お菓子箱
お菓子は好きだ。
お菓子は人を和ませる。
お菓子は会話を弾ませる。
ということで、少し前から会社にお菓子箱を置くことにした。
お煎餅やさんなどで詰め合わせなどに使われている、A4サイズくらいの金属のお菓子ケース。これの空箱を通称「お菓子箱」として使用する。
運んでいる最中、「なぜこの人は包装もせずに贈呈用のお菓子を抱えているのか」と不審な目で見られたのはご愛敬。
お菓子箱を設置して、皆で自由に食べてもらうことにした。
最初は、たにぞーが補充していたが、そのうち気が付いた人が自分の食べたいお菓子を適度にいれてくれるようになった。いい感じ。
ある時、大量にお菓子が減るという事案が発生した。
お茶請け程度に減っていたお菓子。
どのように食べようが問題はないのだが、何となく大事にしたくなったので、大げさに犯人を見つけることにした。
お昼休み、お菓子箱の周りで対策会議という名のお茶会が開かれ、やいのやいのと結論の出ない案が飛び交う。
監視カメラをつけるという話題には、猛反対もでるが、プライバシーが個人情報が…というよりも、残業時に一人で踊れなくなる、こっそり机に隠して食べているお菓子がバレるなど、別なる悪事が発覚する。
縁も竹縄、案も出ずにお茶会は終了。
翌日、何故か見知らぬお菓子が増えているお菓子箱。
犯人が自責の念に捕らわれてお菓子を補充した模様である。
やはり、部署メンバーの中に犯人が…ぐぬぬ…なかなか巧妙である。
さらに翌日には、増えたはずのお菓子がかなり食べられている。
犯人は昨日の反省も何のその、自ら足したお菓子の誘惑に勝てず、更なる犯行に及ぶとは…。
などと言いながら今日もお茶会をしていると、後輩社員A君の近くのゴミ箱に大量のお菓子の空き袋が捨てられていることが発覚。
追及したところ
「あら、とうとうばれちゃいました?」
と笑顔で自白、あえなく御用となったのであった。
今後1週間、未知なる美味しいお菓子を補充する刑に処されたA君は、今日も自ら補充したお菓子を消費している。
お菓子は美味しいし楽しい。