ソニックマニアからサマソニ2022を梯子した記録(サマソニ編)
つづいてサマソニ編。
Rina Sawayama
当日は14時開演(くらいだったたしか)のリナサワヤマからスタート。1曲目から観る予定だったのが、リストバンド交換ゲートを間違えちょい遅刻。
(マリンステージのゲートで交換できると思い込んでたらここで交換できるのは2日通し券だけだった模様)
Hold the Girlを歌い始めたところで会場入り。
これがめちゃ良い…会場入って1分くらいで音圧に圧倒されたのもあってかいきなり涙ぐむ僕w
そもそも彼女の存在は本サマソニ参加するまで全然知らず、予習で知っていき好きになったパターン。この記事に詳しいがかなり強く明確な思いを持って活動されている方で
それを知った上で人種ビジュアルさまざまな女性バックダンサー・バンドを引き連れて魂のこもった(岡崎体育さんもこの言葉を使ってた)パフォーマンスをする彼女に圧倒されてしまったのだった。
感動度合いでいうとこの2日間でこの時間が一番だったかも!
マキシマムザホルモン
単独ライブには行った事ないのだけど、ライブを観た回数でいうと今回がたぶん4回目くらい(前回は3年前のサマソニ)。いやー安定して楽しい。
リナサワヤマのあのシリアスで感動的なパフォーマンスを観た同じ会場で糖尿病の危険度をデスボイスで諭すという(でも曲はめちゃかっこいい)。
MVでもあるけどナヲさんパートで毎回ドラムから立ち上がってナヲさんが前出てきて踊るくだりが本当にアホらしくでもキャッチーで最高のアクセントになってるという。イントロのリフもシンプルでめちゃかっこいい。
最後まで観たかったけどサンボマスターも見たいということで「チューチュー~~~」らへんでビーチステージへ移動。
サンボマスター
本当は1曲目から観るつもりだったのがホルモンが楽しすぎて遅刻。ビーチステージの入り口に辿り着くと既に会場がパンパン!そして僕の後ろからも続々と人が。いやサンボマスターっていつの間にこんな人気者になったんや。あれか、ラヴィットで生演奏したからか。
そして会場につくと同時にあの名曲「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」が。
パンパンのビーチステージで全員大ジャンプ。
僕はちょい疲れて会場端のベンチに腰掛け(ビーチステージにはなぜか無料のテント&雑魚寝スペース&ベンチスペースが用意されてる)それを眺める。みんな楽しそう。
そしてラブソングやできっこないをやらなくちゃなどの鉄板曲が続き最後に花束。
完全に会場がひとつになってた。サビのフレーズがとてもキャッチーでライブ終わってからも隣の青年たちがずっと口ずさんでた。
Måneskin
再びマリンステージへ。
そもそも僕が今年サマソニに参加したいちばんの目的はKing Gnuのライブを観ることにあった。昨年フジロックの生配信で彼らのパフォーマンスを観てああこれはハンパないバンドだぞと。その後リリースされたタイアップ曲達も全て例外なく素晴らしかったし、あれらを生で観られたらどれだけよいだろうと思ってきた。
よって、King Gnuのライブをどの位置から観るか、予想されるその時点での自分の体力を踏まえてこの数カ月ずっと考えてきた。
結果、マリンステージのスタジアム2階席中央あたりがもっともスタジアムの全体の様子を俯瞰でみられつつ彼らのパフォーマンスを直に感じられるだろうと踏んだ。当然同じ考えをする人は多くいるだろうから、僕は席確保の為KingGnuの1コマ前であるMåneskinの開演前からその位置で空席を確保し、座った。
つまりMåneskinは自分の中ではKingGnuの前座的な位置づけで観る予定だったのである。が、結果は完全に逆となってしまった。
まず会場の熱気がすごい。アリーナエリアはほぼパンパンでスタジアム席も立ち見が出来る。そしてメンバーが入ってきた時の興奮具合というか。
