総合的な探究の時間 出前講座in盛岡商業高校 レポート
盛岡という星でBASE STATIONでは、イベントプログラム「盛岡という星でタンキュー部」をはじめとするBASE STATION内での探究サポートと連携し、高校生のみなさんが、地域の魅力を知り、課題を自分ごととして考えることで、自身の活動を盛り上げていただけるように、高等学校に出向いてプログラムを実施しています。
盛岡商業高校では、日々ビジネスの流れを学びながら、「盛商マート」や「コーヒー販売会」といったビジネスに関わるさまざまなプロジェクトも展開されている2学年のみなさんを対象に、盛岡を商業で盛り上げるアイデアを考えていただきました。
今回はそのプログラムの様子をレポートします。
ゲストトーク ゲスト:Tregion株式会社 吉田慶さん
今回ゲストとしてお越しいただいたのは、「日常の中に東北を」をテーマに、東北に関連した飲食店を展開するTregion株式会社 代表取締役の吉田慶さん。「トレジオン」という名前のレストランは私たちにとっても聞き馴染みのある名前だと思いますが、店舗事業のほかにも、東北のファンづくりのためにプロモーションをおこなうPR事業、東北の魅力を抽出するコーヒーブランド「東北ドリッパーズ」の運営など、さまざまな観点から東北、盛岡を盛り上げていらっしゃる方々です。今回はそんなTregion株式会社の取り組みについてお話しいただきました。
吉田さんからは、東北にこだわって事業をおこなう理由や、盛岡での店舗展開について、さらには盛岡の「場」としての魅力など、経営の視点も織り交ぜながら、ざっくばらんに語っていただきました。普段からビジネスを学ぶ生徒のみなさんにとっては、やはり関心深い分野のよう。
さらに、地域創生事業の中心メンバーである三廻部さんにもご登壇いただき、地域のファンづくりに関連する取り組みについてご説明いただきました。途中、盛岡出身メンバーの方から生徒たちへのメッセージもご紹介いただいたことで、自分自身が地域のために取り組む、ということが少し近いところから理解できた様子でした。
その後、質疑応答の時間には「吉田さんが考える盛岡の魅力とは?」という率直な質問が。「盛岡は過ごしやすいまち」という吉田さんの回答に、うなずく方もいれば、意外そうな表情を浮かべる方もいました。
これはみなさんから回収したアンケートを拝見したときにも感じたことですが、「自分が思っている以上に盛岡には魅力があるということ」「自分たちが住む盛岡のためにいろんな活動をしている方がいるということ」を再認識する機会になった方が多いようです。
過ごし慣れた盛岡のまちを、これまでとは違った見方で眺めてみることで、地域との「かかわりしろ」が広がるはず。プログラムの後半では、より地域を自分ごとにしていただけるよう、アイデアワークに移ります。
アイデアワーク「木伏にもっと高校生を呼び込むには」
後半の時間では、トレジオン盛岡店もある木伏緑地にエリアを絞り、どうすれば高校生がもっと木伏エリアに来るようになるのか、自由にアイデアを出していただきました。
ワークショップの冒頭、「木伏に行ったことがある人?」という質問に手が挙がったのは184人中2人程度。街と自然が一体化した空間の中で、美味しい食事を楽しめたり、キャンプやアクティビティが楽しめたり、映画祭やライブなど、さまざまな楽しみ方ができる場所ですが、高校生のみなさんにとってはなかなか立ち寄りにくい印象があるのか、「そもそも自由に入っていいの?」といったコメントも挙がりました。
吉田さん、三廻部さんから木伏エリアを動画でご紹介いただきながら、自分なら何がしたいか、高校生はどんな使い方がしたいか、まずは自由にアイデアを膨らませました。
そのあと、それぞれ「木伏×高校生が惹かれそうな○○」という企画名を決めて、より具体的な企画を立てていただきました。
生徒のみなさんが考えたアイデアの一部をご紹介します。
●企画名「木伏×推しカフェ」
●企画名「木伏×野菜・果物」
●企画名「木伏×水中イルミネーション」
●企画名「木伏×新時代の盛岡冷麺」
●企画名「木伏×若者」
●企画名「木伏×都会の中でキャンプファイヤー」
ゲストの吉田さん、三廻部さんからアドバイスを頂きながらアイデアを考えましたが、高校生のみなさん自身のニーズと、盛岡の魅力や木伏の特徴を生かしたエッセンスをかけ合わせた、おもしろい企画がたくさん生まれました。
ここでご紹介しているのはアイデアのごく一部ですが、全体で共有してくれた生徒のアイデアに対して、吉田さんからは「ぜひ実現しよう」という力強い言葉をいただきました。こうしたらおもしろくなるかも・・・という些細な思い付きから考えたアイデアかもしれませんが、後押しをしてくださる方々の力をお借りすれば、あとは自分次第で実現もできるはず。
盛岡のためにいろいろしてくださっている方がいる、という学びから、自分自身が実践する立場になってみる、という考えにつなげる機会になったのではないでしょうか。
この体験をきっかけに、参加した生徒のみなさんが探究活動を通じてより地域に関心を持っていただけると嬉しいです。
noteでは、今後も高校生や大学生のみなさんの地域課題解決のためのプロジェクトについてご紹介していきます!
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