『おしごと算数ドリル』 おすすめの使い方(ご家庭編)
みなさんは「算数ドリル」と聞いて、どんな書籍を想像しますか?
たくさんの計算や図形、穴埋め問題から文章題までがずらっと並んだもの?
ひたすら反復練習を繰り返して、スピードや正確さを磨くもの?
このような一般的な算数ドリルを想像しながら、今回私たち「探究学習100」が出版した『おしごと算数ドリル』をご覧になると、ちょっとびっくりしてしまうかもしれません。
申し遅れました。『おしごと算数ドリル』の執筆を担当しました「探究学習100」研究開発者の星です。これまで教室ないしオンライン授業という形で全国の校舎にて探究学習プログラムを提供してきた私たちですが、この度初めて、オリジナルの算数ドリルを2巻同時発売(「ビジネス×計算」編「デザイン×図形」編)することとなりました。
マンガ仕立てのストーリーあり、日常生活につながる演習問題あり、探究的なプロジェクトありと、たくさんの新しい趣向を凝らしたこちらの自信作(と自画自賛。笑)。おおまかな内容については公式サイトをご覧いただくとして、本記事では、『おしごと算数ドリル』のご家庭でのオススメの使い方についてお伝えいたします。
『おしごと算数ドリル』の特徴でまずお伝えしたいのは、なんといってもコンビニの店長やプロのデザイナーにお仕事を教えてもらいながら算数を活用していくという「世界観と設定」にあります。つまり、そのおしごとのプロに"なりきって"学んでいくのです。
「ビジネス×計算」編はとあるコンビニの店長が、「デザイン×図形」編はグラフィックデザイナーの佐藤さんがお仕事を教えてくれます。魅力的なキャラクターのお二人が、マンガーのストーリーの流れにのって優しく楽しく教えてくれるので、子どもたちも自然と没頭して取り組めます。
さて、今日はそんなお二人の雰囲気も体感いただきたく、本記事では少し趣向を凝らして、「探究学習100」代表の岩田さんと店長、佐藤デザイナー三名による鼎談という体裁のもとお伝えしていきます。
あくまでオススメの使い方ということでこの限りではありませんが、ご参考になりますと幸いです。
それでは、どうぞ!
●そもそも『おしごと算数ドリル』ってなに?
こんにちは。「探究学習100」の岩田です。
グラフィックデザイナーの佐藤です。
サンサンマート新都心三丁目店の店長です。
岩田:お二人ともこの度はご協力ありがとうございました!『おしごと算数ドリル』は、コンビニの店員やロゴデザイナーになりきって算数を活用していく探究型のドリルなんですが、そんな一言ではお伝えしきれないくらいさまざまな工夫を凝らしました。お二人からみて『おしごと算数ドリル』ってどんなドリルですか?
佐藤:ドリルといいつつ、ドリルにあらず、でしょうか。これまで、ドリルってもっと同じような問題を反復し続けるイメージがあったんです。でも、『おしごと算数ドリル』の「デザイン×図形」では、実際にロゴをつくるという目標に向かう過程で、新しい算数の問題にどんどん挑戦していくんですよね。新鮮だなと思いました。
店長:そうですね。今回、岩田さんから「探究」という教育界で話題のキーワードを教えていただいたんですが、スパイラルのようにときには広げ、ときには進み、広がっていく学びが探究なんですよ、と解説されて。改めて手元にあるドリルを読んでみて、なるほどこれがスパイラル型の学びなのか、と妙に納得しました。そういう意味で「ビジネス×計算」に登場してくれたはじめくんとふたばちゃんも、まさに螺旋状の階段を登りながら探究してくれたと思います。
●オススメの使い方①:探究の7日間に!
岩田:今、店長からはじめくん・ふたばちゃんという紹介がありましたが、このドリルの特徴は読者の皆さんとお仕事を一緒に体験してくれる登場人物たちがいるということですよね。
佐藤:はい、「デザイン×図形」のまどかちゃんとけいたくんも、とてもかわいく一生懸命で、頼もしかったです。
岩田:そんな主役の二人とともに、夏休みの7日間という設定で、毎日与えられるテーマのもとミッションにチャレンジしていくと、いつの間にかプロの仕事の本丸に到達しているという。
佐藤:そうなんです、スポーツブランドとチョコレートメーカーという二社のクライアントにロゴを提案するという、かなり本格的なおしごと体験をしてくれました。
店長:私のほうも、コンビニ経営のピンチを救ってくれて、さらに"自分のお店"を考えるところまで到達してくれました。
岩田:そう、かなり本格的なんですよね。読者のみなさんもこの7日間という設定を活かして、たとえば「夏休みのこの1週間!」と期間を決めて、まるで実際におしごと体験をしに出かけたかのように楽しんでもらえたらと思います。
●オススメの使い方②:低学年のお子さまはマンガやコラムを読むだけでも!
