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オーメンのボケにツッコまない中堅は無能か?【麻雀・堀慎吾プロ・阿久津翔太プロ・検討配信】

こんばんは。
場末フリー雀荘出身の田ノ倉です。

先日フリー雀荘の待ち席で、
下記の動画が流れていました。

堀慎吾プロと阿久津翔太プロが一緒にMリーグの牌譜検討をするやつ。

「堀慎吾の好きに言わせろ!」
というタイトルで、堀慎吾プロの名前を冠した放送なのですが、
MCというか進行役は阿久津プロ。
あくまで堀プロは「好きに言う」担当の人って建付け。

やりとりを聞いている限り、
堀プロは阿久津プロの実力をかなり信頼しているようで、
かなりテンポよく和やかに配信はすすんでいきます。

途中、検討対象の対局で、
堀プロの持ち点が66,600点となりました。

これを見た堀プロは、
気持ちよく牌譜検討できていてご機嫌だったのか、
「ロクロクロク!ロクロクロクなっちゃったか・・・これはよくないね~」
と軽めのジョークをカマすも、
阿久津プロ、これを華麗にスルー。

※1月20日10:36追記
こちら、阿久津プロよりご指摘がありまして、
実際は「不吉ですね~」といったような形でのリアクションを取られていたとのことです。
確認不足で申し訳ございません。
そもそも前提内容自体が覆ってしまいますが、
ここからは「阿久津プロが“仮にスルーしていたとしても”そんな責める必要なくね?」というのと、
昭和世代と平成世代以降の中管理職的立場の苦悩というテーマでお読みいただければと思います・・・・

そのまま対局内容に話しが進みます。

個人的にはなんてことないシーン、
まあ、堀プロが楽しそうにされていて何より
阿久津プロは元ネタ知らないんだろうな~
くらいに思ってました。


このやりとりを見ていた待ち席のオジサンたち、
激怒。

※会話内容は記憶を頼りに再現。だいたい合ってます。


「こういう奴よ、いるよな~、ほんまつまらん」
「後輩でしょこいつ?ゆとりくらいからさ、マジメにさえやってりゃいいって思ってる若いやつ多いよな」
「先輩のボケ拾わんでスルーする若手なんて致命的よ?」
「せっかくの堀大先生のボケをな」
「こいつたぶん中堅どころやろ?年齢的に。もう若手って思ってないんちゃう?」
「な、中堅なりはじめのやつが変にプライド持ち始めるんだよな。40なっても50なっても先輩の前じゃ一生後輩なのに」
「40くらいになるとそれ気付いて、むしろ先輩相手のほうが馬鹿やれるから楽しいまでありますよね」

オジサン4人くらいとさらにオジサンメンバー2人がこんな話で盛り上がっている。

さすがに気になったので
田ノ倉「あ~、ダミアンすか?」
と言うと
関西おじ「ダミアンてなんやねん」
田ノ倉「いやいまの666のくだりの話でしょ?ダミアンじゃないんすか」
関西おじ「ダミアンてなんや、オーメンやオーメン」
メンバーA「いやダミアン合ってますよ、オーメンは映画の名前で、ダミアンは666の子だから。ダミアンすダミアン」
関西おじ「なんや、ゆとりのくせによう知っとるやん」
田ノ倉「じじいのくせにあんな古いのよく覚えてますね」
関西おじ「笑 いやこれをな、先輩渾身のボケやん、これをこいつスルーしてんや」
田ノ倉「そんなんいちいち、関西じゃないんだから。オチ思いつかなかったらスルーもしょうがないんじゃないんすか?」
東京おじ「いや~、さすがにこれスルーはまずいよ。先輩がここまでわかりやすくボケたらさ、さすがになんか言わないと。無視はダメでしょ。あと動画出る人間としてもダメじゃない?」
メンバーA「さすがに僕でも先輩のコレをスルーはしないっすね~。キツイっしょこれじゃ、麻雀強いのかもしんないけど、つまんないっすよね」
東京おじ「そうそう、接待とかでもダメだよ、こういうのスルーしちゃ。いまの若い子は仕事さえちゃんとできればいいと思って、こういうのテキトーなんだよね」

