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麻雀プロ:特性 理不尽キラーEL【麻雀・セガサミーフェニックス契約満了問題】
麻雀というゲームに理不尽はつきものです。
こんなnoteを読むような人たちは、そんなこと百も承知でしょう。
そして麻雀ファン、Mリーグファンの多くが、それを認識したうえでMリーグを楽しんでいるはずです。
しかし麻雀そのものから一歩離れてしまうと、
ある種の理不尽さは相当な不快感をファンたちにもたらすようです。
理不尽さを、揺蕩う運を、ある種楽しみの種としてMリーグを視聴しているファンであるにも関わらず、です。
今回、セガサミーフェニックスが魚谷プロと東城プロを契約満了としたことで、
それがかなり露呈されることとなりました。
この反響の大きさは、おそらくチーム運営側としてはちょっと想定以上だったんじゃないかとは思います。
個人的には、あえて魚谷プロ推しと明言していなくても魚谷プロを認めていた、あるいは支持していた層が想像以上に多かったということと、
東城プロに関してはすでにわかっていた支持層の広さ以外に、
存外に雀力も評価されていたということで、
麻雀ガチ勢からも反感を買ったというのが大きな理由だと思っています。
二人の契約満了の理由が、多くの人がいう「最高位戦縛りになった」という理由だったと仮定した場合。仮定ですよ。
個人が所有してるチームじゃなくて企業のチームなんだからそのへんはもうしょうがないよな、っていう思いもあれば、
まあドラ1の魚谷プロと人気・実戦獲得ポイントの面から優秀だった東城プロからしたら理不尽だなって思うよな、というのもわかります。
そしてその不満をチーム運営側や監督にぶつけたくなるファン心理も感情としてはわかります。
それを受けて、魚谷プロ・東城プロが、チームや監督を叩くのはやめてほしい、セガサミーフェニックスのファンを辞めるとか言わないでほしい、
二人のファンだったらセガサミーフェニックスはそのままに、
さらに二人を応援してほしい、と言う気持ちもわかります。
さてこの場合、ファンはどう行動するのが良いのか、
今回は麻雀プロという存在の特性をもとに、
ぼくが実際過去に麻雀プロの方と話をした内容を踏まえ、
感情論抜きで少しだけ論理的に考えていきたいと思います。
大谷翔平でも対策必須な「理不尽さ」
以前、色々理由があって謎に有料記事としている過去記事で、
大谷翔平さんと麻雀についてを扱った、内容も謎な記事があります。
松田くん以外は買う必要がないnoteなので、
有料部分の内容ですが勝手に使います。自分で書いたんだし。
通常、あらゆる競技のプロというものは、
自分が長い時間をかけて研鑽した技術を確かに紛れなく発揮し、
その技術を相手と競うことだけで勝敗を決したいと思うものです。
しかし完全に外的要因を遮断できない競技であれば、
常に運の要素が介入することは避けられず、
それによって勝敗が左右されることも起こり得ます。
あの大谷翔平さんも、高校時代に作ったマンダラチャートに、
「運」
という項目を作っています。
これは、大谷翔平さんが勝負における「運」要素を重要視しているだけでなく、
マンダラチャートに含めて対策をしないといけない項目であると認識していることにほかなりません。
要は、誰よりも練習して、僅差でも勝てるはずだった試合で、
理不尽な出来事が起こって負けてしまう、
みたいなことはどうしても起こり得るのですが、
それに対してのメンタルマネジメントが必須であると考えていたということです。
それくらい、何か勝負事を生業とすると決めたプロたちにとって、
「理不尽さ」
への対策は難しいものなのです。
日々「理不尽さ」と対峙する麻雀プロ
そこにきて、麻雀プロというのはあらゆるプロの中でも、
メジャーな競技の中では最高峰に位置するくらい、
「理不尽さ」と日々対峙しているプロといっていいでしょう。
そしてこれはもう断言できるのですが、
そんな理不尽さと日々対峙している麻雀プロの中で、
一定レベル以上の層に関しては、
その「理不尽さ」を自分の中で完全に消化する方法を各自で持っています。
例えばある大会のオーラス、自分はダントツで残りの3名は役満ツモ条件だったのに、地和をアガられて負けてしまったと。
こんなの麻雀における理不尽さの最たるものですが、
そんな悲劇に見舞われたときに、
・地和を消すために、親の第一打を無理にでも鳴くべきだったかなどを検討する
