【2021上半期BEST】ハイエイタス・カイヨーテ #061
投稿者 : さかな先生
紹介アルバム : Mood Valiant / Hiatus Kaiyote
リリース : 2021年
今年も半年が過ぎたということで、上半期に聴いたアルバムの中から素晴らしかったアルバムを紹介していこうと思います。
↓前回ご紹介したのはこちら
------------
本記事は最後まで無料で読めますが、もし気に入っていただけた場合は
記事を購入するか、ご希望の金額でサポートしていただく事も可能です。
支援していただいた場合は音楽活動・地域を応援するために使います。
なお、記事の末尾にはラジオ(Youtube、Podcast、Spotify)及びホームページのリンクも掲載しております。
文字媒体ではなくラジオで楽しみたい方、その他コンテンツもご覧いただける場合は、是非ご確認ください!
------------
ハイエイタス・カイヨーテとは?超注目バンド!
ハイエイタス・カイヨーテは2011年にオーストラリアメルボルンで結成された、最先端のグルーヴを生み出す未来型ソウル・バンド。(ディアンジェロから大きな影響を受けているよう。)
これまでにアフリカ音楽などトライバルな要素をジャズ/ヒップホップ/ソウルに取り込み、電子音も織り交ぜたエレクトロな楽曲を数々生み出してきた。その幅広いサウンドにより、昨今のミクスチャー・ソウルのブームの草分け。
歌もファッションもすべてが強烈。
カリスマ性にあふれるフロントマンのネイ・パームを中心に結成されたこのグループは、その並外れた演奏能力や奇想天外な作編曲で2013年のデビュー作『Tawk Tomahawk』(トーク・トマホーク)はいきなりグラミー賞にノミネート。
2015年の2作目『Choose Your Weapon』でのレベルアップしたサウンドは日本でも大いに評判となり、アンダーソン・パーク、ビヨンセ&ジェイ・Z、チャンス・ザ・ラッパー、ドレイクといった名だたる大物たちが楽曲をサンプリングしたことで、4人の知名度は飛躍的に高まった。
2018年にネイ・パームが乳がんを患っており治療に専念すると発表。
バンドは数年間の活動休止を余儀なくされたが、彼女の手術が成功したことで、回復を待って曲作りを再開。
かくして6年ぶりの待望ニューアルバム『Mood Valiant』をここに完成
ブラジルで録音された今回のアルバム、その目玉は同国の伝説的な作曲家兼アレンジャー、アルトゥール・ヴェロカイとのコラボレーションだろう。
(『Arthur Verocai』は、サンダーキャットやフライング・ロータスなど数多くのミュージシャンが影響源に挙げている。)
そんなヴェロカイが手掛けたホーン&ストリングスのアレンジを「Get Sun」などで取り入れ、『Mood Valiant』をさらにパワーアップ。ブラジルでは原住民のヴァリナワ族の文化にも触れ、その音声もアルバムに盛り込まれている。
本作の仕上がりは最高の一言。ハイエイタスは過去最高を更新し続けている。
(しかも、新たな所属先はフライング・ロータス主宰のブレインフィーダー。)
「Get Sun」の魅力
個人的にはハーモニー。私はそれほど音楽理論に詳しいわけじゃないけど、ヴォーカルのハーモニーが緊張感を生むような音。そういうハーモニーが本当にうまい。聴いていて安らぐのと同時に緊張感があって、その音と音の近さが本当に大好き。複雑なハーモニーを大切にしているのが伝わってくる。人間の声は変幻自在なんだと感じてしまう。
ホーンの音たちはエネルギッシュで「イエーイ!」っていう、パーティーみたいなノリ(笑)。ストリングスの音はさっきの管楽隊とは打って変わって、とてもエモーショナルで真剣で、演奏を聴きながら泣いちゃうくらい美しい。
管楽隊は「パーティー」で弦楽隊は「涙」、その振り幅が「Get Sun」がもつ感情を表していると思う。
この“Get Sun”のアッパーで生命力にあふれた明るいムードは、彼女の思いが音楽化されたものなのではないでしょうか。リズム感覚も強烈です。
プレス・リリースでパームは、
自分の人生が奪われようとしていると感じたら、自分が何者なのかを考えるようになる。たぶん、乳がんの恐怖を味わってからだと思う。私が持っているものが偽物ではないことを人生で証明しなくてはならないと決断した。私のたったひとつの願いは、生きて、自分が体験した時間と美を捧げること
と綴っています。
「勇敢(variant) なムード」というタイトル通り、がんを克服してみせた彼女のタフな人生観は、私たちにも勇気を与えてくれるはずだ。
OILSPOT 各種リンク
↓音声(ラジオ)で聴きたい方はこちらから!
・Youtube
・Podcast
・Spotify
<OILSPOT HP>
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?