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ぼくのなつやすみ
燃え尽き中だ。
僕の夏休みが今まさに終わろうしている。
年が明けまだ寒いうちからこの夏休みを心待ちに
してきた。
いや、去年の夏が終わり諦めの悪い僕が、
長袖に腕を通した瞬間からまだ見ぬ熱い夏を想い
懸命に生きてきたんだ。
飛行機に乗って南の島に行くんでもない。
ましてやこの国を飛び出して。
なんてことでもまったくない。
いつも行くうねりに敏感なエリアの海辺に、
ベースとなる宿だけ決めつつ、
予定もあてもなく、
その日の気分のままうろつく4日間。
この、
「予定もあてもなく」が果てしなく大切なんだ。目覚ましのアラームもセットしない、何時に出て何時に帰り、何杯飲もうが自由。
こんなに幸せなことはない。
毎年同じようなプランで夏休みを過ごしてるが
今年はまず天気に恵まれた。
記憶にあるここ5年くらいは台風が直撃、または
近くにありすぎて天気は雨、波もエキスパートオンリーなコンディション。
夏のビーチサイドに宿を取り、雨しかも暴風となった場合は最悪なんだ。
ビーチサイドは海そのものを楽しむところな為
潰しは一切きかない。インドアのアクティビティなんかあるエリアじゃない。
普段より高い宿代を払い部屋にいなければいけない無念さが、期待していた暑さとの温度差で結露を起こしじっとりしてくる。
一日中、この状況を打開できる方法が頭の中を
駆け巡り日が暮れる。
そんな数年を過ごしてきたんだ。
それが今年はどうだ。
朝から身の危険を感じる暑さとこれぞという夏空。これを待ってたんだ。
波もあった。
風も弱かった。
勝手知ったるホームエリアだ。
うねりや風、気分に合わせてビーチを選び
人の少ない時間帯を狙って延々と波と遊んだ。
あれは夢だったのか?
今はそんな気分だ。
まだ夏は終わらない。
けど終わってしまったも同然だ。
また来年だな。
ただもう少しそばにいてくれよ夏。