んんーー、公式のフォトギャラリーでは全く伝わらない。とにかく「待ってた」感「ようこそありがとう」感×数万人×大興奮みたいな状況。
そんな中でこの曲からはじまると。
冒頭のリフがめちゃかっこいい(カサビアン、ホルモンといい僕はイントロのリフがかっこいい曲が好きなのかもしれない)。これで会場大盛り上がり。僕もぜんぜん知らん曲なのに着席しつつも身体が自然と動く。
そしてこれ。めちゃ好きになったーーーー
あとで調べたら全世界でめちゃバズった曲だったんですね。ぜんぜん知らんかった…僕もおっさんになったな。これが一番盛り上がってた気がする。
僕の隣の明らかにKingGnu目当てっぽいおとなしそうなお姉さんグループもノリまくってた。
このレポートはけっこうこの時の雰囲気が伝わってくる内容だったが
曲はもちろんのことパフォーマンス、ビジュアルも含めたバンド全体のたたずまいが完全にスターだった。
King Gnu
という事で完全にMåneskinやられてしまった僕。彼らが退場してからも会場全体が興奮冷めやらぬ異様な雰囲気。
アリーナは人が多少は入れ替わったように見えたがスタンド席はパンパンで立ち見がいるのも変わらず。
で、おそらくおなじみと思われる1.Slumberland→2.飛行艇→3.Sorrowsとの展開。いやーこれが観たかったんですよ。これ観るためにここに来た。
いや、本当に良かったし未だに曲聴くたびにこの時のこと思い出してアツい気持ちになるのだけど。マネスキンを引きずってしまっている自分がいる。これはなんなのだろう。たぶん会場の雰囲気が(良し悪しでなく)全然違っている事の落差に引きずられてしまってたのかな。
マネスキンの時は本当に「興奮」という言葉が似あう異常な熱気があってKingGnuの時はそれはなかったというか。海外アーティストのライブ特有のそれ+マネスキンというバンドの特殊さだったんかなと今考えると思う。
※あくまで個人の感想です
でもそこはさすがのKingGnu。僕が個人的に大好きなBOYからの白日→Hole→カメレオン。これは彼らでないと絶対に作れない空気。雨燦々やったころには無事会場が一つに。
曲の雰囲気歌詞タイアップで使われているドラマのかんじどれとも微妙に外してきてのこの王道青春路線というのが、広がりを以て曲を捉えるのを助けてくれる(という個人的な感想)。を踏まえてライブを観られたのがよかった。
あと逆夢~一途もいい。この2曲はニコイチ感すごい(呪術廻戦にはハマれなかったおじさんですが)。逆夢はとくに生で聴くと染みたな……。
THE 1975
ここまで長々と書いてきてなんだが、結局僕の今回のサマソニの記憶はほぼ1975によって上書きされてしまった感がある。
僕にとってTHE1975はこの日までヘビーリスナーではないけど一通りアルバム聴いたくらいの微妙な位置づけのバンドであった。
なぜかというと曲名や歌詞だけみるとなんとなく陽キャでチャラいかんじがしたからである。でも曲がポップだから楽しくて聴いていた。
が、そんな感覚を吹き飛ばすくらい、とにかく彼らがカッコよすぎるのである。
このかっこよさは多少は公式フォトギャラリーを見るだけでも伝わるかもしれない。この黒スーツ黒ネクタイで、水筒にアルコール入れてきて1曲終わるごとにおちょこでグイっといってタバコ吸う(ステージ上で)。あかんかっこよすぎる。
そして曲目曲順がハンパじゃない。
なんですか、今日ベストアルバム発売記念ライブでしたっけ。完全に僕がspotifyで作った「THE1975プレイリスト」みたいな曲目曲順である。
冒頭のこの4曲で完全に心つかまれた。この2日いろんなことあってでも結局ここで頭のなか1975一色になった。
とくに1曲目これというのが(定番なのかな?)。サックスかなんかからはじまった記憶があるのだけど、冒頭の静寂から死ぬほどポップなイントロ。ほんとによかった。
