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2024.10.29 「日本の戦争を始めた人々」オンライン講演終了しました


 本アカウント「たのしい教師生活をはじめよう」は、教員である高野圭(東京・中高)と中村文(福岡・小学校)を中心に、「たのしい教師生活を送りたい!」「ってか送ってる!」みたいな人の記事を集めているnoteです。今回は中村が書いています♪

0.初! noteオンラインイベント

10月29日に、中一夫さん(東京)著「日本の戦争を始めた人々」完成記念講演会を行いました。

イベント内容はこちら


1.イベントに至った経緯

私はこの本を読んで、
事前に中さんにこのような感想を送っていました。

『日本の戦争を始めた人々』、素晴らしかったです。
忘れないうちに感想をと思ってメールをしています。

① いろんな角度から読める
 
構成について なんですけども…。一言で言えばすごい!ある特定の人の考え方だけをクローズアップして書いているわけではないので、いろんな人の立場や考え方の違い、それぞれが持っているイメージや未来像についてを知りながら本を読めた って思います。
 そして「なぜ開戦に至ったのか」…、その人たちの心情をなぞりながら書かれてあるからこそ、「戦争もやむを得ない」という考えになることもわかります。
 私もその場の立場にいたら、…それ以外の選択肢が出てこないと思います。そしてこのままでは日本は滅びると思ってもしまうかも。それはとても恐ろしいことだと思いますが、冷静かつ落ち着いて判断ができるだろうか?…それについては自信ないよなぁと思いながら読んでいました。

② イメージの違い
 
中さんが伝える一つの仮説である「イメージの違い」が、ものすごく明確に伝わるなと思いました。「イメージの違い」という仮説をもとにして書かれているので、とても読みやすかったです。

③ マスコミや国民の動き
一部の情報をうのみにしてしまうこと、そして、大勢が騒いでいたらなかなか少数派になれない(声に出せない)こと、そして、大勢が言っていることがいかにも正論として通ってしまうこと…。
 これは開戦前に限らず、今の世の中でも大いに起こりうること と思います。また、大きなうねり(中さんの本だと「開戦前の国民の様子」ですが)に対して、何も考えずに流される人もいるわけですし。
 正直私も、その時にどの立場になるかわからない…と思いました。

④ 自分事として考えられる
 
これには、読んでいて自分もびっくりしました。道徳プラン(※)を受けているような気分でした。
私が内閣にいたら?
私がこの時の国民だったら?
私がアメリカ人として日本を見たら?と、
その時の立場として・自分だったらどうする?と考えらえる本になっていると思いました。

⑤ 未来は予想できない
 本のあとがきに、「未来が予想できないからこそ、誰かの考えが正しいと決めつけれるのではなく、いろんな人の考えが存在することが重要」と書かれています。
 「危機的な未来像」は、国家レベルだけでなく、私たちが生きていく中でそう思ってしまう場面がいくつかあるのではないか?と思います。
 私の人生でも 危機的な未来像を考えたことたくさんあるな(あったな) と思いますし。
 ですから、自分のやっているこの行動が正しい と考えるより、中さんが言う「自分の行動や決断は、あくまでもその時の予想である」と考えて行動することは、危機的な未来像を回避できるポイントではないかなと思いました。

⑥ 最後に
戦争は嫌です。
それをわかってるけど戦争はなくなりません。しかし、過去の事から学ぶことはたくさんあると思います。
今、学校でも毎年平和学習を行っています。
子ども達の感想に「二度と戦争をしない」「身近な人と仲良くします」という感想があります。
もちろん、そう思ってくれるのはありがたい。
しかし、戦争はお互いの正義と正義のぶつかり合いであること そして、「危機的な未来像」を少しでも予想変更して回避する ことも大事な平和教育だと思いました。
ですが‥‥私はそれを子ども達に伝えられているかな?どうだろう…?なんて、自分のことを振り返りながら読んでもいました。

※道徳プラン…全国の先生に実践され,子どもたちに喜ばれる授業プラン。仮説社で取り扱われています。中さんは、いじめ・人の生き方など様々な分野の道徳プランを作成しています。その第一人者。

『戦争を始めた人々』をよんだ感想(一部編集)

そこで、

〇中さんから、本の内容・中さんがこの本に込めた思いなどを聞きたい!
〇開戦の本・以前仮説社から出版されていた『日本の戦争を終わらせた人々』も含め、開戦~終戦までの流れなどを知りたい。その関わった人々の苦悩・考えなども教えてほしい。

などを中さんから聞きたくて、イベントを開催したのでした。
なるべく早く行いたい‥と思っていたので、お互いの都合を合わせると…火曜日の夜。となりましたので、29日に設定しました。


2.申し込み数にびっくり

イベントを立ち上げたのが、10月20日。
講演は29日と、イベント開始まで10日もありません。
しかし、その10日間でなんと、申し込みが70名ほど!す、すごい!

中さんは、2013年に『日本の戦争を終わらせた人々』という本を仮説社より出版しています。そして今回、増補改訂版『日本の戦争を終わらせた人々』も同時に出版されています。
それから11年‥‥。ようやく「開戦」「終戦」の本をまとめられました。それだけ中さんの本を待ちわびていた方が多かったのだと思います。

※ 現在増補改訂版『日本の戦争を終わらせた人々』・『日本の戦争を始めた人々』は仮説社でも取り扱っています。


3.講演の様子

画面に入りきらないくらいの参加者の方々が!


