【導入事例:卸】受注金額は半年で8倍に増加!電話対応は1日300件から3件に激減!売上アップ x 顧客満足度アップのための「TANOMU」活用術
こんにちは!タノム・PRチームです。
当社では「卸業者の仕事をシンプルに」をコンセプトに開発したBtoB SaaS「TANOMU(タノム)」を提供しています。
私たちのチームでは、売り手(業務用販売をしている卸業者さん)向けに、「現場目線で使いやすい受発注システム」をコンセプトにプロダクトを開発しています。
今回は、業務用食材卸売のリーディングカンパニーであり、90年近い歴史をもつ株式会社久世様のご利用事例を紹介します。
セールスサポートセンター長の澤田さん(写真左)と、セールスサポートセンター奥田さん(写真右)にお話を伺いました。
コロナ禍による大打撃、回復の兆しが見えるもアナログな部分が多く社内は疲弊
私たち株式会社久世は1934年の設立以来、業務用食品の卸売を行っています。久世オリジナルブランド商品の販売、高級食材の輸入販売だけでなく、商品力向上のための子会社を設立し、営業強化のため三大都市圏に営業所を開設するなど、順調に会社の規模を広げていました。
しかし、2019年の12月を境に状況は一変。新型コロナウイルスの影響によって、当社はこれまでにない大打撃を受けました。お取引先様は飲食関係やホテル、レジャー施設などが多いため、大幅に注文数が減少したのです。当然ながら売上も大幅に落ち込んだことから、あらゆる経費削減をはじめ人員の配置転換をするなどの対策を講じました。
2年近くにわたり厳しい状況が続きましたが、ワクチンの接種率や緊急事態宣言解除、「with コロナ」といった新しいライフスタイルの浸透が徐々に進み、2021年秋頃にようやく業界全体に回復の兆しが見えてきたというところです。
業績が回復すること自体は喜ばしいのですが、今度は別の問題に直面しました。売上の減少に合わせて行った経費削減や配置転換によって、回復してきた注文に対応しきれないという困難に陥ったのです。そもそもの原因は「人の力」に頼りすぎている当社の体質にあったと、このときに気づかされました。
当社は長い歴史のなかで、「人の力で解決すること」が多く存在していました。物流の領域ではデジタル化を進めているものの、営業はまだアナログな部分がほとんどです。そのため、売上を伸ばす=人を増やさなくてはならない状況だったのです。
コロナ禍においては、緊急事態宣言の発令や解除によって注文数が大きく変動します。人の力・人のリソースに頼りきりになっていたことで、コロナ により時勢が変化するたび、社内は著しく疲弊していきました。
セールスサポートセンター(SSC)を発足してTANOMUを活用したDX化を決意
そうした当社のウィークポイントを改善するべく、2021年末頃にセールスサポートセンター(SSC)発足の構想が持ち上がりました。現社長の久世真也から直接伝えられたのは「現場のキャパシティを超えてしまっている現状から、3ヶ月で将来の道筋を示してほしい」というオーダーです。
このオーダーに応えるために、まずは情報収集からスタートさせ、さまざまな企業の事例や、現場メンバーへのヒアリングを重ねていきました。
そこでたどり着いたひとつの結論が、「顧客コミュニケーションの起点をLINEに一本化する」ということです。
属人化・アナログ体質化している営業の体制に対して、むやみに新しいツールを増やしていくと現場がさらにアレルギーを起こしてしまう。さらに、注文いただくお客様の「電話がつながらない」「欲しいものがタイムリーに手に入らない」といった悩みの声を理解していたからこそ、連絡の同期性・即時性が、問題解決の鍵になると踏みました。
また、LINEを活用したコミュニケーションの体制を整えるとともに、受注システムの切り替えを決め、これについてもSSCの主導で推進していくことになりました。その切り替え後のシステムが、TANOMUです。
カスタマーリソースの大幅削減と、働き方の見つめ直しが実現
TANOMUによってまず大きな変化を感じたのが、問い合わせ件数です。
これまでの業務では、1日に300件以上もの電話がありました。それがTANOMU導入後は、従来業務換算で1日3件あるかないかというところまで減少したのです!
