セレンディピティ
クリスチャン・ブッシュ著、土方奈美訳の400ページ近くある本「セレンディピティ 点をつなぐ力」を1カ月以上かけて、途中挫折しながらもなんとか読み上げることができたので、その読書感想文を自分の経験と合わせて述べたいと思う。
セレンディピティとは要は「幸運を引き寄せる力」と理解した。著者の愉快な性格が垣間見える脱線的な文章もあり、かつ横文字の単語も多く、概念的で掴みどころのない内容ではあるが、確かに共感するところもある。我々は「運」を過小評価し、成果を己のスキルによるものだと過大評価しているときがあると筆者は言う。その「運」は単にツキが回ってきたものではなく、「スマートラック」つまり自ら行動することで生み出す幸運なのだという。
確かに昨年を振り返ると「キャリアに悩み、勢いで挑戦した新規事業コンペでは飲み会の席で話した内容が新しいアイデアにつながり、優勝できた」という一種のセレンディピティを体験した。これは単に「運」が良かっただけと片付けることもできるが、メンタリングをしてくれたコンサルタントの方の当日の飲みのお誘いを断らず、参加したことで今の世界線に進んだはずである。普段なら当日お誘いの飲みにはあまり参加しないが、その日の私は何かがつながるかもしれないとの直感が働いたのだ。
VUCAの時代と呼ばれ、あまりに不確実性が高い現世では敢えて細かな計画を立てず、柔軟な考え、オープンな心構えが必要だと言われる。その中で人とつながる力、ある事象と別の事柄をつなげる力、総じてセレンディピティが必要だというのはその通りだと思う。私も来年度に希望も予想もしていなかった部署へと異動になった。初めは現部署に必要ないと言われたようで少し落ち込んだが、これはこれでチャンスではないかと思えるようになった。来年度からは心機一転新しい分野への挑戦となるが、常にオープンマインドを心掛け、精進していきたい。がんばるぞー!
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