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場況読みの恐怖:馬鹿にするなら馬鹿にし尽くせ【麻雀】

こんばんは。
場末フリー雀荘出身の田ノ倉です。

去年くらいに通っていた雀荘で、
某有名私立文系大学を卒業してすぐ、なぜか麻雀にハマり、
すぐメンバーになったRくんという若者がいました。


Rくんは24歳くらいからメンバーになったということもあり、
ほかの若いメンバーに比べると常識があり、
接客もしっかりしていました。

ただ自分のバックボーンとして自信があるのが某有名私立大学出身ということだけのようで、
しきりに常連に出身大学を聞いては腹の中で優越感に浸るという嫌な奴でもありました。


彼はわりと常識があるはずなのに、
なぜか限られた常連客に対してだけ、ゲーム中でも関係なく
「3m場況いいのになんでペン3m払うんですか?」
とか聞いてくるヤバい面も持ち合わせています。

そしてそれをする対象の客は、
全員Rくんより学歴のいい客なのです。
自分より頭が良いと思う客に対しては、
あれ?と思う打牌があったらすぐ聞かないと気が済まないと。

僕はというと、有名私大文系のRくんからすると、
優秀か馬鹿なのかわからないような立ち位置の大学を出ているため、
思考停止し、同じくらいの頭脳レベルと判断されました。
その結果、客の中で唯一Rくんから飲みに誘われるというよくわからない立ち位置に収まることとなりました。



そんなRくんの主戦場はいろいろなところで開かれる麻雀大会と、
ネット上でやりとりして意識の高い人たち同士で組んだセット麻雀でした。

プロを目指しているというのもあって、
めちゃくちゃ向上心があり、めちゃくちゃ勉強していたようです。


Rくんの特徴として、極端に場況を重視する、いわゆる場況厨といったところがあり、
よくチートイツで謎の中張牌で立直して流局し、
「山にあると思ったんだけどな~」
とか言っていました。


飲みに行ったときによく言っていたのが、
彼は客のほとんどが自分より頭が悪いと思っていて、
自分がこの場で勝ち抜くには頭を使って場況読みの精度を上げることだ
と信じているということです。

田ノ倉さんは自分と同じくらいの能力があると思うから、
まわりのノリで適当に打牌しないでもっと場読みしたほうがいいですよ
とよく言われていました。

ごめんよRくん、俺は残念ながら今でも場況読みなんてまったくできないわ。


Rくんは勉強や努力の甲斐あって、
界隈のセットや大会なんかではそこそこ良い結果を残し続けていたようなのですが、
馬鹿にしていた客ばかりの店の本走では純黒になった月は1回もないようでした。

負けの言い訳はたいてい
「5pいると思ってたんだけどな~」
「7mは山3のはずなんだけど・・・」
です。



おそらく、彼の大きな間違いは、
客を馬鹿にしているはずなのに最後まで馬鹿にし尽くさなかったということです。


上手い人や勉強している人たちを相手にしてそれなりに結果を出せているなら、おそらくRくん自慢の場況読み等はなかなか精度が高いものなのでしょう。

ですがそれはちゃんと牌理に従って手順ミスなく打つ相手が揃っている場合の話で、
場末フリー雀荘で好き放題気の向くままに打つ相手に通用しない場合もけっこうあります。

Rくんは、客を馬鹿にしていながら、でもその馬鹿にしている客たちはちゃんと正しい手順通りミス無く打つものとして計算しています。
本来、馬鹿にしているなら、馬鹿がきっちり牌理通りに打てるわけねーだろ、
くらいのことまで考えるべきなのです。


実際、配牌で1112sという形があって、
「もう1sが暗刻でメンツできているから」
と第一打にいきなり2sを打つ人なんて場末フリーならゴマンといます。

この第一打2sを見て、
「1sは持ってなさそう」
なんて読みがアテになるわけがありません。


そんな環境で的外れの場況読みをして、
山にいると思い込んでど真ん中の牌の単騎で待つんであれば、
よくわかんねーけど誰か掴んだら出すでしょ
みたいなことで適当なオタ風単騎で立直打っちゃったほうが勝てるのは明白です。


