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大丈夫だぁ、と再び言える時のために

一ヶ月ぶりのnote投稿です。今日は平日休みなのでこんな時間に書いています。

前回も「コロナウイルスの自粛ムードが~」とか気楽なことを言っていましたが、それから一ヶ月で世界中にあっという間に感染が拡がり、日本でも東京で外出自粛が呼びかけられるなど、いよいよ他人事では済まない状況になってきました。私の住む南砺市内でも、いつもよりかなり早く桜の花がほころび始めていますが、気がつけば花を見上げる余裕はなくなり、足元ばかり気になるようになっています。

先ほどニュース速報が出ました。私は子供の頃、母親がテレビを見せるのを嫌がっていたので(特にお笑いとか暴力描写のキツいアニメとか)、ドリフの番組と接する機会はあまりなかったのですが、このニュースはさすがにショックでした。私以上にテレビ番組などで志村さんに親しんでいた人はとても多いと思うので、その喪失感は測りかねます。今TwitterでTLを見ましたが、みなさんのショックを受けたツイートを見続けると、こちらも泣き崩れてしまいそうでとりあえず閉じました。

先週末に東京で外出自粛が呼びかけられたあと、東京在住の人たちが自分の故郷へ避難しよう、という動きが見られました。ただ今回だけはその行動は固く慎んでいただきたいです。震災の時の放射能と同様、今回のウイルスという見えない存在への恐怖は、ものすごく大きいです。ただウイルスは誰にでも感染し、発症する人もいれば、無症状のままウイルスを保持し続ける人もいる厄介な存在です。現状では特効薬やワクチンもありません。なので直近で取り得る最善の方法は、新型コロナウイルスの感染が拡大している地域では、インフラの維持や医療機関など絶対に必要不可欠な人たち以外はとにかく外出を控える、ということだと思います。今自分が取ろうとしている行動が、自分の大切な人も含め、重大な結果を招くかもしれないということを、もう一度よく考えて思い留まっていただきたいです。東京よりも医療体制もインフラも脆弱な地方で感染が拡がるような事態になると、取り返しがつきません。

一方で私も経営者ですので、この緊急事態の中で会社をどうやって維持し、雇っているスタッフの給料を保証していくのか。ただでさえ年度末で忙しいところに今回の事態が重なって、毎日頭がパンパンの状態です。この段階で一度吐き出せる場所(このnote)があってよかった。今は日々状況が変わっている中ですので、ベースになる事業計画はしっかりと作りつつ、変更できるところは変更する、先送りできるものは先送りする、逆に前倒しした方がよいものは前倒しする、という感じで、毎日何かしらの判断を求められます。そんなときに、兵庫県豊岡市の竹野という海沿いの街で、小さなゲストハウスを営んでおられる方の記事を見ました。

この大変な状況の中で、わかりやすい言葉で、でもロジカルに優先順位と判断基準を示されていて、とても参考になりました。私の会社も公共施設の指定管理とカフェ・ショップの運営という、この先もし外出自粛の動きが長く続いた場合に影響を受ける事業を営んでいます(というか影響を受けない企業が果たしてあるのでしょうか?)。基本ほとんどがクルマ移動、しかも家は大きくて快適、かつ散居村で「密集」という言葉からはほど遠い富山県の山の中ではありますが、この先起こりうる事態を想定して事業にも反映させたいと思います。なのでいくつかの予定を前倒しにすることにしました。その一つがネットショップの開設です。夏前くらいに予定していましたが、3月頭の状況を見て4/1からの開設を決めました。これも長野市内の小さなゲストハウスの方の取組を参考にしています。

私の妻は、ゲストハウスに関する論文で博士号をとった研究者なので、元々そちら方面の情報がたくさん入ってきます。ゲストハウスはじめ観光分野のみなさんは、今回の感染拡大で一番最初に影響を受けました。世の中がまだそれほど騒いでいない頃、孤軍奮闘の状況の中から必死に戦い続けてこられたみなさんです。そのみなさんの取組には学ぶところが多いと思っています。
あとネットショップは「STORES」というサービスを使うことにしました。このサービスのおかげで、費用とリソースを抑えて開設できることになりとても助かりました。あと山の中からでも全国へ1~2日あれば配送できる体制を維持してくださっている、宅配事業者さんや郵便局のみなさんにも感謝します。こんな状況でも毎日の暮らしへの支障が少ないのは、そこで働いているみなさんの踏ん張りのおかげだと痛切に感じています。
今は私も「南砺市に来て!」と言いづらい状況ですので、リアル店舗を維持して地域住民や近隣のみなさんのニーズを満たしつつ、ネットショップで全国からアクセスしていただける環境を整えたいと思っています。

ご紹介した二つのゲストハウス(「本と寝床ひととまる」「1166バックパッカーズ」)とも、新規予約を一時的にストップされたり、予約されている方にヒアリングしたりと、ゲストハウスとしては異例の対応を取られています。これが現状取り得る最善の選択なのだと、ものすごく悩んだ末に決断されたのだと思います。その決断には心から敬意を表したいと思います。同時にゲストハウスという、泊まってくれる人たちの「顔」が見えやすい商売ゆえの底力を垣間見た気がしています。今は無理でも、状況が許すようになればまた泊まりに来てもらえる、その時まで耐えるのだ、そんな声が聞こえてきました。実際に私も、落ち着いた時には必ず泊まりに行きたいと思いました。濡れ手に粟の商売ではこうはいきません。

今回の新型コロナウイルスの影響は、全世界に大きなインパクトを与えたことは間違いありませんし、もう感染拡大以前の世の中に立ち戻ることもないだろうと思っています。なので一人ひとりの自覚と責任が問われていると思います。こんな状況ですが、私も5月から父親になります。自分の子供に「大丈夫だぁ」と変な顔をしながら言える日が来るように日々過ごしていきたいと思います。

2012年に、京都から富山県の南砺市城端(なんとしじょうはな)へ移住してきました。地域とコンテンツをつなげて膨らませる事に日々悩みながら取り組んでいます。 Twitter⇒https://twitter.com/PARUS0810