「逆目無し問題」をあらためて少々。【麻雀】
こんばんは。
場末フリー雀荘出身の田ノ倉です。
何とはいいませんが、
ダントツの選手の動きが下位選手の順位に影響を及ぼす
「逆目無し問題」
がほんの少し話題となっているようです。
これは麻雀の性質上、どこまでもついて回る問題だとは思うのですが、
まあ自然に打つしかないんじゃないの?
という声が多いと思います。
ただ結局それが本当に自然なのか?
って話になり、どこまでも終わらない闇に足を突っ込む説もありますが。
この問題については過去にいくつか書いたんですが、
これはこれで別にして、
下記のような発言をしたらどうなるんだろう?
って話です。
例えば、仮にですよ。
仮の話です。
自分がリーグ戦最終戦でダントツ。
昇級足切りラインを争う二人と同卓していたとして、
自分はどう打つか。
まあ、ダブル役満直撃とかが起こるとまずいので、
基本的には局消化メインですすめるわけですが、
きわめて微妙な選択を迫られたときに、
足切りラインを争う二人のどちらに利する選択をするか。
となったときに。
一応、これが完全に勝負の世界であり、
昇級したあともさらに自分の成績をあげていきたい、
そういう思いがある前提で考えると、
期待値的に最も高いのは、
「一緒に昇級したくない方の不利になるよう打つ」
でしょう。
同じフィールドで戦うとやっかいだな、
と思う方が少しでも不利になって、
同じフィールドに来ないように打つ。
こういう発言ってあまり麻雀プロ界隈で聞かないイメージなんですが、
このご時世やっぱやめたほうがいいんですかね?
そもそもそういう視点でダントツ時の打牌選択する、ってこと自体がありなのか。
でもこれよく考えると、
不利に打たれた選手側としても、そのファンとしても、
「あいつにやられて昇級を逃した。でもあいつが認めているのは足切りラインで争っていた彼ではなく自分のほうなのだ」
ということになり、悔しさ半分、嬉しさ?半分、
みたいなことになりませんかね?
逆に昇級できた側としたら、
「あいつのおかげで昇級はできたけど、昇級できなかった彼のほうが実力を認められている、自分はお情けで昇級できたようなものだ」
ということになって、
これも嬉しさ半分、悔しさ半分、みたいな。
そんな感じになる気がします。
ただ、この場合には、モヤッと感が残らない気がするんですよね。
「あいつが昇級したほうがやっかいだと思うからあいつの損になるように打った」
これってすごく明確で、
落とされた選手のファンからは叩かれるかもしれないですが、
でもそれって別にやるかやられるかの勝負の世界だと考えると、
別に対局中に18000直撃するのとたいして変わらないというか。
武士道に反するとか、スポーツマンシップに反するとか、
そういうわけでもないと思います。
もちろん、単純に「あいつが嫌いだから」とかはよくないと思うんですよ。
逆に、「最高のフィールドで最高の相手と戦いたい」みたいなのも、
少年漫画的ではありますが、勝負事の理論としてスッキリしないので良くないと思います。これって実質「あいつが嫌いだから、こいつはスキだから」と言ってることが同じなので。
とにかく、そいつをここで落としておけば、
確実に今後自分の成績にプラスになると考えているから
という勝負事の大前提を守っていることが大事。
「ダントツだけど自然に打った」
って言われて、たとえばそういう人のリーチに刺さって落ちた人は
「ツイてなかった」
昇級できた人は
「ラッキーだった」
ってなんかモヤモヤしませんかね?
落ちた人のファンからしたら
「そのリーチってそもそも本当に自然なの?」
とか始まるわけじゃないですか。
それならもう、
「彼のほうに落ちてほしいからリーチ打った」
って言ってもらったほうが、実力が認められているというのもわかるし、
スッキリしませんかね?
例えばMリーグなんかでも、
セミファイナルでダントツのチームが、
「ファイナルに残るなら今の選手の充実度を考えるとパイレーツより雷電のほうが良いと思った」
といって意図的にパイレーツに不利な打牌するとか、
それって別に競技として普通なんで、
あっても良い選択だと思います。
優秀なプレイヤーやチームが意図的にマークされるのはどの競技でも当然のことです。
というわけで、
逆目無し状態のときに、
「今後より脅威となりそうな選手、チームに不利になるよう打牌する」
という選択って全然アリだと思うのです。
変に綺麗事でモゴモゴされるよりも、
勝負事としてその部分まで自分の成績向上に注力するというスタンスのほうが、
何ならスッキリさっぱりすると思うのです。
しかもこれって、
勝負事としては当然正当だと思いますし、
エンタメ的側面から見てもアリだと思うんですよね。エンタメ的な活かし方はいくらでも出てきます。
「彼が上がってくる方が厄介なので彼の不利になるように打ちました。」
逆目無し問題の一つのアンサーとして、
この選択肢。
はてさて。
いかがでしょうか?