首かしげの契機はあまりにも柔軟な思考と感性のもとに【麻雀・フリー雀荘・マナー・Mリーグ】
こんばんは。
場末フリー雀荘出身の田ノ倉です。
麻雀でめちゃくちゃファジーなマナーのひとつとして、
「首かしげ」
っていうのがありますよね。
首を傾げるっていうのはだいたいマイナスな状態を想起させるので、
・何かをツモってくる
↓
・その人、首をかしげる
↓
・浮かない顔して別の牌を手出し
↓
・また首をかしげる
↓
・下家、適当に無スジを切る
↓
・首かしげの人「ロン、18000。」
みたいなことがあると、
「はあ???」
と思う人もいると。
でもまあ別に、
「あ~、全然いい手入らねえや~」
とか明確に口に出したわけではないので。
ただ首を横に傾けただけなのにそれを勝手に
「首をかしげているからそんなにいい手ではないんだろう」
と思い込んだ人が悪いんでしょ
と言われればそれまでです。
なのでまったく気にしない人もいますけど、
やっぱり人間なのでモヤッとしちゃう人もいると。
そういう感じなので、
明確にマナー違反であるとされるケースは少なく、
なんとなく気になっちゃう人はモヤッている、というような、
なんともファジーな扱いのマナーです。
あんまり酷いと注意はされますけど。
それでも治りにくいし、
指摘もなんだかんだ結構難しい。
Mリーグでも某プロが染め手で最高の入り目だったにも関わらず首かしげを発動し、
直後に華麗な出和了をカマして、
少し叩かれていたような気がします。
しかしまあ、
その場にもよりますが、セット麻雀なら多少手牌について
「なんでここが入るんだよ~」
とか喋りながら打っても許容されるケースが多いと思います。
ただフリー雀荘は基本的に手牌に関してのトークはご法度なので、
どうしても不満感は言葉でなく仕草に出てしまうわけで。
そもそも言葉にも仕草にも出すなよっていうのはあるんですが、
実際問題、いわゆるテンゴやピンのフリー雀荘では、
そこらじゅうで首かしげが見られます。
ここまで多いと、
いちいち首かしげに関しては気にしないようにするほうがラクだとは思います。
個人的には、
そもそも雀力が低すぎて捨て牌だけでも情報を得るのが困難なのに、
それ以外に読みの要素を増やすなんて!無理!
ということで、首をかしげられようがため息をつかれようが、
完全無視してます。
そこまで情報として取り入れてしまうと処理できない。
なので、結果としては、気にしてない派にはいります。
話は変わりまして、
正月早々いきなりクライアント様からパチンコのノリ打ちに誘われ、
負け分はすべて補填してくれるはずだったのにきっちり壱萬円負けました。
なんなの?
つーか正月にパチンコなんて勝てると思ってんのか?
ちなみに僕が1万円負けるまでの間に、
クライアント様は3万負けてました。
どんだけ回らん台を打っていたのか。
何の意味もないパチンコ後、
二人で仲良くフリー雀荘に向かったのですが、
卓の状況的に同卓ができないと。
クライアント様は知らない人と麻雀するの怖い、
同卓できないならヤダ!
というので帰ってもらいました。
その雀荘に、
強打が直らないのと首かしげが多すぎる長髪おじさんがいます。
たまたま長髪おじ含む常連だけの卓が立ち、
まさに冒頭で挙げた首かしげからのロン、18,000を長髪おじがカマしました。ため息つき。
確か6巡目くらいでした。
その卓のメンツは、
客の8割が裏メンだと知っているのに本人はバレてないと思っているNさんと、
どうみても超高レート出身なくらい強面で眉毛もないのに、
競技麻雀出身でめちゃくちゃマナーが良いAさん。ただ発言は超場末。
ここには書けないようなワードがビュンビュンとんできます。
もうちょっとマナー悪くてもいいから発言内容を精査してくれませんかね?
あとは僕と長髪おじ。
今回放銃したのは強面のAさんで、
「おい、その手のどこに首かしげるところがあんだよ!」
とキレ気味。
Nさんも
「またそれやってんの~?この前も他のお客さん怒ってたじゃん、やりすぎなんだよ」
と注意。
ぼくが
「それ、なにが不満だったんすか?」
と聞くと、
「いやこれ入り目が2sだったの。だってこんなのさ、2s以外全部めちゃくちゃうれしいわけじゃん、なのによりによって2sだよ?ここまできて何だよ、ってなるよこっちも」
と不貞腐れ気味。
Nさんや強面は
「ダマインパチあるんだから十分だろ」
「マジで言ってるなら感覚おかしいよこのおっさん」
とか怒っている。
僕がゲラゲラ笑っていると、
「そうやって笑って済ませる人がいるから治らないんだよこういう人は」
ととばっちりを食う始末。
これが一段落したあとも、
長髪おじはまたやらかします。
明らかなマンズの染め手で、
めちゃくちゃ激しく首を傾げて手出しのピンズ切り。
そのまま手変わりなしで、
ぼくが切った七萬でロン。
メンホンドラ1で8000。
ぼくは長髪おじが首を傾げてようがなかろうが、
マンズが余るまでは押し続ける手だったので、
まあしゃーないという感じだったのですが、
これにNさんや強面が激怒。
「あれだけ言われてまだやんの?」
「こんなおっさん同卓拒否だよもう!」
「もはやシャミだろこんなの」
などとブーブー言っていたのですが、
長髪おじは
「だってこれ、七萬入ったんだよ。え?まさかこっから入るかね?って思わない?」
とか言っている。
さすがに呆れたNさんと強面が、
「じゃあさ、おっさんが首かしげるたびにもう俺ら指摘するから。そのときなんで首かしげてたのか、終局後に毎回説明してよ」
と言い出しました。
ぼくはなんとなく面白そうなのでまあいいかと黙っていたのですが、
さすがに長髪おじが拒否するだろうなと思っていました。
しかし長髪おじは
「別に普通だと思うけどね。。。いいよ別にそれでも」
となぜか快諾。
そこから長髪おじのあまりにもエキセントリックな持論が展開されていきます。
・CASE1
強面のリーチを受けてこの手牌(ソウズは記憶があやふやですが、だいたいこんな感じ)。
6pをツモって思いっきり首をかしげてリーチ。
手詰まったNさんが南で放銃。
おじ「無スジの5pが出る形になるとは思ってなかった。この流れなら5p引いて現物の4p切りになると思っていた。」
ドラ5の手牌でもさらに高みを目指したい様子。
・CASE2
配牌で4シャンテンくらいのなんかバラバラの手。
第1ツモはどこにもくっつかない字牌でした。
ここでめちゃくちゃ首を深く深くかしげてじっくり時間を使い、
ツモ切り。
強面はここで、
おじにイーシャンテンくらいの配牌が入っていると思ったようです。
いい形のダブリーチャンスなのにテンパイせず、
首かしげてツモ切りしたと。
強面は強面でいい加減いくらなんでも何度も何度も騙されすぎだろ。
とは思いますね。
そういう人だってわかってるのに。
おじ「これだけバラバラなんだから有効牌のほうが多いはずじゃん。なのにわざわざどーでもいい字牌持ってくるなんておかしいだろ、っていう感覚。」
さっきの流れ論でいうなら、
こんなクソ配牌になるような流れなら、
ツモもクソでしょ、みたいな思考にはならないのでしょうか?
