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「盲牌完璧勢」は盲牌したほうが絶対良いという話

こんばんは。
場末フリー雀荘出身の田ノ倉です。

盲牌すべき、すべきでない問題

リア麻限定ですが、
麻雀では
盲牌すべき、すべきでない問題
というのがあります。

先日、いつも行っている雀荘で話題になりました。

盲牌反対派の意見としては、

グリグリ盲牌をする

結局見る

その後打牌選択をして、切る。

結局見るなら最初からさっさと見ろよ!
イライラすんねん!
というのが多いです。

盲牌支持者の意見としては、
・リア麻ならではのあの感触がたまらないんだから文句言うな
・遅いと言ってもたいして変わらんだろ
・触った時点で打牌選択できるから見るより早い
みたいなのがあります。

実は二派に分かれる盲牌勢

どちらの言い分もわかるのですが、
これには大きな問題があって、
実は盲牌勢は大きく二派にわかれるのです。
それをひとまとめにして議論しているから、
問題が起こるわけです。

その二派というのは、
・盲牌完璧勢
・盲牌不完璧勢
これです。

「完璧」の反対語は「不完璧」ではないような気もします。
でもこのままいきます。

要するに、全種類の麻雀牌を盲牌するやいなや即座に判別できるのが盲牌完璧勢であり、
わからない牌があるとか、判別に時間がかかる人は、不完璧勢です。
全部判別可能だけどグリグリグリグリやらないとわからない人は、
もちろん不完璧勢です。

この二派は似て非なるもので、
これらを一緒にして議論するのは、
いささか乱暴だと思うのです。

不完璧勢への不満はわかる

盲牌が完璧でないのに盲牌する人たちへの不満については、
僕も理解できます。

思いっきりグリグリと盲牌をして、
その後ちゃんと視認して、そこから何を切ろうか考え出すみたいなのは、
リズムが大事なリア麻においてはけっこうストレスになります。

完璧に盲牌できない人たちは、
盲牌しないほうがいいです。
時間の無駄です。
さっさと視認するまでのスピードをあげることを考えてほしいです。

盲牌完璧勢はまったく事情が異なる

同じ盲牌であっても、盲牌完璧勢が扱う盲牌というのは、
不完璧勢とはまったく異なるものです。

まず、ツモ牌を牌山からツモって手元に持ってくるまで、
他家に見えないよう、牌の表面を指で隠すのは盲牌する人もしない人も共通です。

その際、指で牌の表面を隠しながら手元牌を持ってくる時点で、
盲牌完璧勢は牌を判別し、
打牌候補を考えることができます。

ほぼ触った瞬間に判別ができるので、
盲牌しない人とくらべて、
牌を手元に持ってくる時間の分だけ思考時間を余計にとることができます。
同じ雀力であると仮定すると、
その分早く打牌することが可能になります。

「とは言ってもやはり視認が最も早いし確実でしょ」
という指摘をされる方もいるかと思いますが、
牌山から牌をツモって手元に持ってくるまでの間で、
他家には絶対見えず自分だけが視認するというのは、
かなり難易度が高いのではないでしょうか。
他家の視野を完璧に把握していない限り、
現実的に不可能です。
結局は手元に持ってきてから視認するということになります。

盲牌完璧勢は牌山から手元に持ってくるまでのスピードも、
盲牌しない勢と同じスピードなので(これが遅くなるような人は完璧勢ではない)、
やはり結論として切る牌を考える時間がその分だけ余計に取れる、
ということになります。

