【神域リーグ2024】ネト麻の実況解説難しすぎ・・・?【千羽黒乃さん語尾縛りプレイ】
皆さんは麻雀対局の実況解説をやったことがあるでしょうか。
普通はないと思います。
ただぼくは前職で接待の際、
飲み屋のモニターで流れる麻雀対局の実況をさせられました。
「お、麻雀やってんなあ。お前らちょっとは打てるんだろ?俺は並べるくらいしかできないからさあ、実況やってくれよ、解説もいるな」
と取引先のオッサンから命令され、
自分と、3つ上の上司といっしょに店のマイクをつかって実況解説をするハメになりました。
いま考えたらこんなのパワハラだろ。
まだ全客の前で歌でも歌わされるほうがマシだわ。
当時はMリーグ始まる前なので、
おそらく諸々の動作スピードは平均してMリーグよりは早かったと思います。
謎のタイミングで謎のタメ時間みたいなのはちょこちょこありましたけど、
(明らかな染め手にその色の牌勝負するときとか)
平均では少しだけ早めだった気がします。
それで、これ一応大口の取引先、お客様からの要望なので、
僕らは真面目に実況解説がんばるわけですけど、
無理なんです。
試しに金曜日のMトーナメント見ながら、音声消して実況でもやってみたらわかると思いますが、
アレは無理です。もはや技能です、技術です、専門職なのです。
まずパッパッと切り替わる画面に、
説明が追いつかない。
かといって無駄に時間使われると、間が持たない。
あと、毎度ツモってくる牌について、
それ自体はゲームの流れとまったく無関係のランダムなものがツモられるので、
その都度その都度与えられた情報に対して一瞬で反応しなければならないわけで、素人には無理です。
あれは特殊技能です。
特別な訓練を受けていないとできません。
そして結局
「おーおー何喋ってんだ??全然実況になってね~ぞ?」
と野次られ店中の客から笑われるという。
繰り返します。こんなもん、パワハラです。
結局これをどう乗り切ったかというのは、
下品すぎてここにはとてもかけません。
昔の話はこれくらいにして、
先日、神域リーグなるものをはじめて見ました。
VTuberが雀魂でリーグ戦やってるのをリアルタイムで放送するってやつで、
監督をプロ雀士がつとめていますと。
もともと相当な人気コンテンツのようですが、
お恥ずかしながら前回のやつは未視聴で、
なんとなくユーチューブで目についた今回のものから見てみました。
実際の対局を見てまず思ったのが、
「実況解説大変すぎないか?」
ってことです。
雀魂、つまりネット麻雀の画面をそのまま使用しているので、
各選手が牌をツモってくる際に無駄な絞りとか盲牌とかは一切なく、
スッ、スッ、と無機質に最速でツモってきます。
牌を切るときも同様。
長考も最長で20秒しかなく、
基本的にはサクサク牌を切っていかなければなりません。
唯一すこし時間的に余裕があるのが、
和了発生時でしょうか。
天鳳とかではないような特殊演出が少しだけ絡み、
普通の放送対局よりやや時間を使う印象です、
そんな環境で実況解説をするということになると、
まず相当なスピード感が要求されます。
Mリーグとは比べ物にならないくらいサクサク進むので、
場の状況も手牌も比例して変化の速度が早く、
気を抜くと一気に取り残されてしまいます。
そしてそんな中で全員の手牌を把握し、
捨て牌状況も確認しながら、
「ここはカン3sの場況がいいから場に高いピンズの両面を敢えて嫌った」
とか解説しなければいけません。
待ち牌の数確認については、視聴者や実況解説からは対局者全員の手牌が見える状態になっているので、
普通の放送対局よりは数えやすいのですが、
それでも対局のスピード自体が早いので、対応するのは容易ではなさそうです。
まあこのスピード感というのは良し悪しで、
スピード感がないMリーグのような対局だと、
急かされない代わりに、場をつなぐトーク力が求められますので、
対局のスピードが遅いからラク、ということにはなりません。
どっちも大変。
それで、その実況解説を担当しているのが、
これもVTuberで、
実況が天開司氏(氏、でいいのかな?)
