをハックしていくんだ。周りを幸せにするために。

そんなことを考えていたら、ちょっとワクワクしてきたよ。良い本に出会えました。このタイミングで読めて、よかった。


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第1章「ウェルビーングとは何か?」

まずは言葉の定義から。「ポジティブ心理学」のテーマは「ウェルビーング」。「ウェルビーング」は5つの要素から構成される構成概念であり、実存しない。日常における些細な心がけで、幸せはつくることができる。

「ウェルビーング」は構成概念であり、実在しない。

「天気」も構成概念。気温、湿度、風速、気圧など、実在する要素が関連している。

「ウェルビーング」は5つの要素で構成される。

・ポジティブ感情:主観。人生の満足度。
・エンゲージメント:主観。フロー状態。回想において判断される。
・意味、意義:自分よりも大きいと信じる存在に属して仕えること。
・達成:達成のための達成。そのもののよさのために追求される。
・関係性:他者とのポジティブな関係性


第2章「ポジティブ心理学エクササイズ」

さまざまなやり方で幸せを創造することができる。
私がやってみようと思ったのは3つ。

感謝を伝える

目を閉じ、その人のおかげで自分の人生が良い方向に変わった、という人の顔を思い出してみる。そして、感謝を伝える手紙を書き、会いに行く。
ポジティブな出来事を思い出すことで「ポジティブ感情」が得られ、他者との「関係性」をさらに強固にすることができる。

うまくいったことを分析する

人はうまくいかなかったことを考えすぎる。逆に、よいことを振り返り、じっくりと味わう時間をとるエクササイズ。
毎晩寝る前に10分、今日うまくいったことを3つ、それぞれがうまくいった理由とともに書いてみる。そうすることで、「ポジティブ感情」が得られ、「意味・意義」が深まったり、「関係性」や「達成」などの各要素が高まったりする(のだと思う)。

特徴的強みを活用する場をつくる

テスト等で自分の強みを把握する。その上で、自分の特徴的強みを活用する方法を考える。そして、振り返る。
強みを生かすことは成果につながり、各要素への刺激につながる(のだと思う)。

(第3~5章は流し読み)


第6章「知性に関する新理論」

このあたりから正直、読み進めづらくなってくる......。むむむ。ということで、あくまでも私の解釈として、学びを抽出していくが、すなわち「環境のせいにするな。自分自身でウェルビーングは創れるんだ!」って話だと思われる。解釈が間違っていたらごめんなさい。

成功は、環境よりも本人の徳性(キャラクター)に依拠する。

今までの社会科学は環境を重要視してきた。それは、未来よりも過去を重視する考え方と言える。だが、ポジティブ心理学の中では、人は自らの行動に少なからず自由意志と責任があると考え、本人の徳性を重視する。そして人間は、過去に基づいた習慣や環境、やる気よりも、予測や計画などによって描かれる未来に引き寄せられていく存在だということが、ポジティブ心理学の前提となっている。

「達成=スキル×努力」

達成とは、スタート地点からゴールへの前進していくもの。その距離が遠いほど達成の度合いが高くなる。「距離=速度×時間」であるように、達成も同じく速度と時間の産物であると言える。本書では速度をスキル、努力を時間と置き換えて説明を進めている。どちらかが高まれば結果は高まるが、どちらかが0では意味がない。納得。

速さと遅さ

スキル、ここでいう速度については2種類ある。速さと遅さだ。
速さを上げるには、どれだけ無意識的に知的作業を行えるかが重要だ(極まると、人はそれを「直感」と称する)。スピードによって、意識的な部分に取り組むための時間を確保する。
一方で、遅さを強化することで、計画、記憶、衝動の抑制、創造力の育成などにつながる。ただ処理をするだけではなく、達成に向けてベクトルを定め、計画を立てることには、「スローネス」が重要である。

学習率 ー スピードの1次導関数

いわゆる「加速度」。新しい情報をどれだけ蓄積できるか。学習速度。

努力(自制心、根気)

努力とは、課題に費やす時間を指す。どれだけの時間を費やせるかは、自制心と根気に依存する。自制心の特徴的資質が「根気」である。根気があればあるほど、より多くの時間を課題に費やすことができる。
(本書では「根気テスト」なるものもあった。10年前の私は根気1000%だったが、最近の達成度合い低下の要因はここにある気がした。)


第7章「アーミー・ストロング ー総合的兵士健康度プログラム」

本章では「陸軍の心理的健康を高める」ことをゴールに行われたプログラムの内容について説明されている。ポジティブ感情を特定することが人生の最適化につながるという話は面白かったので、私の理解をまとめる。

感情はシグナル

ネガティブな感情は、特定の脅威に対して警告を与えるものである。恐れは危険を、悲しみは喪失を、怒りは侵害を予告してくれる。ネガティブな感情が得られた時には、一旦立ち止まり、何が起きているのかを確認するチャンスと捉えよう。

ポジティブ感情を上手に活用する

「上手に活用する」とは言っても、いつもポジティブで笑顔を絶やさないことを目指すというわけではない。ポジティブ感情が知らせてくれるチャンスを十分に活かすこと、その頻度と持続時間を増大させる方法を見つけることが重要である(本書の中では「コミュニティのよき一員となること」というのもあったが解釈しきれなかった)。

ポジティブ感情の分析は、人生の最適化につながる

ポジティブな感情を得るのは、自分が目指す方向と合致する状況が生まれているからである。そしてその状態は、新たな「リソース」(いわば活力のようなものだと解釈)を形成する機会ともなる。ポジティブ感情を見逃さず、なぜ何に対して自分がポジティブ感情を抱いたのか、何が自分を鼓舞させるのか、何が自分を笑わせるのか、何が自分に希望を与えるのかについて理解し、それらの感情を育てる力を持つことが、成功の可能性を高めることになる。