・オーラスに役満条件を残してしまった自分が弱い。そこまでに加点できるポイントがなかったか牌譜検討する
・こんなもんどーしよーもねーだろ。肉でも食って明日からまた頑張る、とすぐ切り替える
・配信のネタができた。これから帰ったらすぐ生配信してネタにして視聴数稼ごう、とプラスに捉える
などなど、各プロそれぞれ色々な対処法があると思いますが、
いずれにしても何かしらの対策を持っているものです。
理不尽さにまみれた麻雀という競技の中で、
いちいちその理不尽さというもの自体からダメージを受けていては、
麻雀プロなどやってられません。
というか、普段から麻雀良く打つって人も同じようなメンタリティ持ってる人多いんじゃないでしょうか。
東パツ3巡目のダマ18,000放銃くらいでいちいちメソメソしてらんないですよね。
麻雀打ちはそもそも、そこからその状況を受け入れてすぐに次局から最善の手を考えるという、そういうメンタルに長けているのです。
「他責思考」は消化しづらい
実際にプロとして活動している人に話を聞いたことがあるのですが、
やはりたまにプロ同士でも「どうしようもない負け」の処理について話題になることがあるようです。
その中で若手と上位勢で大きく違うのは、
「他責思考」
の有無であるというのが特に印象に残っています。
要するに、
「あいつがあの状況で南なんか鳴かせるからだ。プロとしておかしいだろ」
みたいな形で、理不尽な負けを食らったときの感情を他人に向けてしまうのが他責思考ということです。
ただこれって基本的には理不尽さを受けたときの精神的負荷を消化するのが難しく、
その人に謝ってもらったら解決するのか?とかいう問題もあり、
さらには結局「ほんとうに自分の打牌に問題はなかったのか?」を自分の中で解決しないといけないわけで、
どうせ最終的に自分と向き合うなら最初から自分の対局内容を再検討したほうが生産的だし、精神衛生上もいいよね、雀力向上にもつながるし。
あと、誰かのせいで負けたんじゃない、というのを確認するのに検討するよりも、よりよい打牌がなかったか?と前向きに検討するほうが検討内容も良くなる。
という話を、当時の人気プロからされたようです。すみません、名前は覚えておらず……
以前、異業種交流会で精神科医の方と雑談レベルでこういう話をしたときも、
想定外の不運等により精神的ダメージを負った際は、
向き合うことで自分が潰れてしまうレベルの大きな出来事以外は、
自責思考にしてしまうほうが自分の中での咀嚼が早いということでした。
結局、他責思考だとその精神的ダメージを、いったん人のせいにして棚に上げるというか、その人のところに一旦おいておくと言うか、
そういうイメージで、それでそれが自然と消える場合もありますが、
どうしても長く残ってしまう傾向にあると。
※ただし、自分が運転している車で事故に遭って家族が亡くなってしまった、というような抱えきれない内容のときは、別です。とにかく誰かのせいにして一旦それを棚に上げる、というのが自分を守るうえで非常に重要です。
麻雀プロ:特性 理不尽キラーEL
◯◯キラーEL っていうのは、聞き覚えある人けっこういると思うんですが、
モンストだかパズドラだかで、◯◯に対しめっちゃ強い、という特性のことです。
麻雀プロというのは、その競技の性質上、理不尽キラーEL的な特性を持ち合わせています。
そして日々の理不尽に対しいちいち誰かを責めて処理してたら追いつかないので、
おそらく上位層はかなり自責思考に寄ってその処理をしていると考えられます。
本件を麻雀に例えると
とあるめちゃくちゃ大きい大会のオーラス。
優勝争いは魚谷プロと東城プロのデッドヒート。
フェニックスくんは役満条件。
ラス目はダブル役満条件。
そんな中、全然字牌が見えない異常な状況で終盤まで進行している。
ラス目が南をポンした。
そして、フェニックスくんがスッタンをテンパイ。
生牌の「發」を切るか、8pを切るか。
白も中も場に見えていない。
ラス目に鳴かれたら大三元字一色のダブル役満がめちゃくちゃ見える。
安全に行くなら8pを切るしかない。
ただ、自分はここでスッタンをあがらなきゃいけない。
「發」はラス目が持っている可能性が高いし、
そうでなくても残りの二人からは死んでも出ない。
となると、8pで待つしかない。
8pはラス目の現物だし、他の二人から出るかもしれない。
發をぶった切るしかない。
・・・・・。
いや、發は単に山に深いだけか?