KIRINJI
正直1975で完全にお腹いっぱいになってたのですが、このまま会場を出るのが名残惜しすぎたしチャリで帰宅できるしw
最後までいてやろうと考え再度ビーチステージへ。頭の中は完全に1975脳だったのですがそれをキリンジの音楽が受け入れつつ優しく解きほぐしてくれたといいますか。
これとかめっちゃよかった。夜22時過ぎで海風浴びながらビーチでこれの生演奏観るの想像したらこの良さ分かっていただけるかと。キリンジみてなかったらたぶん1975の興奮でこの日眠れなかったと思う。
海外アーティストの特別感
(完全に素人意見だが思った事なので残しておく)
サマソニ、ソニックマニアと行ってみて1つあらためて感じた事がある。それは「海外アーティストの出番は異様に盛り上がる」「国内アーティストのそれと雰囲気が全く違う」という事である。これはなぜなのだろう。
僕が思うにそれは、シンプルにパフォーマンスのレベルが高いという事もあるのかもしれないが、当該フェスに登場したという事自体が物語になるであるとか、異国のハイレベルな文化をダイレクトに浴びれであるとか、そういう「今しか聴けない」という限定感、旬であるという感覚が作用しているという事が一つと、もう一つは「はるばる異国からやってきた文化人のパフォーマンスをウェルカムな態度で出迎えたい」というサービス精神がオーディエンスに宿るからではないかと思う。
僕は今回この2つの感情、とくに後者がリナサワヤマ、マネスキン、1975のライブ中心の底から沸き上がった。
10年ほど前学生の時インドで会って話したアメリカ人旅行者が「自分は欧州中東西アジアと世界各国を旅行した経験があるが東アジアはまだない。韓国~日本を旅するのは自分の夢だ」みたいなことを言っていた。
我々日本人が欧州米国を訪れた際にそう感じる様に、これらの地域からやってきた大物アーティストもまた東アジアのこの小国にきてパフォーマンスをするのはそれなりに特別な感情になるのではないかと思う。
(アジカンの後藤さんが南米でライブをやったときやはり特別な感情になったというのをインタビューで語っていた記憶がある)
THE1975のボーカル、マーシュ・ヒーリーがこの日のライブ中に満席のスタジアムを見て「やば、なんでこんなにいっぱい人はいってんねん、おかしいやろ」「この光景はたぶん死ぬまで忘れへんわ」的な事をいってアルコールをグイっとやったのが僕としてはとても印象的だった。
リップサービスかもしれないけど、海外の大物アーティストが日本でライブをやってそんな気持ちになってくれたらなんだかこっちもうれしくなるな、という気持ちでパフォーマンスを観て何らかの形で応えると、海外アーティストのライブはより楽しくなるのだなという事を今回知れた。
最後に
個人的な話だが、今回のサマソニへの参加は久々の長いお盆休みの最後尾にあった最大のお楽しみだった。
別記事にも書いたが、自分のメンタルヘルスの観点から、仕事家事育児以外の事項に対してポジティブに脳のリソースを使っていく事が僕の直近の課題としてあった。
そこに関してだけ言っても、このお楽しみは非常に良い効果をもたらしてくれたと感じる。まる1日に近い時間、1人で行動し、頭を空っぽにして好きな音楽に没頭して、しばしばお酒を飲み、時折いろんな事を考えた。
本当にすごいものを見たりそれに浸ったりすると、それ以外の事が頭から溶け出して行く感覚を得られていった。これは今のタイミングの自分にとってとても良い事だったと思う。
あと、上記の海外アーティストのパフォーマンスの話から派生するが「異文化の人々に異文化を伝える」という営みの素晴らしさを非常に強く感じた。
これは今やっている仕事にも通ずる価値提供の形だったりすると思ったので、その尊さを感じられたのもよかった。
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