つまり、同卓者のことを考えるなら、
盲牌完璧勢はむしろ盲牌をしたほうが良い、
ということになります。

リーチ後は全員盲牌不要

ただ、リーチ後になると話はまた変わります。

リーチ後にツモる牌はツモ和了牌だとしてもそうでないとしても、
すべて他家に必ず公開されます。

したがって、牌山からツモった瞬間に、
全員が見える形で視認しても問題ないわけです。

ということは、確実性・スピード、どちらも高水準で併せ持つ、
視認という方法を選択すべきです。

牌をツモった瞬間にその場で視認、
不要なら最短距離で河へ、
和了牌ならこれも最短距離で手牌の横へ、
というのが最強です。

このスピードと確実性には、
いかな盲牌完璧勢をもってしても盲牌では勝てません。

二軒リーチに2枚切れのカン7ソウで追っかけリーチをして、
一発で7ソウをツモって跳満、
みたいなときの7ソウの感触が最高なのは同意しますが、
リーチ後の盲牌はどう理論武装しても無駄という結論にしかならないので、
やめましょう。

「念のため見る」人は不完璧派だと自覚せよ

盲牌をする人の中には、
「完璧だけど念のため見とく」
っていう人がいます。

念のため見るなら完璧じゃねーだろっていう意見が普通だと思いますが、
本人は完璧だと思っているのでタチが悪い。

こういう層もいるので、
盲牌アンチ層に攻撃されるのです。
「結局見てるやん」
「とっとと見ろや」
って。

例えば萬子の多面張でテンパイをして、
盲牌だけで一切視認せず、打牌速度も保ったまま以降の打牌を繰り返せるか、
と言われたときに、自信を持ってできる!と言えないならもうそれは不完璧です。

他の局面でも、
ツモ切りをするときに、牌山からツモって不要牌だと判断した瞬間に、
手元に持ってくる動作を省略して、
そのまま見ずに河へ捨てる、
ということを毎回できますか?
ということです。
これも
「念のため視認しておきたい」
という気持ちが芽生えるなら、
その時点で完璧勢ではありません。
盲牌の時間が無駄なのでやめましょう。

結論:盲牌完璧勢は盲牌をするべきである

ということで。
今回主張したい内容の結論としては、
「盲牌完璧勢に限定されるが、
その層はぜひ引き続き盲牌をして対局に参加してもらうべきである」
ということです。

少なくとも彼らが批判されるべき点は見当たりません。

一方で、盲牌が完璧でない層に関しては、
盲牌アンチの方々の意見が正しいです。
ただちに盲牌を猛特訓して完璧にするか、
今後一切盲牌をやめるか、
どちらか選択しましょう。

番外:場末で盲牌は不滅である

上記の内容に関して、場末では当てはまらないことが多いので注意しましょう。

例えば、本来リーチ後に盲牌をする必要はないので、
速攻で全員にツモ牌を公開してしまっていいのですが、
場末では勝負どころのめくり合いの際に、
ツモってきて切る牌についての一言コメントを添える流れになることがあります。
このとき、速攻でツモ牌を公開してしまっては興が削がれますので、
じっくり盲牌してコメントを考えることが肝要です。

例えば2が切ってある相手に通ってない8を切るときは、
「遠い筋!」
とでも言っておけばいいでしょう。

完全に無筋の4萬を切らなければならない際は、
「スマン!通して!」
といえばだいたい通ります。

ちなみに逆に、これを言われたときにうっかりロンしてしまうと、
「謝ってんだから当たらないでよ」
みたいなことをしばらく言われますのでそのつもりで出和了してください。

ちなみに危険牌だった際は、盲牌しながら思いっきり渋い表情をすることも忘れてはいけません。
深い盲牌とともにめちゃくちゃ渋い表情をして、
「通せ!」
と言いながら完全安牌を切るという応用技もあります。

このあたりはうまくやってください。


また、場末なのに強打にめちゃくちゃ厳しい雀荘もあったりするので、
そういう雀荘だと
「勝負所感」
を出すためにはもはや
「盲牌をいかに深くするか」
になってきます。

全員微差のオーラスとかになると、
全員の盲牌が深すぎてその局だけ異様に時間がかかる、
みたいなこともよくあります。

明らかにタイパは悪いし無意味ですが、
もっと大事なことがきっとあるんだ!
ということなのです。

結論。
郷に入っては郷に従え
ということです。

以上。

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