田ノ倉「いや僕もさすがにスルーはしないですけど・・・そもそも666がなんなのか知らない説ないですか?阿久津プロって平成生まれっすよね多分」
関西おじ「いやそれがあかんねん!一般常識がないというか、難しい横文字使わんでええからオーメンくらい知っとけや!っちゅー」

そこに20代前半くらいのメンバーが入ってくる。

若手メンバー「わかんねーすよ、オーメン?なんか知らんすよ俺ら世代は。おっさんたちってすぐプロレスとか野球ネタとかカマしてきますけど、俺らわかんないんすよ、世代的に。ツッコミほしいならみんながわかるネタにしてほしいっす。キン肉マンネタとか知るかっていう。ドラゴンボールも全国民読破済みだと思ったら大間違いっすよ」

東京おじ「だからさ、その知らないからしょうがないってスタンスがダメだよね。違う世代とコミュニケーションとるためにさ、色々知識を入れるやつが伸びてくわけよ。仕事って人と人との関わりだから。結局。一般常識ってやつよ。」

若手メンバー「人と人との関わりっていうならオッサン側も俺らがわかるようなネタ使えばよくないすか?」

東京おじ「ビジネスの場で、いま平成生まれと昭和生まれどっちが多数派よ?決定権持ってんのはどっちよ?そう考えたら若い奴らがこっちに寄せるほうが得だってわからん?あとさ、若い奴らの中で流行ってるネタなんか使おうもんなら、オッサンが若作りしてイテえとか言うんだろ」


若手メンバーと東京おじがアツくなってきたところで別のメンバーが仲介に入り、
その間に待ち席全員ご案内~
となったので途中で終わってしまいましたが、
お互いの言うことはまあわかりますと。


いま、だいたい平成生まれ昭和生まれのグラデーション部分あたりの世代が、
いわゆる中間管理職にあたる世代でしょうか?

で、平成初期~中期生まれあたりが中堅どころになりはじめていると。

※阿久津プロの業界内地位がちょっとわかりませんが、年齢的に中堅どころとして話をすすめていきます。


僕も中間管理職世代で、実際中間管理職ではありますが、
社内政治や接待なんかくだらねー、
ちゃんと仕事やってりゃあとはどうでもいいっしょ
っていう風潮は同世代の間でちょうど出てきたような感じでした。
ワークライフバランスとか、それこそ、ノマドとかも。
ノマドなんかしてたら先輩と飲み行くとかがそもそもないもんね。

今でこそ
「部下や後輩を終業後の飲みに誘ってはいけない」
みたいなルールが広まっていたりするみたいですが、
それを具体的に発信しはじめた、はしりのような世代ではあります。
ちょうど就活とか就職して1~3年目くらいの時期に、
ツイッターが一気に流行って各自お気持ち表明が非常に活発化したから、
というのもかなりあります。


ただ実際問題、昭和後期~平成初期生まれ世代は、
ゆとり教育も中途半端に受けていて、
あらゆるものについて、
いわゆる「昭和的ルール」と「平成以降ルール」を両方経験している世代です。

なので昭和的な先輩や上司への社内政治的立ち回りが重要であることも肌身に感じているし、
それって無駄だよね?残業代出ます?
っていう同世代以下の人の感覚もめちゃくちゃわかるという。


先日高校の部活メンバーと久しぶりに集まったのですが、
やはりほとんどのメンバーが中間管理職になっていて、
世代間の感覚の軋轢とその板挟みになっている苦悩は感じているようでした。

この部活は運動部だったのですが、
僕らが1年のときは、
遅刻したら坊主、練習中は監督の許可が出るまで水も飲めないというストロングスタイル。
しかし2年になると突然、学校側の指示で、
坊主などの見せしめ的罰則は完全撤廃、
練習中の給水も積極的に行うような体制に変わりました。

昭和的感覚が抜けてない監督・3年生と、
「遅刻したら坊主?練習中水飲めない?ハハッ、昭和でしょそれ」
的な感じで入ってくる1年生。
どちら側のスタンスに立つか迷うぼくら2年生。