岩田:このドリルは、算数の単元のみならずいろいろな考え方を横断するしかけになっていることもあり、対象は小学1年生~小学6年生までと広く想定しています。
店長:ふたばちゃんも小学1年生でしたね。
岩田:はい。とはいえ低学年の子には、特に算数演習のページで難しく感じるところがあるかもしれません。そんなときは、マンガやコラムを読んで楽しんでもらうだけでもまずはいいかな、と。どのような探究が進んでいくのか、ストーリーを追ってもらえたらと思います。
店長:たしかに。毎日の仕事終わりにはじめくんとふたばちゃんと振り返りをしたのですが、二人の質問が鋭すぎて、コンビニのお仕事に深入りしたお話もしました。その箇所を読み進めてもらうだけでも学びが多いかもしれませんね。
佐藤:「デザイン×図形」でも、各ミッションをけいたくんとまどかちゃんが一緒にトライしているので、私とのやりとりを読み進めてもらうだけでも、ロゴデザインの考え方や図形がどのように関わるのかのポイントはつかめると思います。
岩田:そうですね、難しいところは飛ばしつつ取り組んでもらえたらと思います。低学年の子どもたちは、算数部分をサポートしてくれるおうちの方や、お兄さん・お姉さんと一緒に取り組むのもいいかもしれません。また<ラビトの部屋>という算数のヒントページもあるので、適宜ご活用いただければと思います。
●オススメの使い方③:探究チャレンジはご家族で!
岩田:今おうちの方と一緒に、という話をしましたが、このドリルの目玉の1つ「探究チャレンジ」はぜひご家族で取り組んでいただきたいです。
佐藤:そうですね!算数はもちろんのこと、この「探究チャレンジ」の部分もとっても大事です。「デザイン×図形」では、世の中にある既存のロゴを探究してもらうのですが、これがいざ自分でロゴをデザインしようとなったときに活きるので、ぜひ取り組んでもらいたいです。
店長:「ビジネス×計算」では、コンビニの仕入れの探究など、実際に店舗を調査するチャレンジがあります。お店の迷惑にならないためにも、ぜひおうちの方もご一緒にお願いいたします。
岩田:大人でも楽しめるチャレンジが満載です。そして実は、別冊のほうにも追加の「探究チャレンジ」があるんですよね。
佐藤:そう、いわゆる算数演習の答えや解説の下に、おまけとしてオススメの探究チャレンジを載せています。
店長:私としては、この別冊の探究チャレンジのほうがゲーム性があって、よりご家族やお友達を巻き込んで取り組めると思います。
岩田:「デザイン×図形」ですと「空想の地図記号作り」をしたり、「ビジネス×計算」ですと「おうちで在庫管理ごっこ」をしたり、たしかに別冊のほうがゲーム性がより強いかもしれませんね。
店長:岩田さんから「おまけの探究を」と提案されて、ノリノリで考えちゃいました(笑)。
岩田:ありがとうございます!ゲームのように楽しみながら対話をしたり、見せ合いっこをしたりと夢中に取り組めたら、それが一番の学びになると思っています。探究チャレンジは、ぜひご家族みなさんで一緒に取り組んでみてくださいね。
●オススメの使い方④:つくったロゴやお店の企画は、ぜひSNSで共有を!
岩田:"夢中に"というところでいうと、ビジネスだと「自分のお店の企画」、デザインだと「クライアントへのロゴデザイン提案」が、最も夢中になれるところかもしれません。
店長:はい、はじめくんもふたばちゃんも、自分のやりたいことを表現できるからなのか、「自分のお店企画」はとっても楽しそうに取り組んでいました。
岩田:そうですよね。二人が考えたお店がとても魅力的で驚きました!
店長:既存のお店をたくさん見て回ったからかもしれません。観察眼が素晴らしかったんです。
佐藤:ロゴデザインも負けていませんよ(笑)。まどかちゃん・けいたくんの考えたロゴ、もう最高でした!それぞれの個性が出ながらも、クライアントの要望にも応えているという、とてもバランスのとれたロゴが出来上がったんです。
岩田:お二人の熱気が伝わってきます(笑)。子どもたちも、考えたり作ったりしたものは誰かに見てもらいたいですよね。
佐藤:デザインは見てもらってなんぼですよ!
岩田:はい、ということで、この記事をご覧になる読者のみなさんもよろしければ、ロゴやお店の企画をSNSでシェアしてみてください。「#おしごと算数ドリル」というハッシュタグをつけて投稿いただけたら、同世代の子どもたちがどんなことを考え、つくったのか、共有できて学びが広がります。SNSを介した見せ合いっこの先になにがあるのか、私もとても楽しみにしています。
佐藤:私も普段、デザインのプロジェクトがローンチしたら、SNSにアップするんですよ。
岩田:各ご家庭で決められたSNSの使い方・接し方ルールの範囲内で、ぜひ「共有の学び」を広げていただけたらと思います。
●オススメの使い方⑤:そのまま夏休みの自由研究にも!