[ポジティブ感情の分析方法]
① ポジティブな感情を得た出来事について、細かく思い出す
② その出来事に名前をつける
③ その出来事で経験した感情を特定する
④ どのようにすればその感情を育てられるかを考える(追記)

自分が幸せになれば、人をもっと幸せにできる

ポジティブな感情を生み出す瞬間を自ら創り出せることができれば、自分の人生が最適化されるだけではなく、ポジティブな影響が他の人にまで伝播することになる。「自分がもっと幸せになり、自分の人生に、また人生の内実にもっと満足するようになれば、人にもっと多くのものを与えられる」ようになる(感動したので、そのままP.250より抜粋)。

(社会、家族、スピリチュアル面の話は流し読み。社会において、ネガティブ感情よりもポジティブ感情の方が伝染しやすい、という話は面白かった。Twitter界では逆な気もしていたので、少し嬉しかった。)


第8章「トラウマを成長に変える」

災害や人の死など、世界には様々な「トラウマ」を抱えた人たちがいる。トラウマを克服するためにはどうすればよいのか。本章では具体的な事例をもとに説明されていた。ありがたいことに、私自身はトラウマに悩んでいる状況ではないので、ちょっと読み飛ばし気味に、気になったポイントだけまとめてみる。

トラウマを克服するための3要素

トラウマを克服するためのトレーニングは3つに分けられる。
・メンタルタフネス(精神的な強靭さ)の強化
・強みの構築
・確固たる関係性の構築

感情の結果は、信念や思い込みから生じる

まずはメンタルタフネスの強化について。前提として、理解しておくべきことがある。それは「感情の結果は、困難な出来事からではなく、困難な出来事に対する信念や思い込みから生じる」ということだ。

思考のわな①:過剰一般化

「ある人の価値や能力を、たった一度の行動によって判断する」こと。これを避けるためには、具体的な行動に注目することが重要だ。

思考のわな②:根深い思い込み

根深い思い込み(本書では「氷山」と表される)は、たいてい好ましくない感情的反応につながる。例えば、「人に助けを求めるのは弱さの現れだ」というのはよくある氷山の一つだ。好ましくない結果につながることを避けるためには、思い込みを特定し、それは意味があるのか、環境に適するものかと、思い込みが激しすぎるのではないかと自らに問いかけるとよい。

思考のわな③:破滅的な思考

人間は「困難な出来事に対して自ずともっとも破滅的な解釈をしがちな生き物」である。「最悪のことを考えて備えることはときには役に立つ。」だが、ネガティブでもポジティブでもなく、リアルに。破滅的な考え方を現実的に調整することが大切だ。

「破滅的な思考」との付き合い方

ネガティブな考えに引きずられすぎるのはよくない。そういう時には、一時しのぎとして以下の3つのスキルを使う。
・反証を集めること
・楽観を使うこと
・バランスの取れた見方をすること

ただ、ネガティブな考えと向き合うのも大切なことだ。上記によって必要に応じてネガティブな考えを退けつつ、時間がある時にじっくりと、ネガティブな考えについて考えてみるのがよいだろう。

ここまでがメンタルタフネスの強化について。ここからは残りの2つについて。徳性の強みを構築するためには、まずは強みを特定した上で、それらを日常生活の中で意識的に活用し、振り返ることが重要である(何事においても、特定して、活用して、振り返るのが大事なんだなあ)。確固たる関係性については面白かったのでいくつかまとめてみる。

4つの反応パターン

・積極的-建設的(誠意と熱意を持ってサポートする)
・受動的-建設的(控えめにサポートする)
・受動的-破壊的(出来事を無視する)
・積極的-破壊的(出来事のネガティブな側面を指摘する)
※本書には具体的な事例もあってわかりやすかった

自分の強みを生かして、積極的-建設的に反応し続ける

積極的-建設的な反応を続けることが確固たる関係性の構築につながる(当たり前なことだけど実はできていなことも多そう)。日頃からそのように反応できていないとすると、その原因を特定し、独自の強みを活用する方法を考える。

漠然とした褒め方ではなく、特定のスキルを褒める

リーダーは細かい点について褒めることが効果的だという話。本当に見ていたんだということが伝わるだけではなく、貴重な時間を取ってくれているんだと感じられることが、承認の効果を増大させる。


第9章「ポジティブヘルス ー楽観性の生物学」

楽観性と病気との関係性を考える章。楽観的な人の方が風邪にかかりにくい理由の一つに、「行動的だから」というのがあって納得した。悲観的な人は自分は無力であり、行動しても無駄だと考える、らしい。確かに、人生に対して能動的な人の方が、健康的そうだよなあ(軽)。


第10章「ウェルビーングの政治学・経済学」

ウェルビーングが政治や経済に対してどのような影響を及ぼすのか、はたまた及ぼさないのかについて議論されている章。今回はサラッと読み。今度読み返す時には、ここもちゃんと読んでみよう。


おわりに。

1冊の本をちゃんと理解しながら、自分のものにしてくのって大変だな。でも、こうやって文章に書いていくのは楽しい。そういえば、テスト勉強の時も自分でノートを作って、それで暗記してたっけな。

本を丁寧に読むことの面白さを教えてくれたのが今回の本でした。感謝。おかげで、立ち止まった時になんども読み返したいnoteができました。

無理しない程度に、ゆるやかに、続けていけたらいいなと思います。何よりまずは自分自身のウェルビーングの高め方について、じっくりと考えてみようと思う。

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