・CASE3
おじが首を傾げながら、
リーチ者捨て牌のスジで2枚切れの1pを切る。
同巡、リーチ者現物の8mでロン、3900。
赤は全部見えているし、
どの入り目でもドラはこれ以上使えません。
そんな手で、何が不満だったのでしょうか。
Nさんも強面もまだ真面目な顔しておじから放たれるその理由を待っています。
いつまでやるんだろう。
おじ「4s引いてテンパったときにさ、ちょっと力はいりすぎたじゃん?現張り(リーチ者の現物待ち)なんだけどさ、さすがにバレちゃったかなと思って。現張りだってわかってたでしょ??」
強面「わかってたら切らねーだろ!煽ってんのか!?」
強面は強面なのでこういうこと言うと本当に怖い。
勘弁してほしい。
おじ「あ、そう?さすがにわかんないか~」
このメンタルの太さは場末雀荘で生き抜くために非常に大事な要素な気がします。
・CASE4
おじが3巡目くらいに首をかしげながら打4p。
次巡、
「あ~・・・・もういいや!」
といって4pツモ。
ツモのみ。
アタマの無い手で4p単騎仮テンにしていたら4pをツモってしまったものの、
他の形がいいのでアガらず続行。
そうしたらまた4pをツモってきてしまったと。
これはまあ首を傾げる理由もなんとなくわかります。
しかしここでおじが述べた理由はこうです。
おじ「前局さ、ツモったとき。また強打しちゃったなあと思って。あんだけ強打ダメって言われてんのにね・・・」
と深刻な表情。
強面もさすがに
「いやそっちの理由なの?やっぱおかしいよ」
と苦笑い。
しかもこの和了、オーラスの子で、3着確定和了です。
満貫ツモでトップになれる点数状況でこれです。
さすがに思考が亜空間すぎます。
今回、冒頭の2例も含め、
重複しない内容の6パターンを挙げましたが、
実際は2半荘でCASE1と同じ内容を何度もやったりして、
ほぼ毎局首を傾げていました。
それにしても、首を傾げる理由が僕からすると異次元すぎます。
あまりにも柔軟すぎる思考と感性。
Nさんや強面も、
「ここまで来ると、自分たちがあまりにも鈍感すぎるのかな?と思ってきたよ」
と自分の感覚がおかしいのでは?という錯覚に陥る始末。
それくらい当然のように、
「カン七萬が埋まってテンパイしたんだよ?両面より埋まりにくいのにおかしいじゃん」
などと言ってのける。
おかしいからなんなんだって話ですが、
「こんなスムースにテンパイするなんて、罠かもしれない」
とか思うのでしょうか。
まあでもこれ、
実際話を聞いてみるともう本人的には
「首かしげるのも当然でしょ」
みたいなテンションでやっているわけで、
【三味線的な首かしげはダメだよ】
というのは絶対に通用しないというのがわかりました。
首かしげによるトラブルを防ぐには、
そもそも首かしげをNGにするしかない。
しかしそれだと、厳密にやるなら
首を何度曲げたら首かしげにあたるのか、
みたいな話になり、
ガチガチな状態で麻雀打たなければいけなくなってしまうので、
さすがに厳しい。
多くの視聴者に見られるプロの方々は別にして、
我々一般のフリー雀荘プレイヤーは、
やはり「首かしげをいちいち気にしない」しかないんじゃないでしょうか。
実際、さすがにひどいよな、って人もけっこういますが、
それにしたって基準は人それぞれで、
むしろ我々の感覚感性が貧しいのが悪い、
こんなの当然の首かしげだ!
って思う層が実は多数派なのかもしれません。
声のでかい層が首かしげ否定派が多いってだけの可能性もあります。
みなさんもセット麻雀やラフな雰囲気のフリー卓で、
「こんないい手なのになんで首かしげてたんですか?」
と聞いてみると、
新たな思考や感性の扉が開けるかもしれません。
(「なんだよそれ、俺が三味線したっていうのか?」
と怒られるかもしれませんが、
そのへんの空気感はちゃんと読んでやってください。)