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代表交代 & 技術者集団として医療DXの基盤改革に取り組みます

代表交代のお知らせと ispec の今後

この度、ispec の代表が島野から私、谷村に交代いたしました。前任の島野は退任し、会社を離れ、私が新たに ispec の代表として舵を取ることになります。
正式な発表や挨拶については、弊社ホームページの News にてご確認いただけます。

今回の代表交代は、社内で十分な議論を重ね、社員全員の理解を得た上で進めたものであり、会社としての一体感は変わらず、さらに強化して進めていきます。

ここでは私自身の言葉で ispec のこれからについて少しお話させていただきます。
弊社 はもうすぐ創業7年を迎える会社です。私も取締役CTOである山田も創業メンバーではないため(創業メンバーと同じSFC出身ではありますが)、このタイミングで創業者がいなくなったことになり、新たな段階に進むことになりました。(学生起業から始まり、こういう経緯を辿るというのもなかなか稀有なのでは、と思っています)

これまで、受託開発を主軸に、自社プロダクトによる事業にも挑戦してきました。そして2年前からは、医療・福祉という業界に特化して、受託開発と自社事業の挑戦を続けてきました。
この1年間の試行錯誤してきた挑戦は代表交代とともに振り出しに戻ることとなったのですが、これまでに得られた技術・医療の経験や知識を礎に、次に進む方向性を社内外に示そうと思い、このノートを書きました。

簡潔に方針だけ

うわ、このnote長いかも、、あとでよもう(読まないやつ)となると思うので、先に結論だけ書くのでこれだけ見てからタブを閉じてください!笑

私たちは、「医療への願いを支える技術者集団」です。
今の医療システムの業界、特に病院においては、根本的にイノベーションが起きにくい構造になっています。
私たちはこの課題にアプローチし技術を正しく使うことで、医療システムを可能性の海に開放し、DXを長期的に加速させる基盤を創ります

医療ドメインのエキスパート、アライアンスが得意な事業開発、セキュリティ、AI、システム設計、物理環境も含めたインフラ設計が得意なエンジニアの方々、まずは一度お話しさせてください!

https://twitter.com/tanimutomo
(ぜひDMください!すぐに日程調整します!)


医療業界が抱える課題

私たちがこの数年で直面したのは、医療業界が抱える深刻な社会的課題と、デジタルトランスフォーメーション(DX)を阻む構造的な壁です。
まずは、マクロ視点での医療業界全体の課題です。
社会制度を含めた医療において、社会保障費は一般歳出の約55%であり、医療費は44兆円かかっています。それが年々増えていく。

令和6年度一般会計予算 歳出・歳入の厚生
国民医療費・対国内総生産比率の年次推移

できる限り増やさないようにしようとして医療機関側の負担は増え、しかし人手不足なので賃上げは必要と言われ、その限界とも言える状態でDXなどに投資をして業務効率化が急務、と迫られている。
これだけのお金をかけているが、病院の7割は赤字というのが我が国の医療の現状です。

医業損益の年度比較(2021年/2022年)


このままの医療提供体制が持続不可能であることは明白になりつつあります。
そこで医療DXが一つの改革の柱として、過去に類を見ない速度で進んでいるわけです。
私たちもデジタル庁が推進する「標準型電子カルテ開発事業」のプロダクトワーキンググループに参画させていただき、微力ではありますが貢献に努めています。


DXイノベーションが起きにくい業界構造と近年の変化

近年は医療系のスタートアップなども数多くあり、DXが進んでない医療機関の業務にさまざまなSaaSを提供されつつあります。

それらの企業の方々とお話をさせていただく中でわかったのは、いかに既存システムと疎結合にし、スタンドアローンでも価値が出せる状態にするか、が普及させる上で非常に重要である、ということでした。
本来は電子カルテをはじめとする病院内のシステムと連携できた方が圧倒的に便利になることはわかっているのですが、オンプレで動いている院内のシステムを提供しているベンダーにクラウドのサービスを連携してもらう、というのは非常に障壁が高く、そこに力を注いでいると拡大に非常に長い時間がかかる、ということでした。

そのため、スタンドアローンは業界の定石になっているように思いました。

しかし、誰もが認識しているように、院内で基幹システムとして動いている電子カルテや部門システムと連携できた方が、圧倒的にユーザー体験を向上させることができ、その先で提供できる価値も倍増していきます。
ですがその選択肢は医療SaaSスタートアップという形式では選択しにくい、という構造があります。