当社のシステムでは、商品に関する情報が一部しか公開されていません。そのため、商品の内容を確認したいお客様から大量の問い合わせが入っており、その対応に膨大なリソースが割かれていました。
ですが今は、TANOMUに商品情報がしっかりと掲載されていることで、問い合わせの電話が大幅に減りました。お客様が正しい商品情報を確認してスムーズに注文できることで、お問い合わせの減少だけでなく、トラブルの解消にもつながっています。
さらに、TANOMUは社内の働き方にもよい影響を与えてくれました。
これまで営業メンバーは土日や夜間でも、お客様から連絡があれば対応しているのが現状でした。しかしTANOMU導入後は、別途組み合わせたLINE拡張機能のお問い合わせ営業時間外は、自動応答で対応するように変更しました。
営業メンバーによる時間外対応は顧客満足度を高める側面もあるものの、営業メンバーの疲弊は免れません。それに、一度営業担当がそれをやってしまうと、後任の営業担当も同じ事をしなければならない負の連鎖が続きます。
その連鎖を断ち切るためにも、センターとして営業時間をきちんと決めて時間内でしっかりと対応するという姿勢を、あらためてお客様に理解していただく必要がありました。TANOMUの導入は、そのきっかけとなりました。
ちなみに現在は「時間外の対応は翌営業日に対応」の旨を自動応答で流していますが、これに対してお客様からクレームをいただいたことはまだ一度もありません。
TANOMUが売れるツールだと教えてくれた「キスコフーズのスープ」
TANOMUの導入は働き方だけでなく、販促にもよい影響をもたらしてくれました。
TANOMUの「おすすめ商品」を見たお客様から、追加注文が多く入るようになったのです。
これまでもメルマガでお客様へおすすめの商品を紹介していましたが、正直なところメルマガから新たな注文につながることはほとんどありませんでした。
現在は当社のお取引先様には機能パッケージとして、LINEのともだちアカウントを登録いただき、そこからTANOMUを介して注文をいただく流れをとっています。そのためTANOMUにおすすめ商品を掲載しLINE配信すると、「ついで買い」されることが非常に多いのです。サンプル商品の手配ではなく、いきなり実注文が生まれることには本当に驚きました。
具体的な例では、2022年に発売した「キスコフーズのスープ」という高品質スープがあります。コロナ明けのタイミングで全社の受注が急激に増えたことで、このスープをはじめとする新商品の案内が満足に出来ない状況でした。
そこで、このスープをTANOMUのおすすめ商品に掲載しLINE配信してみたところ、想定していないお客様からの注文や問い合わせが入るようになりました。
本来であれば価格設定をもう少し安くしないと売れないのでは?と半信半疑の気持ちがあったのですが、お客様は安い商品よりも「目に留まった、ニーズに合う商品・高品質な商品」を購入くださったのです。
その後、冷製スープとして見せ方を変えたところ、今度は夏にかけて気温の上昇とともに再び注文数を伸ばしました。こうした体験は当社でもはじめてのことで、非常に驚きました。
もとは業務効率化のために導入したTANOMUが、単なる業務効率化ツールではなく、商品が「売れる」ツールであるということが、はっきりとわかったきっかけでもあります。
この一件によって、営業メンバーもTANOMUが従来のメルマガとは異なる販促効果を生み出せると気付いてくれました。今では営業メンバーも、TANOMUを業務効率のツールというよりも、「売るためのツール」だと認識してくれています。そのため、TANOMUのおすすめ商品への掲載は、3ヶ月先まで社内予約が埋まっている状態です。
TANOMUは会社全体の、デジタル販売に対しての意識を変えてくれました。TANOMUの成功によって、これまでの「売る=営業」というアナログ販売への一辺倒を脱却し、積極的にデジタルを活用して売っていこうという意識に変化したのです。この意識変化が、TANOMU導入の一番の功績と言えるかもしれません。
まずは社内にTANOMUの良さを理解してもらうことからはじめる
TANOMUの導入は今となっては大成功といえますが、導入の過程ではそれなりに苦労もありました。特に、社内の部署間での調整に苦心しました。
これまで当社では受注には「くぜらく」というシステムを使っていました。そのため、すでにシステムが入っているのになぜわざわざTANOMUにスイッチするのか、その理由が社内でもなかなか理解されなかったのです。
