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南越前町豪雨災害

こんばんは。たのです。
南越前町豪雨災害について。
災害から4ヶ月経ち、記憶から薄れ始める前にnote書いておこうと思います。私はあくまで災害ボランティアセンター側の目線でしか言えないため、あしからず。
今回の南越前町の被害は、近年では福井豪雨に次ぐ規模で、ここ18年で1番大きな災害です。今回はボランティアの方約5千人来て頂いております。その次になりますと2千人規模です。
私は県職員として、ボランティアセンターが開かれた23日間のうち15日間、南越前町の災害ボランティアセンターで働いておりました。
ボランティアセンターって何?ってところから。県内で災害が起こると、被災した地域の社会福祉協議会が中心となり、被災地の支援ニーズの把握・整理を行い、支援活動を希望する個人・地区の受け入れ調整やマッチング活動を行っています。

今回は、南越前町社協が中心となり、県内の社協、県社協、支援P、そして県(私or県活課と日替わり応援の職員数名)、など30、40名で運営しておりました。内部の行政職で経験値が積みあがるのは私だけという、災害経験ゼロながら、毎日必死でした。
私が行ったのは、ボランティアセンターが開いて4日目の8月9日でした。そのころには、ある程度形になって運営でき始めていました。ただ、数日前まで事務職をしていた職員が、前例のないボランティアセンター運営を始めるため、毎日課題を出し合って、改善を重ねる日々でした。
ボランティアの方の主な役割は、床下・床上浸水した住宅の、床下等の泥出しです。床下に泥が溜まるとカビや建物全体がダメになるため取り除く必要があります。泥出しには、一般的な住宅で15〜30人程度必要となります。
また、8月の暑い時期ということもあり、熱中症に注意が必要でした。塩分タブレットの買い出しやスポーツドリンク、OS-1などを大量に揃えました。塩分タブレットが切れた際には、ほんとにどうしようかと思いました。お声がけ頂いた皆様ありがとうございました。

衝撃を受けたこと①

ボランティアの方々の気持ちに驚きました。熱い中で、長袖長ズボンでボランティアに来る方々は、当然むしのいどころも悪いはず。段取りも悪く、道具もなく、行くまで何すればいいかわからない。そんな状況で、私たち運営に不満がでるんじゃないのかと思ってました。私が対応したボランティアの方々は、誰一人、不満を漏らすことなく、モクモクと並び、泥だらけで帰ってこられることに感銘を受けました。

衝撃を受けたこと②

災害が起きて数日で、南越前町への物資の受け入れが中止になりました。正直、課題感はあります。まずタオルを大量に送って頂いたことにより、物資を入れる部屋がいっぱいになりました。そして、受け取り、仕分け、表記、整理など人手が必要な状況でした。その現状もなかなか発信しづらい。
今の時代、必要な物をオンラインでコレとコレください!というシステムがありそうで、なかった。あったとしても、使い慣れるまでに至らない、All in かAll outの現状。物資が町や被災者に渡っていたと思いたいのですが、行き届いていたかはわかりません。生きていく上で必要なものは、町の社会福祉系の部署の方が被災者に聞き取って調達されていました。
また、現地で水道が使えない方のための給水、トイレ、銭湯に通えるバスなど日ごとに状況は改善されていっておりました。
ボランティアセンターで発生した足りていたもの:タオル類、2Lペットボトル
足りなかったもの:塩分タブレット、500mlペットボトル、一輪車、三つ鍬、小さいスコップ類など

衝撃を受けたこと③

適時、インスタグラムやFacebookで発信させていただいておりました。私の投稿でも十数人の方が来ていただいており、事の大きさを考えさせられました。来ていただいた方ありがとうございます。一般的なボランティアに参加する理由は、以下が大きい理由の3つです。

ボランティアに参加した理由は「社会の役に立ちたい」「自己啓発や自らの成長」 | NPO NEWS|ボランティア情報ポータルメディア
社会の役に立ちたいと思ったから:54.5%(47.7%)
自己啓発や自らの成長につながる:32.0%(30.1%)
自分・家族が関係している活動:26.4%(30.4%)

感想

極論を言うと、災害の起こる場所に住むのは良い選択ではない。だが、既に暮らしている場所に災害が起こってほしくないのは、みな同じ気持ちである。どれだけ準備や危険が予知できたところで、自然の前では意味をなさないし、データが解析され、リスクが開示されたところで「逃げる」しか選択はない。
人は「逃げる」選択を最も嫌う。今の場所が数十年安全だったのだから、明日も安全と思っていたい希望がある。逃げることから逃げてはいけない。そのために、逃げる選択を常に背負う必要がある。

肌感

今回、災害の中にいた、募る気持ちは大きい。次の災害でもボランティアセンターにあったら、再び飛び込みたい気持ちになる。実際に、福井豪雨のとき現役だった方も18年経てば体力も衰える。もう1周、2周回ると、覚えている人のほうが少なくなる。
災害の現場は、体力勝負である。若いひとたちも巻き込んで運営できるよう、災害にはいろんな世代が関わる必要があると感じた。
私は資機材を担当していたが、当初は物が不足していた。買いに行く余裕や、日ごとに必要なものが変わる現状についていけなかった。もし次回、資機材を担当することを想定した場合、資機材で足りないものを発信することや、運搬してもらうことを前提に動きたいと思う。

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