TED 驚異のプレゼン～最高のプレゼンには○○がある～ぼくの教科書【＃24】

2020年9月18日 20:10

今日の教訓

「あなたのハートが歌いだすキッカケはなんだろう」

・プレゼンをしなければいけないけど不安がある人
・世界中のトリコにしたプレゼンの特徴を知りたい人
・TEDTALKに興味を持った人

TED（Technology Entertainment Design）は、あらゆる分野の専門家がプレゼンテーションを行うことを主な活動にしている団体です。

大学の講義で資料映像として使われたり、英語のリスニングの練習に使われたりと、幅広いユーザーを持つTEDは、プレゼンの達人たち（過去には、スティーブ・ジョブズなども）のスピーチを１部無料で見ることができます。

そんなTEDでスピーチができる人はきっと「人を惹きつけ、心を動かす法則」を身につけている人たちばかりです。その法則を紐解いていこうというのがこの本のテーマです。

さて、人を惹きつけ、心を動かす最高のプレゼンにはなにがあるのでしょうか？

借金まみれ、人生のどん底から大逆転！？

学年最下位から慶応大学現役合格！？

こんなストーリーがあったら、少し気になってしまいますよね。これと同じで、最高のプレゼンには「ストーリー」があります。

しかも、そのストーリーには２つの種類しかありません。「幸運→不運→幸運」で進むストーリーと、「ヒーローがヒールを倒す」というものです。

あるところに、少女がいた。少女は母親を亡くし、父親の再婚相手の意地悪な娘と暮らしている。不当な扱いを受けていたところを魔法使いに魔法をかけられ、国の王子とステキな恋を始める。

少し適当な簡略化されたストーリーだが、これは「シンデレラ」のストーリーである。これを最高のプレゼンの法則でみてみると

あるところに、少女がいた。少女は母親を亡くし、父親の再婚相手の意地悪な娘（ヒール）と暮らしている（不運）。不当な扱いを受けていたところを魔法使いに魔法をかけられ、国の王子（ヒーロー）とステキな恋を始める（幸運）。

バッチリ当てはまっていますね！自分のプレゼンにも、ヒール（競合他社や対立した人）とヒーロー（自分の商品や自社）、不運（つらかった体験）と幸運（最終的な成功）を用意してみましょう。

最高のプレゼンは、話だけで成り立ってはいません。最高の瞬間を作り出すような「シカケ」があります。

例えば、アフリカで、蚊が媒介している病気であるマラリアの話をしたビル・ゲイツは、その場で瓶にはいった蚊を会場に放つということをしました。マラリアの話をされているわけですから、蚊が解き放たれたら聴衆はひとたまりもありません。もちろんマラリアをもっていない蚊ですが。

ビル・ゲイツのプレゼン18分のうち、蚊を放つ演出をしたのは１分にも満たないものでしたが、聴衆が最も記憶にのこっているといったのは蚊の場面でした。

また、神経解剖学者のDr.ジルのプレゼンも、人の脳を実際にみせるという演出が「気持ち悪い」と言われながらも、オーディエンスの記憶に刻まれました。

人は、衝撃的な体験に全神経を集中し、感情で記憶します。

これを証明したのが、上の２人のプレゼンです。

プレゼンをつくるならまず、パワーポイントを開く前にストーリーをつくりましょう。自分の情熱をこめて、発表に至るまでを物語にしましょう。

それができたら、相手の記憶に刻むべき最高の演出を考えましょう。そんなたいそうな演出ができなさそうなプレゼンなら、記憶にのこす仕掛けをしましょう。

スティーブ・ジョブズは新型iPhoneの紹介のとき、「鉛筆くらいの厚さ」「ノートくらいの重さ」など記憶にのこりやすい仕掛けを施しています。

それから、話を引き立てる写真や背景を用意しましょう。写真や背景について話すのではありません。自分の話を写真や背景が支えるのです。

ここまできたら、あとは練習あるのみです。何回も何十回も練習しましょう。

最高のプレゼンの法則、もっともっと知りたいですよね！ぜひこちらをチェックしてみてください！

カーマイン・ガロ（土方奈美　訳）
日経BP