ChatGPTの新機能として、 「Custom instructions(カスタム指示)」が提供されました。これはChatGPT Plusユーザー向けの、まだベータ版の機能です。
自分は使い方を限定せず、結構いろいろChatGPTにやらせているため使わなくて良いだろうと考えていましたが、いざ使ってみたところ、期待以上に良い結果が得られたので、その経験をまとめてみました。
また冒涜的かも知れませんが、自身の職業や立場を偽れることから、非常に興味深い視点からの回答が得られることも分かりました。
そのため、この機能の可能性をものすごく感じています。
Custom instructionsとは
「Custom instructions(カスタム指示)」は、AIの行動をより具体的に指示するための機能です。
設定方法
Settings→Beta featuresのCustom instructionsをONにします。
そうしますと、以下の赤枠の選択肢が増えるので、ここをクリックします。
すると、以下のような入力画面が表示されます。
一番上は「より良い回答を提供するために、ChatGPTに何を知ってもらいたいですか?」
その下は「ChatGPTにはどのように対応してほしいですか?」
となっています。
どうやって入力するのがベストか
この辺も基本的には、ChatGPTとやりとりをする要領で良いと思います。
ChatGPTに聞いたところ、以下のことに気をつければ良い、とのことでした。
1.What would you like ChatGPT to know about you to provide better responses?
このセクションでは、ChatGPTがあなたについて知っておくべき情報を提供します。これにより、AIはよりパーソナライズされた応答を提供することができます。以下にいくつかの例を示します。
ただし、プライバシーに関する考慮から、個人を特定できる情報(氏名、住所、電話番号など)を提供することは避けてください。
2.How would you like ChatGPT to respond?
このセクションでは、ChatGPTの応答スタイルを指定します。以下にいくつかの例を示します。
フォーマルまたはインフォーマル:「私はフォーマルな応答を好みます。」または「私はカジュアルなトーンでの応答を好みます。」
応答の長さ:「私は短くて簡潔な応答を好みます。」または「私は詳細な説明を好みます。」
特定の視点:「私は科学的な視点からの応答を好みます。」または「私はビジネスの視点からの応答を好みます。」
これらの指示は、ChatGPTがあなたのニーズと好みにより適合した応答を提供するのに役立ちます。
こうやって入力してみた
自分は以下のように入力してみました。
また、入力したパターン、入力しなかったパターン、プロンプト自体に組み込んだパターン、立場を変えてみたパターンの4パターンを検証してみます。
プロンプト
ちょっと主張強めですが、以下のメッセージを送ります。理由として、あえて賛否両論的な内容の方が面白い返答を期待できそうだったためです。
custom instructions OFFの場合の返答
custom instructions ONの場合の返答
プロンプトに組み込んだ場合の返答
最後に「これらについて、独創的にかつ、創造的になにか意見をお願いします。」を加えたものです。
美術教師とした場合
「私は美術教師であり、小学生全般に教えています。」
に変更して同じプロンプトを投げました。
結果
一部好みの問題もあるかもしれませんが、私個人としては「Custom instructions」をONにした方が、より理解しやすく、自分の好みに合った返答が得られました。
また、立場や職業を変えて返答を要求するというのは、ものによってはいささか冒涜的ですが、大変興味深い視点を与えてくれるものと感じました。
余談ですが、どういったカスタム指示を出したかというのも、モデルのところから確認できるのが良いですね。
まとめ
推奨される使い方としては他に、「(Python等)コードの説明は不要」や「3年生担当の教師である」等を入れることで、返答の最適化を期待できます。
ただし、いつものやりとりにも言えることですが、プライバシーおよびセキュリティ上の懸念のあるものの入力は控えるようにしましょう。
おまけ(ChatGPTとのやりとり全量)
※プロンプトに組み込んだ場合の返答ですが、この後いろいろやりとりをしてしまい、公開するには適さない言い回しが多くあったため、省略させていただきます。