私が看護を行う際に大事にしている事

こんにちは。

今回は看護師として誰かと向き合う際に大事にしている事を書こうと思います。

 結論から言えば、

ちゃんと相手の思いに寄り添う事ができる

という事です。

 

 とある場面で、足の動きが悪くなり、ベッド上での生活を余儀なくされている方がいました。

 朝食前の準備の際に昨日から入れてある色が変わったようなお茶がテーブルの上に置かれているのを交換していると、「忙しいだろうからそのまま飲むよ」と言われました。

 「いやいや、今入れたてのお茶があるから飲んでくださいよ。」と交換して準備しました。

 入院して病院に慣れてくると少しずつ心を開いて下さり、いろんな思いが聞けるようになった時に「あの時お茶遠慮してましたよね?何か思いがあったのですか?」と聞くと、

 「足が悪いのは私だから我慢したらいいと思った。今までの当たり前ができない体になったし、看護師さんは忙しそうだから。」と言われました。

 「もしかしてですけど、うちだけとは言わないけど、頼みごとを忙しいって断られた事ありません?」と聞くと、

 「あなたみたいな看護師さんばかりいるならこんな思いしなくてよかったかもね。」と濁した返事をいただきました。

 今までかなりの数の患者さんと関わってきましたが、この方だけでなく、多数の方がこのような発言をされていました。

 そんな方だったとしても、自分が関わる事で患者さんが少しでも幸せになるならそれでいいと思っていましたが、最近年齢を重ねて自分も入院患者になる機会がありました。

 そこで見た光景は、自分が看護師として提供してきたものとは違う光景で、自分が見えなかった所ではこんなに困っている、不安がっている人がいるんだと。

 患者の立場で入院している方が困っている話も聞く事が出来ました。
看護師を始め医療従事者は忙しい中で患者さんの安全を守る事、急な体調変化を起こさないように観察し、対応できるようにしておく事、もし急変を起こしたら速やかに対応する事、毎日の指示、日課を行う事などを求められます。その中で患者さんを観察をする事も求められます。

 この観察をする際にいつもと違うに気付く事が大事であり、いつもと違うに気付くには患者さんとしっかり向き合う事が求められます。

 看護師が行う事は病気の観察、変化、身体援助もそうですが、心のケアも大事だと思っています。

 みんな懸命に頑張っている。でもちょっとした声かけが足りないだけでその頑張りが半減してしまっている、

 だからこそこうして発信してみようと思いました。

 「情報収集に困ってるんです。」という看護師もいますが、自分を信用してくれ、患者さんが心を開いてくれるとたくさん話しかけてこられ、必要以上の情報が取れる事も多々あります。

 認知症患者さんの対応でも、

「危ないから動かないで」「先生薬を出してください」というスタッフがいました。

 この患者さんの話を聞くと、

「家の鍵をかけてくるのを忘れたから帰る。」

「息子と奥さんが危ない。心配だから。」

動いていた理由は認知症があり、記憶に障害が起きるから入院している事もどこにいるかも忘れてしまい心配になって動いていた。でした。

 ここはどこかわかります?と聞くと「学校やろ?」と。

 家族が心配という事で、自宅に電話し奥様に事情を説明、電話で話していただくと気持ちも落ち着かれ部屋に「ありがとう。」と言い戻られました。

 しかし認知症がある為その事を忘れます。同じ訴えで出てこられる事も。

でも電話した際にご家族に協力要請をしておく事、会話で対応していると、数回繰り返すと「ああ、あんたにさっき電話してもらったね」と思い出す事もあります。

 もし無理に動きを止めると抵抗され転倒、骨折などが起こる可能性があります。また内服薬を使うと覚醒状態が下がり、足取りが悪くなるとこちらも転倒、骨折に繋がる事もあります。

 その事も踏まえて、適切な対応が行われるべきだと思っています。

 少なくとも、本人やご家族にしっかりと理由、根拠を伝えるケアができる事を行う事が大切だと思っています。

 だから看護師としても、人としても相手を思い、相手と向き合う事を大事にしています。

 病院を退職していろんな方の話を聞いてもこの思いは変わらないし、根底にあるものだと思いましたので、書いてみました。

 知る事で気付く事ができる。

 ここ数か月で体感してる事なので、こんな思いもあるんだと発信し、知ってもらう意味があるのかなと。

 最後まで読んでいただきありがとうございました

 

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タニタク
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