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世にも奇妙な新規客テスト【麻雀初心者問題】
こんばんは。
場末フリー雀荘出身の田ノ倉です。
麻雀界隈では
「点数計算もな~んもできなくてOK!本当に本当に最低限のルールさえ分かる人なら、とりあえずどんどん来てよ!チョンボとかもないからね!」
というスタンスの雀荘と、
「いや点数計算とかある程度のマナーとか、それくらいは覚えてきてよ。そんなもんネットでいくらでも学べるっしょ?初心者だからってそれに胡座かくのはまずいよ」
ってスタンスの雀荘で意見が割れたとか割れてないとかいう話が話題になっているようです。
おのおの、それぞれの雀荘でスポークスマン(古いか?)的な人が発信している内容なので、
それに合う人が行けばいいし、合わない人は行かなきゃいいってだけの話で、
逆にここまでハッキリ発信してくれると客側からすると
「こんなはずじゃなかった・・・」
の可能性が減るので、ありがたいんじゃないか?
とすら思います。
ところで、SNSが発達してなかった頃は、新規客をテストするような場末雀荘がありました。
自分は2つ経験したことがあります。
新規客テストその1 プチ場末意識高い系
これは学生時代に行ったのですが、
水道橋だったか高田馬場だったか、就活していて面接が速攻で終わり、
余裕で落ちたことがわかったので、
次の面接までフリー打とうとして入った一見の雀荘です。
入口のドアのところには
「お一人様大歓迎」
「初心者でも打てます」
とか書いてあります。
何も考えず、暇さえ潰せればいいという気持ちでドアを開けると、
常連と思しき人たちが囲む卓が1卓稼働しているのみ。
卓数はいま映像を思い出すと、全部で確か4か6。
出迎えてきたメンバーに、初めてなんですが、宣言しつつ、
「時間的に2,3回しか打てないんですけど、すぐ打てそうにないなら出直します」
と伝える。
すると奥からメンバーがさらに二人登場し、
「いえ、大丈夫です。うちはご新規様についてはメンバー3入りか2入りでご遊戯いただき、うちで今後もお遊びいただけるか確かめさせていただいております」
とくる。
当時、なぜかマナーにだけは自信があったぼくは、
「まあ、すぐ打てるなら」
と快諾してしまいます。
それが間違いでした。
その後ルール説明を受けたのですが、
まあ当時はちょいちょいあったのですが、
赤牌がないんですね。
あと、和了連荘だったのが印象的です。
しかしルール説明で言われた内容だと、
普通のフリーとちょっと違う点はそこだけ。
あとはわりとオーソドックスに思えました。
まあ問題ないだろうと対局をスタートしたのですが、
ここからが面倒。
まず副露について、
晒す→取牌→打牌
の順番を徹底するよう指摘されました。
また、フリーだととりあえず
「リーチ」
と宣言し、そこから横に向けて打牌、
その後リーチ棒を出す、
みたいな流れは普通だと思うんですが、
その雀荘では
「リーチ」と宣言→リーチ棒を置く→打牌
を徹底するよう言われました。
あと、一番めんどくさかったのが、
牌山を前に出すときの出し具合です。
だいたい、ある程度前に出してさえいればOKというところがほとんどだと思いますが、
ここでは「前に出しすぎ」という新たな基準を加えて評価されます。
僕は死んでも牌山を前に出し忘れることはないので、
「前に出して」
と指摘されることはなかったのですが、
「ちょっと出しすぎですね」
と指摘されることがちょこちょこありました。
入口に貼ってあった「初心者でも打てます」って。
無理だろこれ。
最後に驚愕したのが、
「ポンの発声が大きすぎる」
という指摘です。
「チー」はOKなんですが、「ポン」の声が大きすぎますね。
同卓者が威圧感を覚えます。
とか言われて、逆にここまでくると面白くなってしまいました。
なかなかレアな体験すぎて楽しくなり、
なんだかんだ3半荘も打ってしまいました。
着順は全部2で、
最後に緊張のテスト結果発表です。
「田ノ倉さんは所作も打牌強度も問題なく、点数申告も非常にスムーズでした。他の雀荘と違うルールに面食らったかと思いますが、1半荘くらいで適応されていましたし、今後もうちでぜひお遊びいただきたいと思います」
と、見事合格判定をいただきました。
当時就活で落ちまくっていた僕は、謎の達成感に満たされ、
「ありがとうございます!ぜひまた来ます!」
と、嬉々と雀荘をあとにしました。
しかし直後の面接でまた玉砕してしまったことで性格の悪さが顔を出し、
「これってなんだかんだみんな合格なんじゃないか?」
「これで客の自尊心刺激して囲い込む戦略なんじゃないか?」
と考えてしまい、結局それ以降一回も行ってません。
新規客テストその2 場末雀荘 本当にただの場末
この場末雀荘は、学生時代住んでいた家の近くにあったごくごく一般的な場末雀荘です。
この雀荘に通い始めて3回目に、
ラス半がかかっているのに不自然にぼくとメンバー3入で卓を立てられました。
普段あまり卓に入らないと言っていた店長まで入っての立卓だったので、
これが噂の同卓拒否か?
あの中に早くも俺を拒否しているやつがいるのか?
と疑心暗鬼になりながら、
悲しい気持ちで淡々と4半荘くらい打ち終え、
その日は何もなく帰路につきました。
そして翌日、同じ雀荘に行くと、
同い年くらいの女性メンバーがいて、
「◯◯(ぼくの下の名前)合格だってよ!よかったね!」
といきなり来る。
急に下の名前で呼ばれた驚きと、
何が合格なのかわからず面食らっていると、
その雀荘では誰かの紹介で無い限り、
必ずメンバー3入りかメンバー2、常連1で囲って、
テストをしているんだと説明がありました。
そして前日の不自然なメンバー3入りがテストだったというわけです。
「え、なにをテストしてたの?」
と聞くと、
「え~、なんか、サクサク気持ちよく打てたってのと、負けっ面が良くて気持ちよかったとか言ってたよ~、ま、合格だからいいじゃん!」
というざっくりした回答。ふざけんな。
のちに店長と飲みに行ったときに聞いたところ、
とにかく常連は遅いのが嫌いなので、
・常連をイライラさせないスピードで打牌、点数申告できるか
・遅いなら遅いで場をもたせられるようなトークができるか
を特にみていたようです。
あと、負けたときの不快感が露骨に出るような性格だったり、
懐事情だったりする人は向いてないので、
排除している、とのことでした。
ちなみに、そのテスト合格までは「田ノ倉さん」と名字+さん付けで呼ばれていたのに、
テスト合格直後からメンバー、常連含め全員から下の名前で呼び捨てにされるようになりました。
当時若かったぼくはなんだか認められた気になり、
妙に嬉しかった記憶があります。
そのせいで雀荘に入り浸り、その後の人生を浪費することになると知らずに・・・
というわけで、昔はこういう雀荘もあったという話です。
今では店側が色々発信してくれるので、客側が先に自分に合う合わないをある程度わかったうえで行く店を選ぶことができます。
リアル麻雀初心者の皆様におかれましては、
こんなテストみたいなことをされるのは嫌でしょうから、
お店側が発信しているSNSの内容をよく精査のうえ、
「ここなら大丈夫!」
と確信の持てるお店を選びましょう。
よくわかんなければとりあえず最初はベルバードさん行っとけばOK!
ということです。