忘れないようにめも置いとく。
わかんない、こわい、ってたくさん言った気がする。
正直なところもうあんまり詳しくは覚えてなくて、
君が大丈夫、大丈夫って何度も何度も言ってくれたことと、
溢れる感覚はものすごく鮮明に覚えてる。
たくさん息を吸って吐いたような気もする。
あ、あ、あ、、て思ううちにわかんなくなった。
なんだったんだろうって、何度考えても憶測の域を超えなくてこわい。
うーん、なんだろう。びっくりした。
本当に、びっくりした。
わかんない、なに、あ、おかしい、溢れる、いっぱいになる、え、壊れる、出てくる、こわい、やだ、こわい、なに、なに、いっぱい、あれ、こわい、こわい、こわい、なに、どうしたの、なに、なに、なに、なに。
思い出せる限り書いてみたけど、全部結局こわいだったな。
こう、胸の奥。心臓のあたり。箱が、あって、立方体のちっちゃな箱。その中から熱くてどろっとした何かが溢れるの。何かはわかんない。
いっぱいいっぱい出て行くの。溢れてどっかいっちゃうの。どこ行ったかはわかんない。
冬の始まりの、11月の、どちらかと言えば雪国、の夜だからまあ部屋も冷えるほどじゃないけど温かくはしてなくて、出て行く中身の熱さが際立って動いてるのがよくわかるの。
君が大丈夫っていうからもっと溢れて、空っぽになって。
空っぽになったら箱が透明な箱だったのがわかって、急に中身がなくなって冷えて冷たくなった。
そこだけ冷たいのもけっこう怖いのよ。
急に詰まってた中身がなくなって、穴が空いたみたいに冷たくなって、どうしたらここがまたあったかくなるのかわかんない。
あっためなきゃいけない。冷たいのは何だかちょっと変で。
でももう溢れる中身がないからあとは落ち着くのを待てばいいんだけど、
時差でちょっとずつ体がびっくりして震え始めて、
それはそれで怖いよね。
ああ、やっぱ怖かったんじゃんって思った。
よかった。おれが怖がったふりをしてるわけじゃなかった。
でもこれがなかなか治んなくて。
まさかくだらない音MADで楽になるなんて思いもしなかった。
くだらなかった。本当に。本当に。ニコニコの民ってばかだ。
とってもばか。
ありがとう。
朝起きたら、言うほど気分は落ちてなかった。
でもね、冷たかった。 冷たいまんまだった。
そもそも寝坊しかけてたし。
起きろと怒鳴る母親に向かって、
「今日学校サボる」
って一言言った。
まあ、ちょうど最近、
「あんた学校サボらんの?偉いなあ」
って言われたとこだったし、母親の中に、サボっていいのに。という考えがあるのがわかってたから言えた。
本当はサボりじゃなかった。
必要な休息のための休みなんだけど。
そんなこと一言も言えないんだけど。
だから本当はサボりじゃなかったんだけどなって。
ちょっと寂しくなりながら。
でも布団に入っても全然眠れやしないし。
いろんな人が心配してくれるけど眠れやしなくて。
急にまた溢れちゃったらどうしよう。
怖くなったらどうしよう。
空っぽの箱は、隠れちゃって今は簡単には見えないけれど、
場所がわかってるから触ったらそこには確かにあって。
まだ空っぽのまんま。
3時間寝付けなくてごろごろしてたらなんだかだいぶ楽になってきて。
怖いのは怖いけど、気持ちはだいぶ楽になっていって。
自販機までお散歩したりした。外は明るいから。外は息がしやすいから。
次第に楽になって行くにつれて、忘れちゃうんじゃないかって思うようになってきたのでこれを書いた。
都合の悪いことをとにかく忘れようとする都合のいいおれのぽんこつ頭が、
きっとこの感覚も消しちゃう。
消えちゃうってことはきっと思い出してしんどくなることはないんだろうけど。
それは喜ばしいことではあるんだけれど。
あんなに苦しかったのに。怖かったのに。苦しみ損じゃんか。そんなの。
だから忘れてはやらない。そのために書き残した。
今も怖いよ。この箱の中身はきっとちょっとずつ何かで埋まっていって。
なにで埋まって行くのが正解なのかもわからなくて。
嫌なものの掃き溜めなら、埋まらない方がいいのだけれど、
いいものも詰めていいならたくさん詰めたいし、
そもそも勝手に埋まって行くものなのか、自分で埋めて行くものなのかもわからないし。
突然出てきたんだもの。あなたは誰?って問いかけても答えは来ないんだもの。
きっと私は、明日は普通に学校に行くと思う。
空っぽの箱と一緒に学校に行って、また嫌な自分を見て、怖い陽キャにビビって、友達との距離感に違和感を覚えて帰ってくると思う。
きっと、感じなくていいもので埋まっちゃうと思う。
ちょっと勿体無いなあなんて、思う。
思っただけできっと私にはどうにもできないので、
きっとまた、埋まってくのを見てるだけ。
また溢れちゃったらどうしようね。
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