超クズですがソフトピンで毎月純黒になっている某チェーンのメンバーは、
「ヘタクソ相手に場況なんて考えてもしょうがねーだろ」
と豪語し、キモいくらい正確な牌効率と押し引きだけで勝ちまくっていました。

そのクズメンバーが本当に場況を読んでないのか、
牌効率が本当にそこまですごいのか等は置いておいて、
客を馬鹿にするならそれくらい突き抜けないと勝てないんじゃないの?
という話です。

おそらく、本当に頭のいい人はそこまで考えているはずです。
逆に本当にクズの人は無意識に客を馬鹿にし尽くします。


Rくんはいたずらにそこそこ高い学歴があり、
それしか誇りがなかったばかりに、
中途半端な立ち位置を取ってしまい、
本来もっとちゃんと考えれば勝てるはずのフィールドでアウトを叩きまくり、それだけでなくセットや大会でも結果が出なくなってしまい、
そもそも麻雀というフィールド自体から退場してしまいました。


今通っている場末でも、
とくに若い客がMリーガーの配信かなんかで勉強してきて、
よく流局後に手牌を開いて
「場況的にこっちのターツ残したほうがよかったっすかね?」
とかやってます。

でも場末のおっさんたちにかかれば、
場況良さそうな牌が全部手牌おさまっている
みたいなことはザラにあって、
「もっと精度高めなきゃな~」
とうなだれているのをよく見ます。


Mリーガーとか麻雀プロが牌譜検討で
「場況が良い」とか「場況が悪い」
とか言ってるのは、
相手も全員プロであるという前提が成立した場合の読みであって、
そんなものがビール飲みながらテキトーに打ってる場末フリー雀荘のおっさんたち相手に当てはまるものではありません。

もちろん、最低限の知識は入れておいたほうがいいかとは思いますが、
めちゃくちゃ読んで山にありそうな中張牌単騎とかカンチャンとかで待つみたいなことは、
無邪気なオジサンたちの素直なリャンメンリーチの返り討ちにあうのが場末雀荘のさだめです。


個人的には、場況読みが優れている人にとっての勝ちやすさは、
その場の打ち手のお行儀の良さとレートに比例する気がします。

お行儀の良さというのは、所作に慣れているというか、
競技寄りということで、もちろんプロ同士の場がそこの最たるものですね。

レートっていうのは・・・・なんですかね?
そこは察していただくとして、要するに最低限の牌効率くらいしっかりできてないとその場で打ち続けられないような場だと、
結局めちゃくちゃな打牌をする人は淘汰されて少なくなってくると。


そんなわけで、場況読みを堪能したい方は、
とりあえず競技寄りの、ちゃんと勉強してる人たちが集まる場で打つようにしたほうが麻雀楽しめると思います。

某最大手チェーンがカバーしているようなレート帯に関しては、
かなりノイズが多いと思うので、勝ちたいなら場況読み以外の別の武器もちゃんと用意しないと厳しいでしょう。

というか、勝ち辛いというのもそうですが、
本来全員が牌理通りに打っていれば正しかった読みであっても、
場末雀士たちの気まぐれ打牌によって正しくなかったという結果が出てしまうと、
それによって読みの基準を狂わされ、本来それが通用する場でもズレた読みをするようになってしまって・・・・
というように、Rくんみたいにその場で負けるだけでなく、
もともとは通用していたフィールドでもグダってきてしまいます。


場末で
「場況的にペン3mじゃなくてペン7s嫌ったほうが良かったですかね?」
とか聞いてくる若い真面目そうな客に、
たまに
「俺らみんなテキトーに打ってんだから場況なんてアテになるかよ笑!こいつなんてそのへんの大学生より牌効率知らねーぞ笑」
みたいなことを答える人がいるのですが、
「この人とは真面目な麻雀の話ができないな」
と思って聞き流すのは悪手で、
じつはわりとこういうオッサンの答えが真理だったりします。


麻雀での場況読みの精度を高めると同時に、
そもそもその場況読みが通用する場なのか、
読みを使うべき場なのか、
そのへんの場況読みの力も併せてつけていく必要があるのかもしれません。

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