だいたいいつもこういう立ち位置になってきた世代である僕らが、
ついに本当に仕事で中間管理職となってしまった。



まさかの666オーメンネタスルーからこんなオジサマたちがブチ切れモードに入るとは思わなかったですけど、
言いたいことはまあわかります。


ただやっぱり、昭和世代に言いたいことは、
娯楽に限りがあって共通の話題が多かった世代に比べて、
いまの若者って娯楽にあふれてますから。
昔だと、楽しむコンテンツがなくなって、
自分の世代より昔のコンテンツを探してきて楽しむみたいなことも多分にあったようですが、
今は自分の世代のコンテンツだけでも飽和状態。
昔のコンテンツを追ってる余裕ないんです。

なので同世代内でも、ある一定の時期から
「前日のテレビの話題を翌日の学校でみんなでする」
みたいなことがどんどんなくなっていって、
それぞれが好きなコンテンツを楽しみ、
良くも悪くも世代内共通の人気コンテンツみたいなのが減ってきています。


それでも、上の世代とコミュニケーションとるにおいて、
一般常識的に当時の人気コンテンツを学ぶことが重要だと気付いて勉強する中堅層も当然います。
しかし、オーメンはきつくないですかね?
さすがに人気コンテンツの本流じゃないでしょ。
「13日の金曜日」に反応できるくらいで勘弁してあげてほしい。

たぶん、いままでもいろいろなところで、
666という数字に誰かが反応しているシーン、
見てきていると思うんです。

ただ、これって前提知識がないと、
かなりわかりにくいところで、
「666ネタって色々なところで登場してるでしょ?」
ってのは、もともとオーメンとかを知っている人の感覚なんじゃないですかね?



また、仮にオジサマたち目線を最大限尊重するとして
阿久津プロの立ち回りで反省点があったとすれば、
「ロクロクロク!ロクロクロクなっちゃったか・・・これはよくないね~」
という堀プロの発言に、
異常性を感じリアクションをしなかったことでしょうか。


たぶんこのときの正解の一つとしては、
「そりゃ良くないですよ、こんな66,600点も持たれて、同卓者からすりゃ堀プロが悪魔の子ですよ」
くらいなもんかと思いますが、
666の意味がわからなかったとしても、
「666って・・・別にゾロ目になってもなんもいいことないっすよ、777ならまだしも」
とか反応しておけば
「え、オーメン知らないの?666、悪魔の子」
とかまたリアクションがあると思うので、
先輩のボケ方が悪かったということではなく、
知らん後輩が悪い、みたいな図式に落とせますし、
自分の知識もつきます。

純粋に、
「え、666って・・・・なんかあるんですか?」
って聞くだけでもいいと思います。
無視しちゃうと、単純に言ったほうが滑ったみたいな感じになっちゃうんですよね。

まあそれも、世代が離れているのにわかりにくいネタ振ったほうが悪いっしょ、
と言われればそれまでですが。


あとこのとき、
アシスタント?MC?的立場でありながら、
堀プロ本人の方を一切見ずに、
牌譜画面に目が釘付けになっているところでしょうか。

堀プロの様子を目視していれば、
「あれ・・・?いまひょっとしてジョークを・・・??」
みたいなことがわかった可能性が高いのです。


ただ、やっぱり阿久津プロは麻雀プロですから、
麻雀プロとして牌譜画面に夢中になっちゃうのはしょうがないです。

これは仕事の話をめちゃくちゃ自信もってできるようになってきた中堅にかなりありがちで、
仕事の話になっちゃうと夢中になってしまい、
接待の場なんかでも取引先へのケアを忘れてしまうという。
例えば相手のグラスが空いてても気づかなくなっちゃう、
みたいな。

ここはもうしょうがないと思ってほしいですけどね。
麻雀プロはサラリーマンでもないですし、
やっぱ麻雀の話を一生懸命してもらったほうがいいですよ。

普通の企業でも、オジサマがたは
「こいつとこんなガチで仕事の話できるようになったか~」
と温かい目で見てほしいものです。


結論:麻雀プロが「オーメン」レベルのボケをスルーしたくらいで怒るのはやめていただきたい。サラリーマンだとしてもできれば怒らない寄りでお願いしたい。「オーメン」までカバーするのはハードルが高すぎます。


今週は新年会があってちょうど中堅の部下も同席させることになります。
ちょっと下手打つと取引先に嫌味を言われ、
それを指導しようとすると部下には「そこまでする必要あります?」とパワハラ扱いされる。
こんなことを書いてしまったばっかりに、
悩める中間管理職は月曜からいきなり気が重い一週間をスタートさせることになりそうです。






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