岩田:もう1つオススメしたいのは、このドリルの発売時期(6/9)が夏休み目前!ということで、夏休みの自由研究にもつながるかも、というところです。
佐藤:まどかちゃんも、「デザイン×図形」で自由研究をまとめたいと言っていました。
岩田:このドリルで探究したことを自分なりに研究としてまとめてもいいですし、そこから発展させて、よりオリジナルの問いを立ててみるのも面白いかもしれません。
店長:「ビジネス×計算」で考えた"自分のお店"も、できる範囲で実際にお店を営んでみるといいかもしれませんね。
岩田:そうですね!まずはご家庭で"お店屋さんごっこ"として始めてみてもいいですし、町内のイベントで挑戦できる機会があったらご家族で出店してみるのもいいかもしれません。
佐藤:そういえばデザインの世界でも、試作やプロトタイピングをして試行錯誤するプロセスがとっても大事なんです。
岩田:そうですよね。そのような試行錯誤のプロセスを日記のようにしてまとめるだけでも、立派な自由研究になると思います。
店長:そうかぁ。実は私も個人的に経営日誌をつけているんですが、あれも研究になるのかも。
岩田:そのような記録をためておくと後で振り返りがしやすくなったり、そこから他の人にも役立つノウハウが導き出せたりするかもしれませんよね。
店長:あぁ、子どもたちのチャレンジがいい感じに共有されて、刺激しあって、"起業家"がたくさん生まれる妄想が広がりました(笑)。
岩田:夢は広がりますね!この「おしごと算数ドリル×自由研究」という切り口については、次の記事でもっと掘り下げてみたいと思いますのでお楽しみに!
●最後に:おしごと×算数の世界を広げよう!
岩田:盛り上がってきたところで残念ですが、そろそろおしまいの時間です。改めてお二人からメッセージをいただけますか?
店長:お店経営にレッツトライ!計算力は自然とついてきます!
佐藤:何歳かなんて関係ない!デザインの天才を待っています!
岩田:力強いメッセージをありがとうございます。今回は「ビジネス×計算」と「デザイン×図形」でしたが、実は算数が活躍する仕事は他にもたくさんあります。「算数って何の役に立つの?」ともやもやしたら、ぜひ身の回りの暮らしや仕事に目を向けてみてください。
最後に、「探究学習100」各校舎では「おしごと算数®︎」を教室やオンラインで体感できるプログラムを提供しています。通塾はもちろんのこと、直近では夏期講習やサマースクールとして単発受講可能な授業を開講するので、気軽に試してみたい方はぜひお近くの校舎を探してみてくださいね。
それでは!ここまでお読みくださりありがとうございました!みなさん、『おしごと算数ドリル』でお会いしましょう〜!
<執筆後記>
改めまして、星です。いかがでしたでしょうか?『おしごと算数ドリル』の魅力の一端をお伝えできていれば幸いです。
内容が本格的で結構難しいのかも?!と思われたかもしれませんが、今回登場してくれた店長と佐藤さんが優しくリードしてくれるので、どなたもきっと楽しく取り組めると思います。
そして岩田さんから自由研究について言及がありましたが、今後自由研究のヒント集も掲載される予定なので、そちらもぜひご参照くださいね。
実はこのドリル、今回ご紹介できなかった「子どもおしごと探究社の”ラビト”」という人物も登場するのですが、その中身は岩田さんなのかも?!と思ったり思わなかったり・・・(笑)。そんな遊び心満載の『おしごと算数ドリル』、ぜひ手に取ってみてください!
●購入はこちらから!
『おしごと算数ドリル ビジネス×計算』
Amazon
楽天ブックス
『おしごと算数ドリル デザイン×図形』
Amazon
楽天ブックス
【無料・オンライン】おしごと算数の授業体験会を開催します!
『おしごと算数ドリル』は、探究学習塾エイスクールやそのパートナー校が全国で開講してきた、探究学習プログラム「おしごと算数®︎」(ワークショップ型の授業)のエッセンスを凝縮して、ドリル化したもの。
そこで今回、『おしごと算数ドリル』発売記念と題しまして、オンライン授業体験会を開催します!ご体験いただけるのは、「コンビニ店長(ビジネス×計算)」と、「ロゴデザイナー(デザイン×図形)」の2つのお仕事。ドリルをご購入くださった方はもちろんのこと、未入手の方も歓迎です。
すでに多数の申込をいただいておりますので、申込はおはやめに!