ベンダー側としても、わざわざ新興企業のクラウドサービスとの連携をコストをかけて、かつ、セキュリティの問題が騒がれている中リスクをとってやるメリットはない、というのが実態です。
それらが、技術を正しく使い、イノベーションを起こすことの大きな足枷になっています。

それによって多くの医療系SaaS企業も第2、3の矢としてのプロダクトを作り、TAMを拡大しながら成長していく、ということが簡単ではない現状もあるのかと思います。
決して誰が悪いという話をしているわけではありません。そういう構造的な課題があるということです。

しかし、2022年5月に「医療DX令和ビジョン2030」が政府から提言され、国主導で標準型電子カルテの開発や電子カルテ共有サービスなどが進められていることで、病院向けにシステムを提供しているベンダーもロックインやこれまでのオンプレ前提のシステムなどをそのままとはいかず、戦略を変えていかなければならない時期に来ています

医療DXの推進に関する工程表


既存ベンダーが抱えるジレンマ

この状況を受けても既存ベンダーがそう簡単にシステム変更をできるわけではありません。

現在病院に提供されているシステムの多くは長い場合は数十年前に設計されたもので、現在の開発メンバーで全体の設計を理解している人がほとんどいない、というケースも多いです。
それに加えて、生成AIが数年前までは画像系の医療機器に留まっていたところから、LLMの登場で文書作成やカルテ作成などさまざまなところに登場しており、これらをうまく取り入れないことには、今後生き残れないのは事実だと思います。
さらに、近年病院へのサイバー攻撃によりシステムが停止するなどの事例が後を立ちません。そのため、クラウドだとしても非常に強固なセキュリティ体制が必要になってきます。

これらを考慮した上で新たにクラウドネイティブな技術等を用いて長期で競合優位を作れるシステムを新たにリリースする、というのは非常に難易度が高く、リスクとリターンのバランスが合わない、と思っている、というのが私が話を聞く限りでわかってきました。


私たちの挑戦

私たちは医療分野のドメイン知識と、技術力を武器にこの課題にアプローチし、硬直しイノベーションが起きにくい構造になっている医療システムの業界を変革します。

セキュリティを担保しつつも開かれた医療システムを構築し、医療DXの根幹を変えることで、現場の医療従事者がより患者と向き合える時間を増やすことに貢献していきます。

単に革新的な自社製品を作って売り込むやり方では、解決に時間がかかりすぎると思っています。
病院におけるシステムの更新速度は5-10年の世界です。ITの業界においては1つの時代が過ぎ去るレベルです。

だからこそ、私たちはさまざまな医療システムのベンダーと協力して、業界全体を最速で変えていきたいと考えています。

現在は受託開発という形で電子カルテをはじめとするさまざまな医療システムの開発に携わらせていただいてますが、1件1件愚直にやっていてはそれも時間的制約に負けてしまうと思います。
そのため、今後は医療 x 技術を軸において、ビジネスモデルを多様化して事業を拡大し、医療システムの進化を加速させる計画です。
(まだ模索中なので、これからです!)

最速で医療システムを改革するための
開発プラットフォームを構想(具体化・検証中)
抽象的すぎますが、、一応


一緒に挑戦してくれる仲間を募集しています!

私たちは、「医療への願いを支える技術者集団」です。
まずは、硬直しイノベーションが起きにくい構造になっている医療システムの業界を根本から変革します。

私たちの考えに共感し、共に医療システムの根本的な改革に一緒に挑戦してくれる仲間を募集しています!

正直、ここまで様々書いてきましたが、全てここからだと思っています。そして非常に難易度の高い複雑なことをやろうとしているので、助けて欲しいです。笑

医療システムの専門知識を持つエキスパートはもちろん、システムベンダーとのアライアンスを築く事業開発のプロフェッショナルも常に募集しています。
また、医療システムにおける最高のセキュリティと使い勝手を追求し、技術革新に挑戦するエンジニアも求めています。特に、セキュリティ、設計、AI、ハードを含めたインフラに強みを持つエンジニアの方はもし少しでも興味を持っていただけたら、ぜひお話しさせてください!

弊社興味を持っていただけた方は、ぜひ下記のWatendlyから見に行っていただくか、私のXアカウントにお気軽にDM下さい!
直接カジュアル面談のリンクから私かCTOの予定を確保いただいても大丈夫です!
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