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コミュニケーションが看護の第一歩 〜患者さんの心に寄り添うために〜
看護師として働き始めたばかりの頃、日々の業務に追われながら
「どうしてこんなに忙しいの?患者さんともっと話す時間があればいいのに。」と思ったことはありませんか?
そんな中で、患者さんから「なかなか話を聞いてもらえない」と言われた事はありませんか?
言われて、どう答えたらよいか分からず、申し訳ない気持ちになったことがありませんか?
私も長年看護師として働く中で、何度もそんな場面に出会いました。
自分だけではなく、チームメンバーが言われる事も…。
こんな体験をしながら看護を続けるうちに気付いたのです。
「看護とは、ただ医療行為をするだけではなく、人と向き合うことが本質なのだ」と。
忙しいからこそ、足を止める勇気を
私は病棟看護師でしたが、病棟では、次から次へとやるべきことが溢れています。
検温、投薬、記録、処置、急変対応…。
しかし、その中で患者さんが不安そうな表情を浮かべながら「ちょっといい?」と声をかけてくることがあります。
そんな時、「後でまた来ますね」とついつい言いがちですが、本当に後で来る時間はあるでしょうか?
たった30秒でもいい。患者さんの目を見て、
「どうされましたか?」
としっかり向き合うことで、患者さんは「話を聞いてもらえた」と感じ、安心感を得られるのです。
「でも、本当に時間がない時はどうしたらいいの?」と思うかもしれません。その場合は、少しでも患者さんの気持ちに寄り添い、「すぐにお返事できないけれど、あとで必ず伺いますね」と伝えるだけでも印象が違います。
そして、その言葉をしっかり守ることで、信頼関係が築かれていきます。
共感が生む信頼関係
患者さんは、病気やケガだけでなく、環境の変化や将来への不安など、さまざまな悩みを抱えています。
その気持ちを受け止めることができるのは、誰でしょうか?
もちろん、医師やソーシャルワーカーも大切な役割を担っていますが、一番身近にいて、一番長く患者さんと接するのは、私たち看護師そして介護士です。
話を聞きながら相手の気持ちに寄り添う一言をかけるだけで、患者さんの表情が和らぐこともあります。
また、患者さんの話を聞く時には、相づちやアイコンタクトを意識するだけで、より安心感を与えることができます。
患者さんは、自分の話がしっかり受け止められていると感じると、より信頼を寄せてくれます。
特に新人の頃は、「何を言えばいいのか分からない」と戸惑うこともあるでしょう。
でも、完璧な答えを出す必要はありません。
大切なのは、患者さんの話に耳を傾け、共感を示すことです。
看護は「人と人」の仕事
技術や知識は、経験とともに身につきます。経験を積むには時間がかかります。
しかし、患者さんと向き合う姿勢は、今からでも意識すると変える事が出来ます。
「看護はサービス業」という考え方に抵抗を感じるかもしれませんが、「人を思いやり、その人の気持ちに寄り添うこと」は、まさにサービスの本質です。
忙しい毎日の中で、目の前の人に心を向けることは簡単ではありません。でも、ほんの少しの時間でもいい。立ち止まって患者さんの声に耳を傾けることで、看護の本当のやりがいに繋がる事を感じられる瞬間が必ず訪れます。
患者さんにとって、私たち看護師の一言や態度は、思っている以上に大きな影響を与えます。
たった一つの温かい言葉や心のこもった対応が、患者さんの心を軽くし、安心感を与えるのです。
あなたがこれから積み重ねていく経験の中で、
患者さんとの対話が「心をつなぐ看護」に繋がることを、
心から願っています。
看護の現場は厳しく、忙しさに追われることも多いですが、
その中でも「人と向き合う時間」を大切にしてほしい。
そんな思いで書いてみました。
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