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#5 探究コース
こんばんは。探究baseの川崎(通称:かわやん)です。
本日もこの記事に辿り着いていただきありがとうございます🙇♂️
5夜連続投稿の最終日は、『探究コース』のことを書きます。
今でこそ、全国各地の学校で「探究コース」の名前をたくさん耳にしますが、少なくとも2018年当時の北海道・札幌においては『完全なる新たな風』でした。
2017年の準備期間を経て、2018年に『探究コース』が新設された札幌新陽高校。同市の私学に勤めていた私の耳には、その情報が意識せずともたくさん入ってきました。
その中でも、"教科横断"と"PBL"という2つのパワーワードは、授業の方法を変えたい!と思っていた自分にグサリと突き刺さっていました。
外で指をくわえて見ているぐらいであれば、ダメもとで「一緒のチームに混ぜてくれませんか?」と伝えようと思い、友人の先生を介して探究コース長の中原さんとお話しする機会をいただきました。
奇遇にも同級生、全く違う世界を見てきた彼の内から湧き出る魅力に引き寄せられるように転職を決意しました。
専任を捨て、単年度契約の常勤になることの不安は多分にありましたが、ここで何かを変えなければならない、という想いがこの決断を後押ししました。
手段としての"教科横断"と"PBL"
探究コースのメンバーとして3年間、みっちりとこれらの手段を活用した授業づくりを行い、色々な人たちとの対話の中で磨き上げる経験を重ねてきました。おかげさまで、自分の中では"持ち出し可能スキル"と自己認知できる程度の「How To」を身につけることができました。
コースの担当から外れた後も、普段行われているいわゆる"普通の授業"の中で、これらがどのようにはまるのか?活用できるのか?ということを、限られた自身の担当授業の中で色々と試してきました。
今回、私がこれからのNoteに残したいと考えている部分は、
「教科横断」や「PBL」といった方略が
①『探究コース』という環境だからこそ実現できた授業づくり
ということを中心にしながらも、
②そういった枠組みを持たない現場においても十分汎用的に活用できる授業づくりの手法である
ということです。
また、現在、各種教科から切り出されがちな「総合的な学習」「総合的な探究」との教科の連動や、本来の意味での総合格闘技的な側面を持つ「総合」についても触れることになると思います。
昨今、新しい教育手法についての理論的な枠組みや諸外国の教育カリキュラムの事例について、書籍やメディアなどを通じてたくさん触れられるようになりました。
とはいえ、、、
・関連本を手にとってみたけれども、インプットだけで終わっている。
・自分の目の前の現場でやってみたことを想像するが、あまり良いイメージが湧かない。
・なかなか学習指導要領や教科書と整合させづらい。
・やってみたけど、「で、何が成果だったの?」と言われるのが目に見えている。
という要素もありながら、現場の再フロントで生じているスモールステップの価値ある実践が隠されてしまっているのではないか?と思っています。
僕がこれから残していこうと思っている記事は、
『理論的な枠組み < 感覚的な実践知』を大事にしたいと考えています。
理論的な枠組みとか、効果測定については別の専門書にしっかり記載されているので、そちらでたくさん学ばれてください(必要に応じて参考は掲載予定)。
「これぐらいなら、なんかできるかも?」と感じてもらえる先生や教育関係者が1名でもいてくだされば嬉しい限りです。
「教科横断」・「PBL」での授業づくりの価値
授業者、学習者それぞれの学習効果に対して、新しい教育手法が果たす役割は大きいものと認識してします(私自身もここに関心を持って探究コースへの参画を決めた部分があります)。
ただ、それ以上に大きな価値を感じたことは、授業づくりを通して教員同士がチームを組まなければならない状況が確実に発生するということです。
本屋さんに行って教育書の棚を見ると、「学級経営」という看板が目に入ります。よくわからないうちに、学校の先生は「担任」を持つことで「経営」者の視点を刷り込まれていきます。
この「経営」者が集まって、「学年」とか「分掌」とか「学校」を作っていくのですが、それぞれの「経営理念」が結構優先されがちと思っています。結果、「担任の城」が構築される、ということなのかもしれません。
教科横断を実現することで、この「経営」者同士の会話がちょっと変わるかもしれません。
「僕の科目で重めの宿題出してるので、他の教科からの宿題は減らしてもらえますか?」
▶︎「僕の科目で〇〇に関する宿題出していますが、△△(教科)的な視点で共通宿題にできそうですか?」
「〇〇さんの提出物がまだ出てこないんですけど、声かけしてもらえますか?」
▶︎「〇〇さん、△△の提出物が出てこないんですけど、◻︎◻︎先生の授業課題に〜〜に関して書いてあったりしますか?」
結局のところ、先生方が本気になる場面って「授業」なんだと思います。
新任だとかベテランだとかに関わらず、先生は日々「授業づくり」と向き合っています。
だからこそ、日々の授業をお互いに連動させることが、教員チームを構築する上でとっても重要な視点と感じているわけです。
手段として学んで、実践を通して本質へ
「#4」にも書きましたが、多くの先生に「うまくいった授業はあるのか?」と聞くと、「そんな授業は片手で数えるぐらいしかない」と返ってくることが多いです。
各教科・科目の教授方法のノウハウは、先輩たちのたくさんの実践によって蓄積され続けているし、立派な指導案だって準備されているのに、なぜ「うまくいった」と感じられる授業の比率が増えていかないのか。
「学習集団の状態」や「教員の経験」を原因にすることは簡単ですが、そこに「授業の内容」とか「授業の手法」という要素を加えてみるとどうでしょう。
「#1」〜「#5」まで、なぜ今回探究baseとしてNoteを残そうと思ったのか、についてを書かせていただきました。
いろいろな方の目に届いて、いろいろな人にいろいろなコメントをいただきたいということはありますが、特に届いてほしいと思っているのは「何か変えなきゃいけないと思っているけれども、どこから変えたら良いのか悩んでいる」という現場の先生です。一緒に悩みながら、一緒に作っていきませんか?
次回、#6以降では、実際にどのような形で授業を作っていたか?ということを書いていきます。
*「〇〇」を授業にしてみたい、というアイデア大募集です。コメントに残してくだされば、何かしらの形で回収させていただきます。
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