これまでとやり方を変えることに、抵抗のあるお客様がいらっしゃることも容易に想像がつきます。「今まで紙でできたことができなくなるのは却って不都合なのでは」といったお声もいただきました。
TANOMUによって従来よりも注文がスムーズに行えるようになる、発注書を作成してやり取りするよりもはるかに楽でわかりやすく商品を提供できる、その場ですぐに注文でき利便性が高い、注文のリードタイムを短くできるため双方にメリットがある。
こういった点をお客様にもご理解いただくためにも、まずは自社の営業部門の理解を得ることが必須です。
そこで、まずは社内のメンバーにTANOMU導入意義を理解してもらう草の根活動からはじめました。
文字ではなく、画像を多く取り入れ社内資料を作成し、それをもとに説明をおこなう。さらに営業部門としっかりと会話をして、きちんと理解を得る。そのうえで、理解と納得のできた営業メンバーからお客様に切り替えの説明をしてもらうことを徹底し、社内の理解を獲得するに至りました。
膨大な数の商品登録、拠点ごとの違いーー卸の「痒いところに手が届く」のがTANOMUの魅力
営業部門とお客様の理解を得られてからも、まだまだ多くの課題が残されていました。
そのうちの一つが、商品登録の手間です。
TANOMUを使うには、自社で取り扱うすべての商品をシステムに登録しなければなりません。しかし、一店舗につき100〜2,000アイテムもある商品を、手動で登録するのは非現実的でした。この課題は、TANOMUの商品マスターと、弊社基幹システムをFTP連携する仕組みで解決しました。
もう一つが、拠点ごとの取り扱い商品の違いをどうするかです。
当社は複数のDC(ディストリビューションセンター)拠点が存在しており、拠点ごとに取り扱う商品が異なります。そのため、拠点ごとに閲覧できる商品の設定を行う「閲覧権限」のコントロールが必要でした。
同じ商品であっても異なる単位が表示されるようにしたり、商品検索機能を当社の基幹システムとFTP連携したりと、TANOMUをより使いやすくするために、数ヶ月かけて細かな定義の設定を行いました。
こういった、卸売ならではの悩みや困りごとに柔軟に対応できるのも、TANOMUの魅力だと感じています。他社の受発注システムは卸売に特化しているわけではないので、痒いところに手が届く柔軟なシステムは、卸業者に寄り添ったTANOMUならではの特長ではないでしょうか。
ツールの掛け合わせにより、一方通行ではないインタラクティブなプラットフォームを目指す
現在当社では「LINE拡張機能」「kintone」「TANOMU」の3つのツールを組み合わせて利用しています。
kintoneは主に情報蓄積と共有に使っていて、TANOMUのおすすめ商品の反映にも活用します。
TANOMUは受注をメインとしており、新規で登録されたお客様の発注を膨らませるイメージです。お客様とのコミュニケーションはLINEで完結させると同時に、LINEアカウントには拡張機能のLinyを導入することで顧客管理にも活用しています。これは、いわゆるCRM(Customer Relationship Management)=顧客管理システムを導入したことと同義です。
LINEの公式アカウントは、お客様へのメルマガツールとしても活用できますが、多くのお客様はメルマガをブロックしてしまう傾向があります。これは、公式の性質が「一方通行化」することによって起きる現象ではないでしょうか。
そこで、当社ではTANOMUとLINEを組み合わせることによって、お客様と双方向でやり取りができるプラットフォームを目指しました。
まだまだ改良の余地はありますが、理想形としては、問い合わせやインタラクティブなやり取りができる、ヤマト運輸さんの公式LINEをイメージしています。
2022年6月時点では、TANOMUを経由した受注金額は、半年前に比べて8倍も伸びていました。2022年8月には従来システムの「くぜらく」の受注金額を超えました。今後はFAXなどを完全にTANOMUに置き換え、一本化を進めていく予定です。
TANOMUを使って売上を伸ばすだけでなく、お客様とのコミュニケーションツールとして活用し、さらに業務効率化を目指していく。そのためには、いかにしてTANOMUを徹底的に作り込んでいくか。それを考えていくのが、私たち自身もとても楽しみです。
いかがでしたか?これからも売り手に寄り添ったプロダクトとして、実際のお客様の声を定期的に発信していきたいと思いますので、ご期待ください。
株式会社久世
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