日本各地には「ご当地マンホール」として知られる独自のデザインが施されたマンホールが存在します。地元の風景や文化を描いたものから、キャラクターをあしらったものまで、さまざまなバリエーションを楽しむことができます。中でも人気なのが「ポケフタ」というポケモンのキャラクターが描かれたマンホールで、全国各地でファンが訪れる観光スポットにもなっています(だいたいポケストップにもなっています)。
こうした特別なマンホールデザインは、地域の特色を象徴するだけではなく、地域と訪問者をつなぐ新しいメディアとして機能しています。そこで今回は、AI技術、特にChatGPTを使ったDALL-E 3やGoogleのImagen 3といった画像生成AIツールを活用し、「AIが作るマンホールデザイン」の可能性を探ってみました。
DALL-E 3やImagen 3で生成したデザイン案
AIにいくつかのキーワードを与え、地域特有の要素や人気のあるキャラクター、または未来のテーマなどに基づいて生成されたデザインを確認してみました。
なお、プロンプト自体は「ChatGPT-4o」に考えてもらっています。これを、「Imagen3」に連携して生成しました。
以下、左側が「Imagen3」で右側が「DALL-E 3」です。
どちらも実際に設置されていても違和感はありませんね。ただし、「DALL-E 3」はいささか精細すぎる気はします。特にグラデーションになっているカラーは、今の技術では難しいかもしれません。これは、職人が一つ一つのくぼみに塗料を流し込んで作成するためです(結構手間がかかっていますね)。
次に未来のマンホールを考えてもらいました。アイデアとしてChatGPTは「デジタルサイネージ」がマンホールに採用されている未来を想像しました。イメージとしては「カラーの電子ペーパー」でしょうか。これならあり得る気はします。
かなり面白いものができた気がします。「DALL-E 3」の方は、まるでモニターを埋め込んだような印象で、発色が非常に鮮やかです。ただし、少しマンホールらしさには欠けるかもしれませんね。
一方、「Imagen3」は濃淡がはっきりしており、電子ペーパーのような質感が際立っています。特に、向かって左側のデザインが気に入っています。また、これなら時間帯や季節によってデザインが変わるマンホールも面白そうです。具体的には、地域のイベントや災害時には誘導用の表示器としても役立つ可能性がありますね。
実際の応用と課題
AIで生成されたマンホールデザインは、自治体が地域の魅力を発信するための新しいツールとして期待できる一方で、実際に活用するにはいくつかの課題も考えられます。特に、表示される内容、デザインまでAIに任せるかどうかは重要なポイントになるでしょう。
個人的には、このような枠組みやプロトタイプとしては活用可能だと感じていますが、実際のコンテンツには、AIの補助を活かしつつも地元のアーティストやデザイナーが持つ人間の視点を加えることが大切だと思います。
AIデザインで地域を彩る未来
AIを使ったデザインは今後さらに多様化し、地域ごとにオリジナリティ溢れるマンホールが次々と生まれる可能性があります。地元の住民や観光客に新しい価値を提供し、地元への理解や愛着を深めるためのツールとなり得るでしょう。
AIが生み出す未来のデザインが、どのように私たちの生活や観光地の景観に影響を与えるのか。そうした視点で見つめると、AIの進化が地域社会にもたらすインパクトがさらに楽しみですね!