悩むフェニックスくん。
魚谷プロ、東城プロと視線を交わす。
(字牌切りたいんでしょ?でもそれ・・・なんとかならない?)
(いやさすがに字牌で待ってもアガれないっす・・・)
(でも今そんなの切られたら、ふたりとも負けちゃうかもしれない)
(いやでもすみません、僕にもバックがいるんで、すこしでも勝てる方を・・・)
みたいな視線のやりとりがあって。
ひょっとしたらこのあと、
(じゃあ、あと二巡だけ待ちます、二巡でどうにもならなければ・・・)
みたいなやりとりがあったのかもしれません。
YouTubeでの配信内容を踏まえると、
おそらく二巡~三巡くらいの猶予はあった感じがします。
しかし結局、「發」は場に放たれたと。
そういう状況です。
これを、魚谷プロと東城プロが責めるかと。
そういう話な気がします。
フェニックスくんも背負うものがあって、
その中で現状の最善手を打ってきたんだ、と、最終的には飲み込むはずです。
そしてこの状況を自分たちの中で咀嚼し、受け入れ、
自分の立ち回りを検討し、
その中で次にどう行動するのが最も期待値高いのか、
というのを模索する段階に入っていることでしょう。
魚谷プロについては、すでにMリーグ解説の営業をしているとか、
MリーガーとのYouTubeコラボ声掛けをしているとか、
すでにもう次に向かっているのです。
東城プロは具体的には不透明ですが、それがまたいいのです。
たぶんなんかやってるでしょう。
「理不尽さ」はたぶん、解消されている
長いこと「理不尽さ」にまみれた競技の中で活躍してきた魚谷プロ、東城プロの二名において、
仮に今回の契約満了が理不尽な理由によるものとするのだとしても、
その「理不尽さ」というところに対しての咀嚼は、
すでに終わっているものと考えられます。
それも、チームや運営を責める「他責思考」に頼らず、
自分たちの中でしっかり消化し、
すでに次のステップに向かっての手を打っていることでしょう。
ファン心理としてはわかるのですが、
いまさらファンが二人を心配し、
チームや運営を責めるのって、
試合で被弾したボクサーに対してファンが
「いま殴られましたよね、大丈夫ですか?痛くないですか?怪我してないですか?」
とか聞くくらい、
「いやいや大丈夫だから。え?いやそれで相手選手詰めるとかやめてよ、大丈夫だから。いや相手のことはもういいから、次のラウンドもっと応援してよ」
となるような話な気がします。
長い。要するになにが言いたいのか
魚谷プロも東城プロも歴戦の麻雀トッププロである。
理不尽さへの対処は我々ド素人が想像できないくらい繰り返してきている。
理不尽キラーELを持っている。
おそらく誰かのせいにするわけでもなく、自分の中で咀嚼し、消化し、
すでに次の手を考えている状況のはずである。
∴(ゆえに)この二人について心配することはない。真相がわからない中でチームや監督へ誹謗中傷することにエネルギーを使うより、魚谷プロ、東城プロの今後の活動を応援することにエネルギーを使うほうが好ましいと考えられる。
以上