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5枚目の7ソウ 脳味噌回転20倍速【フリー麻雀】

こんばんは。
場末フリー雀荘出身の田ノ倉です。

毎日毎日ブラック企業での労働でストレスが溜まっていたため、
1回か2回くらいしか打てない時間帯でしたがプチ場末のフリー雀荘に行きました。

時間ないこういうときに限って、2入りでの立卓準備中に某客が突ラス、
結局東3局の卓が終わるまで待つことに。
この時点でツかん。

「あ~、卓立てるなら俺これで抜けるわ」
じゃねーんだよ。
「え、そうっすか、ならあの卓終わるの待ってもらって・・・」
じゃねーんだよ。

突ラス客のいる卓のメンツをよく見るんだ。
そしていま立てようとしている卓の客2名は誰なのか、
よく考えるんだ。

いま突ラス客の卓が東3局だとしても、
メン2入で自分とこの客なら、すぐ立てれば絶対南2局くらいで追い越す。
突ラス客の卓は致命的に遅いやつが二人もいるから。

それくらいわからんもんかね?

と思いつつ、
まあこんな時間に来た自分が悪い。
何なら朝7時からこんな時間まで働かせる会社が悪い。
とか考え直し、ぼーっと待っていたわけですが、
まあとにかくこの時点でツかん。


待ち席で、上司からラインが入ったからグループラインで返信したら、
こんな時間に返信するならミュートにしろとか急にコンプライアンス遵守感を出しやがってその前に労働条件なんとかしろ、
と思っていたらあっという間にお呼ばれ。

誰かトンだのかな?
やっぱりツイてるかもしれない。

ただ不思議なことに、
その卓についたのは、メンバー二人といま待ち席にいた客と僕。

は?

こうなってくると、何が何やらわからない。

最初に2入りで立卓しようとしていた意味もわからないし、
突ラスが入って立卓をやめた意味もわからない。
自分が何か勘違いしているのかと思い色々ぐるぐると頭を巡らせたが、
やはり意味がわからない。

思えばこのときから何かがおかしかった気がします。


気を取り直して東1局。
北家スタート。

メンバーの打牌が遅すぎて絶対1半荘しか打てねーな、
とぼんやり思っていると、
両面でテンパったので曲げる。
同巡、南家に追っかけられ、
3枚切れのドラ表掴んで5200放銃。

東2局。
さっき放銃した相手、要は親から7s切りリーチがかかる。
捨て牌は普通のタンピン狙いっぽい感じ。
字牌→1,9牌→中張牌 って順に切っている。

こっちはこんな手。

ツモスー

ツモり四暗刻のテンパイで、
9sが残ってるのは下家がソーズっぽくて9sをポンしてるのに、
8sが1枚しか見えてなく、
7sもあと1枚が見えてなかったので、
もっと重なりそうな牌が来るまでは置いとくか、
ととりあえず置いておいた牌でした。

そうしたら2m、5m、3m、1sと連続引きしてこの形に。

ただ、親が7s切りリーチなのでこの時点で7sが4枚見え、
9sも下家がポンしているので、
9sは完全安牌となりました。

こんな牌姿でリーチ後に4s引いてくんなよ、
とか思いながら9s切りリーチ。

すると親から「ロン」の声。


「やっちまったーーーーー!!」

予想外の「ロン」の声に、
「鉄火場のシン」の3倍くらいビクン!となった気がします。

ちっちゃい声で「えっ」って出てしまいました。

そこから手牌が倒されるまでのわずか数秒。

このときの頭の回転は普段の20倍くらいになっていると思います。
視線の移動速度も10倍くらい。


ノーチャンス三枚切れの9sでロン、
ってことは国士か?やっちまった、
確認漏れか、いやでも数巡前の上家1s切りで1s4枚見えてる、
国士はない、
となるとノーチャンス確認漏れ?
いや、間違いなく7sは4枚見えてて、
8sは見えてないけど8s持ってたからって当たる形あるか?
いやねーだろ、ってことはやっぱ国士だわ、
結局つかねー、散々待っていきなり親役満打って終わりかよ、
いやちょっとまて、やっぱ1s切ってあるじゃん、
じゃあなんだこれ、俺は一体何に打った?
9s切ったと思ったけどこれ6sだったのか?
6sなら普通に両面もなんでも全部刺さるわ、
それならしゃーない、盲牌ばっかしてた報いだわ。
一発だとまあ親満はあるか・・・・

このくらいまで考え、
「いややっぱ切ってんの9sやんけ!」
となったくらいで親の手牌が倒されました。




普通に7s切りの6-9s待ちでした。

リーチ一発のみ。
3900。

「え?3900?」
「はい。リーチ一発のみで3900です」
「あ、はい。」

と点棒を渡す。
「国士打っちゃったかと思いました」
とか言いながら。

僕以外の3名は怪訝な顔をしています。

その3名の顔をみてハッと気付き、
牌をおろそうとボタンを押す直前の親を制し、
「7s五枚ありますね・・・」
と言うことができました。

放銃した瞬間は色々考えて高速回転していた脳味噌が、
低打点の放銃で済んだとわかった瞬間、
安心して何も考えられなくなっていました。

普通に考えたら放銃自体がないだろうと。

親が7s持ってること自体がおかしいだろうと。

こんなことに点棒支払うまで気づかないなんて。


麻雀を長いこと打っている人なら一度は経験したことのあることだと思いますが、
僕はこの事態が初めてで、
フリーで打ってて他の卓でこういうことがあった、
みたいなシーンすらなかったので、
(僕が打ってない日に、ある卓に白が5枚入ってた、みたいな話は聞いたことがある)
完全に想定外でした。


結局、白の代わりに7sが一枚多く入っており、
まさかのおよそ12時間ほどずっとこの状態でフリー卓が回っていたようです。
誰か気づけよ。

こういうのって普通はどう裁定されるんですかね?

ゴネてノーゲーム扱いにしてもらってもよかったんですが、
打点も安いし、同卓しているメンバーの一人がすでに終電怪しいこともわかっていたので、
麻雀は現状が優先されるっていう法則に則って、
そのまま進めてもらいました。

ただこれ、放銃者からはあるヤオチュウ牌が4枚見えてて、
別のヤオチュウ牌打ったら4枚見えだったはずの牌の5枚目を持ってた人に国士放銃、とかになったら、
どう裁定されるんでしょう。

そのままで、とか言われたら放銃者が納得しないし、
ノーゲームってなったら和了者が納得しない。

店側からなんか補填するしかないんですかね。


さて、今日はなかなか珍しい事態に遭遇したわけですが、
印象的だったのは、放銃しないはずの牌で放銃した瞬間に、
頭を駆け巡るものすごい検討の数々。
血の気が引きながら脳味噌はいつもの何倍ものスピードで回転している感覚。

親の「ロン」発声から倒牌までの間に、
いったい何パターンの検討を行ったか。

「俺の脳味噌はフル回転すればまだこんなに頑張れるんだ」
となんだか前向きな気持ちにすらなれました。


「理論的に絶対に放銃しない牌で放銃する」
という相当なレアケースと遭遇した場合しか体験できない感覚ですが、
なかなか癖になるので、いつか遭遇する日を皆様もぜひ楽しみにしていてください。

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