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「別にそれならAIで良いじゃん」と面接で聞かれた時の対処法
もし自分が面接官だったら、こんな質問をしてみたいと思っています。
「別にそれならAIで良いですよね?」
もちろん、この質問にはコンプライアンス上の問題が発生する可能性があります。そのため、実際にこうした質問を投げかけたい場合は、事前に会社と相談して、慎重に取り扱う必要があるでしょう。
とはいえ、面接で抽象的な話が続く場合、あえてこの質問をしてみることで、候補者の本音や姿勢を引き出す手段となるかもしれません。一時期流行した「フェルミ推定」も似たような目的で使われることがありますよね。決め手に欠ける場合に、候補者の考え方や発想力を試す質問というイメージです(この点については後ほど体験談をお話しします)。
さて、ではもし面接官からこのような質問をされたら、どう答えるべきでしょうか?AIに置き換えられる可能性が常にある現代の職場環境において、候補者は自分の存在価値をどう証明できるでしょうか。ここでは、AI(o1-preview)の参考となる回答を交えつつ、いくつかの答え方、切り口を提案してみたいと思います。
なお、この質問に対する最適な答え方は職種や採用の背景によって異なることが多いので、あまり具体的なアプローチについては記していません。ただ、面接官としてはストレス耐性や具体的なエピソードを通じて候補者の本質を見たいという意図があることが多いと思います。面接官自身も「これが正解だ!」と明確に考えていない場合が多いのではないでしょうか。
1. 人間の強みを強調する
「おっしゃる通り、AIは多くの情報を処理できますが、人間ならではの創造性や共感力、柔軟な対応力はAIにはない強みだと考えています。(具体的なエピソードをここに挿入)これらを活かして御社に貢献したいです。」
AIはデータの解析やパターン認識に優れていますが、人間が持つ創造性や感情的な理解にはまだ限界があります。この回答では、人間特有の能力、特に共感力やクリエイティビティを前面に押し出すことで、AIには代替されにくい存在であることを強調しています。これにより、候補者は自分の人間性が機械的なプロセス以上の価値を持っていることをアピールできます。
そして、その根拠を提示できるともっと説得力が増すでしょう。例えば、最近Appleの研究者が発表した論文の内容を引用することで、この話題の信頼性が高まります。(他の信頼できる論文があればそれでも構いません。この場合、論文の正確さよりも、説得力を補強する材料として利用することを重視しています。)
2. AIとの協働を提案する
「確かにAIは優れたツールですが、その能力を最大限に活かすには、人間の判断や経験が不可欠だと思います。私はその橋渡し役として力を発揮できると考えています。(具体的なエピソードをここに挿入)」
AIと人間の協力によって、ベストな結果が得られるという考え方も有効です。単純な代替ではなく、AIを活用しつつも、人間が持つ直感や経験を生かすことで、相乗効果を生み出せることをアピールします。こうした役割を強調することで、候補者はAIと人間の両方の長所を組み合わせて成果を生み出す人材であることを印象付けることができます。
例えば学生の場合、対話型AIを活用して何かを作り上げた経験を話すと良いでしょう。具体的には、サークル活動でメンバーとChatGPTを用いてディスカッションし、前年より予算を抑えつつ効果的にイベントを開催できた、といったエピソードがあると説得力が増します。社会人であれば、コーディングやプロジェクトでのAI活用の経験を話すと良いでしょう。社外で使って発表した成果があり、利用者に好評だった、など具体性を持たせるとより効果的です。
3. 自分の付加価値を示す
「AIでは難しい人間関係の構築やチームワークの推進において、私のスキルがお役に立てると信じています。(具体的なエピソードをここに挿入)」
AIは効率的ですが、人間関係の構築やチームワークの推進は依然として人間の強みです。特に、複雑な人間関係の中で調整役となるスキルや、感情的なサポートが求められる場面では、人間の介在が不可欠です。この回答では、自分の強みを人間関係の側面にフォーカスし、AIには真似できない能力をアピールしています。
結局、仕事はB to Bであっても人間同士のやりとりが中心となるため、この点は避けて通れない重要なポイントですね。
4. 質問の意図を確認する
「そのようにお感じになった具体的な理由をお聞かせいただけますか?改善点があれば教えてください。」
もし突拍子もない質問だと感じた場合、質問の意図を確認することも一つの手です。なぜそのように感じたのかを聞くことで、面接官の思考を深く理解し、自分の考えを整理する時間を確保できます。これにより、適応力や向上心を示しつつ、相手の意図を尊重する姿勢を見せることができます。
もし話の流れとして不自然に感じる場合、その質問はストレス耐性を測りたいだけかもしれません。
5. 前向きな姿勢を示す
「AIに負けないよう、常に学び成長していきたいです。その熱意を御社で発揮したいと考えています。」
AIに対して防衛的になるのではなく、自己成長の機会としてポジティブに捉える姿勢を示すことも大切です。技術の進化を受け入れ、常に新しいスキルを学ぶ姿勢をアピールすることで、AIと共に成長していく意欲を伝えることができます。これは特に技術職において好意的に受け取られるでしょう。
最近ではエンジニアに限らず、ITパスポートの取得が推奨される機会が増えています。試験内容も変化しており、AIに関する知識が問われるため、その分野での理解を深めていることを強調するのも効果的でしょう。
まとめ
上記の1から5のポイントを組み合わせて、柔軟に答えることが効果的でしょう。ほとんどの場合、この質問はストレス耐性や反応を見るために行われると思われます。すぐに答えが思いつかなくても冷静に対応すること、怒らないことが重要です(自分はChatGPTに負けるって言うのか!とキレないこと)。どうしても思いつかない場合は、意図を確認し時間を稼ぎ、拙くても自分の考えをしっかり伝えることで、マイナスには働かないはずです。
余談
昔、新卒の最終面接で「フェルミ推定」の質問をされて驚いたことがあります。ネットの情報では、最終面接は雑談で終わると書いてあったため、予想外の展開に戸惑いました。当時、質問された瞬間に「これは落ちたな!」と思い、かなり適当に答えた記憶があります。なぜなら、これは最終的な決め手がないときに最後の手段として使われる質問だと感じたからです(採用に迷っている時に使われるのだろうと)。ところが結果的には合格しました。不思議なものです。
この経験から、ネットの情報はあまり当てにならないと実感しました。実際、面接で質問される内容が予想通りだったことはほとんどありませんでした。また、採用プロセスにおいては、そもそも不適であれば書類審査の段階で落とされることが多い気がします。逆に、面接まで進んだ場合は、スキル的には十分と評価されていることが多いので、嘘をつかず冷静に話すことが重要だと感じました。
特にグループ面接の際、他の候補者が非常に優秀に見えて焦ることがあるかもしれませんが、その時点で同じ選考ステージにいるということは、既に同等の評価を受けているということです。あまり気にせず、自分のペースを保つことが大事です。