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エコバッグが似合うおじさん。私はなれるのか?

このコンテンツは2020年の年末から2021年の春先まで受講したライティングの講座の課題です。ブログには掲載していましたが、現在そのブログは閉じてしまったのでこちらに再掲いたします。


2020年8月いっぱいで14年間勤めた会社を退職しました。両親ともに認知症を発症し要介護1となり、日常生活に支障が生じています。実際に仕事と両親の日常生活をサポートすることは難しく、食事の支度、買い物、掃除、洗濯にゴミ出しなどすべてがゆきとどかなくなりました。

私が外出中にやってくる人の対応がさらに日常生活のサポートを難しくしました。町内会費や新聞の集金など顔を知っている人の訪問に問題はありません。しかしセールスが来たときの対応が困難で、過去に消費者生活センターに相談をしてクーリングオフを行使したことがありました。

日常生活を維持することが中心となった生活を3ヶ月続けていると、買い物にいかない日がないほど買い物に出かけることに気づきました。日課となった買い物は自転車で3分ほどのスーパーを利用します。残念なことに品揃えが豊富ではないので、必要なものがない時は、別の大型スーパーへ自転車を走らせることになります。そんなことを繰り返しているうちに4カ所のスーパーを利用することになっていました。

「レジ袋、ご利用になりますか?」
「あっ、はい。お願いします」
「Mサイズが1枚3円でLサイズは5円です」
「えーっと、それじゃぁMサイズで……」

会計時にするこんなやりとりに違和感を覚えずスーパーに通っています。そんなあるとき、ふと周りをみまわすとレジ袋を断っている人が多いことに気がつきました。食品売り場のレジに並んでいるのは圧倒的に女性が多く、それでも男性の買い物客をチラホラと見かけます。あらかたの女性と、数少ない男性客のうちなん人かはレジ袋を断っています。レジ袋を購入する方は圧倒的に少ない印象です。

2020年7月1日に有料化されたことはもちろん承知をしていました。9月の退職までは日用品や食料品をスーパーへ買いにいくことはほとんどありません。在職中はコンビニで昼食を買うことがほとんどで、その時はレジ袋を買い求めることになんの抵抗もありませんでした。有料レジ袋に対しての意識が低かったというよりも、まったくありませんでした。

レジ袋はゴミ袋に再利用できるという利点があります。現実にウチではゴミ袋として使用しています。さらに介護時にでる汚物を処理するのにとても役立っていますので手放すことはできません。それでも環境保護のためにプラスチックゴミを減らすという社会の要請に、応えることも今を生きるものとして理解もしています。

2020年12月9日環境省「みんなで減らそう レジ袋チャレンジ」広報事務局より「令和2年11月レジ袋使用状況に関するWEB調査」が発表されました。買い物のときにバッグを持参して有料無料にかかわらずレジ袋を購入しない・もらわないことが、当たり前のライフスタイルに変えましょうと環境省が推進するキャンペーンです。

2020年3月の調査結果との比較になりますが、「最近1週間以内に買物をした店舗で(有料無料にかかわらず)レジ袋をもらいましたか」という問いに3月は30.4%の人がもらっていないと回答していましたが、2020年11月の結果となると71.9%の人がもらっていないと回答しています。

この調査結果をみてもわかるとおり、私がスーパーで会計をするときにレジ袋を購入するというのは、すでに少数派になってしまっているのです。

床屋や美容院でバッサリと髪を切ったときなや新しい帽子を被ったりしたときに、自分自身に違和感をおぼえたことはありませんか? 私はとても感じます。今から45年前の高校一年生の時、部活動のためとはいえ人生初の五分刈りをしました。鏡を見るたびに違和感があったことを今でも覚えています。不思議なもので数ヶ月をすぎると顔や身体に馴染んできて、友人知人問わず、その変化を違和感なく受け入れてくれます。

エコバッグをもつこともヘアスタイルを大きく変えたり新しい帽子を被ったりすること同じだと気づきました。持ち慣れないものをいきなり携帯するのにはやはり違和感が生じます。別の言い方をすれば、もつことが習慣化されていないのです。エコバッグを持ち歩くことに違和感がなくなれば、自然に持ち歩くことに慣れれば、エコバッグが似合うおじさんになれるはずです。

どうするかという問いへの答えには、やはりエコバッグを購入する以外にはないと考えています。エコバッグの購入に難しいことはありません。100円ショップやホームセンターでも購入できますし、気の利いたものがほしければそれなりの店舗でも手に入ります。

それでも今日までエコバッグは購入していません。何故なのかと自分に尋ねてみると、帰ってきた答えが「忘れた」なのです。なぜ忘れるのか。買物メモを作るときに漏れるのは本当に自分自身に必要性が感じられていないからなのかもしれません。

さて、そろそろ「エコバッグを買う」ただそのためだけに出かけなければならない時間になったようです。

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