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公園の極悪女王

朝急に散歩がしたくなって出掛けた。
Netflixで今話題の女子プロレスのダンプ松本さんを題材にした極悪女王を見たからかもしれない。
普段はあまり歩かないけどなぜか無性に歩きたくなった。

極悪女王
俳優の皆さん本当に素晴らしかった。
タッグマッチ(2対2で対戦)、シングルマッチ(1対1で対戦)、マイクパフォーマンスなどプロレスのシーンもふんだんにあり、役作りで体重を増やしたり、プロレスの練習も相当していらっしゃったという話は記事などで拝見してましたが、兎にも角にも試合のシーン無茶苦茶迫力があった。プロレス以外のシーンもそうだが実際映像を見ていると役とかではなく、その人そのものが映像に出ているドキュメンタリーのようにも感じて凄く映像に没入している自分がいた。努力、友情、困難、卑劣、葛藤、そしてその先に待ち受けていたものは…
最後はボロボロ泣いていました。
Netflix入っている方は興味あったら見てください。

そんな興奮状態を抑えるように散歩してまぁまぁの距離を歩いた。歩いた先に公園があったので一休みしようと椅子に座っていたら、マダム2人が公園に入場してきた。その直後に別方向からマダム2人が入場してきて先にいたマダム2人に近寄っていった。
極悪女王を見ていた自分は影響され過ぎたのか「タッグマッチが始まる」と思って見ていたら、まずは先に入場したマダムの1人から
「おはようございます」と話し始めマイクパフォーマンスがはじまった!

「最近寒くなってきた」
「あの店のあれ食べた?」
「そういえばあそこの家のあの人がね」
「日曜って家族の世話が増えて嫌だわ」
「忙しいったらありゃしない 大変大変」など

マイクパフォーマンスの応酬が10分ぐらい続いて、いつになったら試合が始まるんだ!とバレないように食い入るように見ていたがハッと気づた!違う違う公園に極悪女王はないと。凄く没入させてくるマイクパフォーマンスだなと思いつつ、買い物したいのもあったのでその場を離れ色々周って1時間過ぎた辺りに、またその公園に戻ったらまだそのマダム達はマイクパフォーマンスを続けていた。
時間無制限マイクパフォーマンスデスマッチだ!
自分は休憩休憩という感じで買い物したものをベンチに起きバレないように、またそのマイクパフォーマンスを見ていたら一人のマダムの携帯からアラームが鳴り始めた。
朝っぽいアラーム音だったと思うが自分にはカンカンカンというゴングに聞こえた。

「あらやだ帰らないと」
「もうこんな時間」
「日曜って家族の世話が増えて嫌だわ」
「忙しいったらありゃしない 大変大変」
などと言いながらマダム達はそれぞれ散らばって行った。
この試合はノーコンテスト(無効試合)となった。
だがあの没入感は凄かった。
公園にも極悪女王はあったのかもしれない。

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