関屋記念予想

毎年この時期になると高校のクラスメイトだった関屋くんのことを思い出す。
関屋くんは野球部のエースで、高校生ながら160キロの球を投げられる逸材だった。わたしはそんな彼を美術室の窓からよく眺めていた。彼のピッチングフォームは絵になるので、わたしの美術部としての活動はもっぱら関屋くんを描くことだった。
プロ入り間違いなしと言われていた関屋くんは高2の春に肩を壊してしまい、マウンドから姿を消した。その頃からわたしも美術室へ足を運ばなくなった。
高2の夏休み、わたしは宿題を集中して終わらせるために近くの図書館へ行った。そこには物憂げな表情で本を読んでいる関屋くんがいた。一方的に絵を描いていただけのわたしを関屋くんが認識しているわけはなく、一瞬だけ目が合ったけどすぐに目を逸らされた。
わたしは勇気を出して声をかけてみた。関屋くんは元々大きい目をさらに見開いて、わたしのことをジッと見た。静かな図書館で見つめ合う関屋くんとわたし。関屋くんはスッと席を立ち、わたしに近づいてこう言った。

「関屋記念の本命は14番 ピースワンパラディ。マイルでは連対を外したことがなく、休み明けも走れるタイプ。そろそろ内側の芝が傷んでくるこの週に外枠を引けたのも良い。福永から善臣への乗り替わりも2014年安田記念のジャスタウェイを思い起こさせる。この人気で買えるのは奇跡にも近い。」

(15:50追記)
ドスローの理想的な展開で前にいたけど、先行組から唯一脱落したのは久しぶりの分なのか。残り1ハロンからの善臣のガチ追いが見れたので満足です。

(8/15 09:20追記)
善臣、騎手変更で石橋になってたの知らなかった。負傷ってなにがあったのか…。