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AIタスクマスターのアップデート&プロンプトエンジニアリングへの考え

結構前に公開したままだった、スケジュール管理(アドバイス)WEBアプリを刷新しました。なお、本記事ではこのWEBアプリで使用しているプロンプトも公開しております。つまり、各個人の環境で使用できるので、わざわざこのWEBアプリを介さずとも使えます。目次から飛んでいただければと思います。

また、今回はプロンプトエンジニアリング的な考えに対する私見を追加で述べています。前に「虚構でしかない」という強い調子の記事を書いたこともありましたが、今回は「AI活用の現状と未来」を見据えた上で、少し視点を拡張してお話ししようと思います。


🔃変更点

  • デザインの変更:すべてのデバイスから操作しやすいようにしました。また、全体的にUIが煩雑だったので、かなりシンプルにしました。

  • モデルの変更:GPT-3.5から、GPT-4o-miniに変更しました。これにより性能のアップと、コスト削減が実現されました。

✏️使い方

  1. 日付を選択: スケジュールを作成したい日を選びます

  2. 時間帯を入力: 予定の時間枠を指定します(例: 9時から18時)

  3. タスクを入力: 実行したいタスクを箇条書きで入力します

  4. AI分析: AIが最適な順序と時間配分を提案します(GPT-4o-mini)

  5. カレンダー登録: 提案されたスケジュールをカレンダーに簡単に登録できます

例えば上記のように入力します。
AIから回答があります。タスクが足りないと、勝手に追加してくれることもあります。
次に、ICSダウンロードを押すと、そのままカレンダーに登録できるファイルが作られます。
(iOS、macOSであれば、カレンダーにそのまま追加できます。Android等も同様です。

✍️プロンプト

内部的には以下のプロンプトで実現しています。(正直「タスク管理のエージェント」って何なんだろう?という気持ちもありつつ🙄…)

あなたはタスク管理のエージェントとして振る舞います。
以下のタスクを最適な順序で並べ替え、それぞれに対する理由と理想的な時間配分を考え、柔軟に提案してください。
回答は以下のフォーマットに従ってください:
[順序付きタスクリスト]
1. [日付] [開始時刻-終了時刻] [タスク内容]
2. [日付] [開始時刻-終了時刻] [タスク内容]
[理由]
1. 理由1
2. 理由2

プロンプト

コストを少しでも抑えたい場合は英語で書くことをオススメします。また、プロンプトインジェクション対策を講じたほうが良い場合もありますが、本アプリではどのように実装しているかはセキュリティの都合上、非公開とさせていただきます。(攻撃はやめてね、悪意ある攻撃は犯罪です……!

🤔プロンプトエンジニアリングの是非について

以前、「プロンプトエンジニアリングは虚構でしかない」という、少し挑発的なタイトルの記事を出しました。その意図を改めて補足すると、「定型業務ならプロンプトをわざわざ入力しなくても済む仕組みにできる」という考えです。たとえば今回のようなアプリであれば、ユーザーは日付やタスクを入力するだけでよく、細かいやり取りはすべて裏側のコードでまかなわれます。

さらに自動化ツールやワークフロー管理ツールと組み合わせれば、人間がほとんど介在しなくても、システムが勝手に良い感じに処理してくれる。自分はこの「自動化できる部分はシステムに任せる」という発想が重要だと考えています。

もちろん、今まさにプロンプトエンジニアリングの技法を学んでいる人にとっては、「じゃあ自分が学んでいることは無駄なのか?」と思われるかもしれません。決してそういうわけではなく、当面の間はモデルの癖を把握し、よりよいアウトプットを導くために工夫するのは非常に大事です。ただ、モデルがリアルタイムで進化していく以上、今の「定型的テクニック」にずっとこだわりすぎると、あっという間に陳腐化してしまう──ということも、また事実だと思います。

ここで自分が強調したいのは、AIを相手にする際も汎用的なコミュニケーション能力が最終的にものを言うという点です。たとえば、人間相手に対しても、「この人はどんな情報を必要としているのか」「どうアプローチすれば伝わるか」を考えるでしょう。その感覚をAIに対しても持つこと。
一方で、「#定義 あなたは人間として振る舞います……」のような定型プロンプトを毎回投げるだけでは、徐々に実践的ではなくなっていくのではないか、というのが自分の見解です。

セキュリティとコストの話

セキュリティに関しては、社内イントラネットで使う場合、情報漏洩のリスクは一般的な外部Webアプリの導入に比べると低くなります。もちろん、APIキーをどう管理するか、誰がアクセスできるかなど、最低限の対策は必要です。一方で、個人レベルや同人レベルであれば、そこまで大掛かりな仕組みを用意しなくともOK。
ただし企業の基幹システムとして本格導入するときは、ログの扱いや外部ベンダーへの依存度など、もう少し厳格なルールの策定や監査が必要になってくるでしょう。

コストについては、たとえばGPT-4o-miniを使用して日本語で1000文字を入力した場合、

$0.00015(入力) + $0.00060(出力) = $0.00075

となり、かなり安価です(あくまで一例です)。社内で使いたいよ、というときに企業向けのEnterpriseプランを大々的に契約するより、サーバーレスでちょっとだけAPIを叩くほうが安く済むケースは十分ありえます。さらに、アプリを一度作っておけばフォークして機能拡張もしやすいので、運用に慣れてくると、ほとんどメンテナンスコストもかからず開発スピードが増すのが魅力です。

「人間がやるべきこと」とは?

「このアプリ作るの大変じゃないの?」と思われるかもしれませんが、最近のAIアシスタント(ChatGPTやClaude)なら、かなりの部分をサクッと組んでくれます。未知のエラーやハードウェアの問題でも「これがわからない!」と相談し続ければ、理論上は核融合装置だって作れてしまう。大事なのは「やってみよう」「質問しよう」という姿勢です(もちろん、核融合装置を作ることの是非は別ですが……)。

最後に、一つ強くお伝えしたいのは、「プロンプトのテクニック」という付け焼き刃を追い求めるより、どういう仕組みやアプリを作れば「そもそも人間の介在を最小限にできるのか」を考えるほうが有意義ということです。
定型的な作業は自動化し、人間はもっと創造的なタスクにリソースを割くべきだ、と自分は思います。具体的には、アイデアのブレストやコンセプト設計、ビジネスの戦略を練るところなど、人間がまだまだ圧倒的に優位な領域があります。そちらにこそエネルギーを注ぐことで、AI時代をより面白く、豊かに乗りこなせるのではないでしょうか。

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