私のパソコン、2画面になってました。

たくさんご参加いただき本当にありがとうございました。

今回は、新刊紹介 ということも含め、
中さんがいろんな話をしてくださいました。
講演内容はというと、、このような感じです。

〇新刊を中心に、日本の歴史、特に戦争の原因と責任、そして終戦に至るまでの経緯について
〇東郷茂徳(開戦・終戦時の外務大臣)の生涯と外交哲学にも焦点を当て、平和を追求することの重要性と、歴史から学ぶべき内容について

ZOOM要約機能より編集

2時間があっという間に終わっちゃうほど、内容の濃い講演だったと思います♪

4.参加者の感想


さて、参加者の感想をご紹介します。

「日本の戦争を始めた人々」の本を読みました。
戦争はしたくないと思ってもこんな風にはじまってしまうんだと衝撃でした。自分がもっていた戦争の始まりの印象と全く違いました。前半部分を読んでいると、天皇や東条総理大臣、東郷茂徳はこんなに「戦争をしたくない」という思いをもっている人がいるのに、戦争が始まってしまうんだろうとずっと歯がゆい思いを持ち続けて読んでいました。
 中さんが今日のzoomで話されていた「お互い違うストーリーを描いている。」が印象に残っています。同じ内容でも違う見方になってしまうのが、すれ違って行ってしまうんだと思いました。アメリカの誤訳もアメリカ側が日本を信用できず疑心暗鬼になっていたから、そのままの訳ではなく、誤訳になってしまったのかなと思いました。「正義と正義が戦争を生む。」たくさんの人が関わる戦争さえもトラブルの元はやっぱり正義なんだと実感することができました。
 いろんな立場の人の思いを知ることで戦争の始まりを知ることができてよかったです。そして、この事実をこどもたちにも知ってほしいと思いました。文化祭などの劇でよく中学2年生は平和劇をすることが多いですが、少しでも伝えることができないかなと思いました。
 今回の会は、平日の夜ということでこどもが寝た後にゆっくりと参加できました。企画してくださった中さん、文さんに感謝です。鹿児島の会はこどもがまだ小さいため、長時間の参加が厳しいかなと思っていたので、話を聞くことができてうれしかったです。東郷茂徳の本今から楽しみです。ありがとうございました。(中学校教諭)

 『日本の戦争を始めた人々』出版記念講演会,ありがとうございました。家族の用事があり,前半の1時間だけを聞かせていただいたのですが,半分だけでも参加させていただけて,本当によかったです。
 『日本の戦争を始めた人々』は,歴史や戦争のことをほとんど知らないぼくにも,とってもわかりやすくて読みやすかったです。
 本が届いた日に「少し読ませてもらおう」と読み始めたら,「どうなってしまうのだろう」ととまらなくなって,ドキドキしながら一気に最後まで読ませていただきました。「こんな状況では開戦をとめられない・・・」,「戦争が始まってしまう・・・」と,どんどんつらい気持ちになっていったのですが,最後の「中さんのあとがき」を何回かくり返し読ませていただき,なんとか前向きな気持ちになれました。
 そして「この本は,より多くの人に読んでもらいたい。このことを知っておいてもらいたい」という気持ちになりました。
 
 今回のお話で,むずかしい内容がぼくにもどんどん読みすすめていけたのが,初期の原稿の段階で「むずかしい」と言ってくださった方がいて,〈たのしい道徳の授業プラン〉のように読んでいる人がその立場で考えられるように,話をカットされたり,書き換えていかれたりしたおかげということを知れたのもよかったです。そのことは本当にありがたかったです。
 ぼくが気になっていた「これから読む人は,開戦の本と終戦の本のどちらから読むのがいいのだろう?」ということも,中さんから「これから読む人は,開戦→終戦の順で読むといい」と教えていただけて,よかったです。
 『日本の戦争を始めた人々』を読み終えたので,『日本の戦争を終わらせた人々』の増補版を読ませていただこうと思います。増補されて,前の版とどう変わっているのか,読ませていただくのがたのしみです。
 後半の講演も限定公開してくださった動画で,聞かせていただきました(ありがとうございます!)。
 中さんが日本の戦争にかかわるたくさんの研究をされていて,まだまだたくさんの研究成果があって,新たな本にされていく予定とのこと,本当にスゴイです! 
 その中でも『教育勅語と修身書』の本にいちばん興味がわきました。「どんな教育がなされて,あのような状況になったのだろう」とぜひ知りたいからです。自分からは絶対に手にとって読まない本のタイトルですが,中さんの本だったらすぐにでも読ませていただきたいです。
 出版記念のお話,そして長い年月をかけて2冊の本を出版してくださったこと,本当にありがとうございました。(西岡明信さん)

たくさんの方が感想を送ってくださいました(全て中さんに送っています)本当にありがとうございました!!


5.最後に…

 私は太平洋戦争についての本をほとんど読んだことがありません。
なかなか読むのにはハードルが高い というのが本音です。

しかし、この本はもちろん「戦争」について書かれていますが、
生き方・考え方について学べる本ではないかと思っています。
いろんな方々が手に取って読んでほしいと思っています。

おススメの一冊です♪

(おしまい)


note「たのしい教師生活をはじめよう」では、
今後も様々なイベントが開催できたら…と思っています。

随時noteでもイベント紹介していきますが、
Peatixでもアカウントを作成しています。今後こちらで申し込みをしていけたら…とも考えています。(会員登録必要。無料です)
 Peatixをフォローしていただくと、今後のnoteイベントの告知が自動的に届きますので、こちらのアカウントも見ていただけると嬉しいです。



6.メンバーシップ限定の記事

今回、参加者の方々に中さんの講演見逃し配信を行いました。
その後、こちらでも見られるようにしたいと思い、
メンバーシップ限定でYouTubeを公開いたします。
また、資料などもこちらに掲載しています。
※中さんの了承済みです。中さんありがとうございます!

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たのしい教師へのトビラ

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