解説が千羽黒乃さん
というお二人。
実況の天開司氏は、バーチャル債務者ユーチューバーだかなんだか自己紹介されていて、見た目もワルっぽいので、
ワイルドな実況をされるのかと思いきや、
盛り上げるところは盛り上げつつも、ベースは丁寧語できっちり真面目に状況を追っていくスタイル。
そして千羽黒乃さんは、おそらくキャラクターの問題か、
非常に真面目で各選手の選択を前向きに捉える、
Mリーグ実況でいうと河野直也プロに近い否定しない解説です。
そして語尾に「~なのじゃ」みたいなのがつきます。
お二人ともめちゃくちゃ実況解説にガチンコで全力で挑まれているのが聞いているとわかるのですが、
(というかお二人で別途練習とかされてるんじゃないですかね?初見であのコンビネーションだとすると、発言被りの少なさとか、被り時の処理とか、うますぎます)
だからこそとくに千羽黒乃さんの語尾「~なのじゃ」を入れ込んでいかなければならない縛りがめちゃくちゃ大変そうで、聞いているこちらがアワアワします。
普段からその喋り方だから慣れてる、ってのを差し引いても、
スピード感あるネット麻雀での解説を行うにあたっては、
相当な縛りプレイです。
展開が早いうちは普通の語尾でサクサク流しているのですが、
少し間ができそうな時にしっかり「〜なのじゃ」と入れている。
解説をやっている中で、頭のどっかにこの義務感あるってことは、
微々たるものかもしれませんが脳のリソースをそこに割いてるので、
ただでさえ大変なはずなのにさらに負荷がかかっている状況です。
例えば河野直也プロに語尾を何か決めて、定期的にその語尾を使わなきゃならない条件で雀魂対局の解説してもらったとしたら、
ネト麻のスピードだと、解説巧者の河野プロであっても相当苦戦されることと思います。
それくらい慣れていない場でしかもスピードを要求されるような場面で、
語尾縛りはかなりの負荷になるのです。
「いやいや、でもずっとその語尾でやってるんだから、そうでもないんじゃないの?」
と思う方もおられると思いますが、
やはりこれ芸人さんなんかでも同じことがよくありまして。
以前関わったことのあるパチンコだかスロットの実践動画でも、
語尾に特徴のある芸人さん?が出演して、実践しながら実況してやっていくんですが、
どうしても展開がバタバタしがちなパチンコ・スロットの実況ってなると語尾をうまく落とす(まとめる)のが難しく、
変に尻すぼみな喋り方になってしまいカットせざるを得ないシーンなどがちらほらありました。
やはり反射神経、スピードを要求される実況や解説というフィールドにおいて、
適宜キャラ通りの語尾をキメなければならないというのはかなり足枷になるのです。
というわけで、通常のリアル対局とくらべてスピード感に勝るネット麻雀は、
それだけで実況解説の難易度が上がるのですが、
千羽黒乃さんにいたってはそこに加えて語尾縛りプレイまで要求されています。
ぼくはVTuberについてあまりよくわからないので、
「解説のときだけ語尾が普通になっちゃう」
みたいなキャラ付けでも良くね?だって今のままだと解説絶対大変じゃん、
とか思ってしまうのですが、そんな安易なことを言うと界隈の方から
「ド素人が黙ってろ」
と言われてしまいそうなので、
いったんそこは譲れないものなんだという認識でいておきます。
今季から見始めた新参者がいきなり偉そうに、
と思われるかもしれませんが、千羽黒乃さんの解説におきましては、
ハイスピードなゲーム展開のなかで特定の語尾でまとめるのはいかに大変か、
そして相当難易度の高いことに挑戦している
というところにも注目していただきながら視聴していただくと、
新たな見どころが増えると思います。