大学生が資格取得にこだわる理由
谷本英彰と申します。
大学で保健体育の教員養成に携わっています。
仕事柄、教員免許の取得を希望する学生と交流する機会が多いのですが、教員免許の取得を希望する学生は、概ね次の3パターンに分かれると感じています。
・将来、学校の先生として活躍したい
・学校の先生になるつもりはないけど、免許は取得したい
・学校の先生なるつもりだったけど諦めた。でも免許は取得したい
「将来、学校の先生として活躍したい」という学生については、特に異論はないのですが、「先生になるつもりはない」「諦めた」のに、免許を取得しようとするのは、なんでなのか?気になったので、何人かに聞いてみました。
”教える”知識や技術を身につけたい
免許を取得することが目的ではなく、取得過程で学ぶ知識や技術の取得が目的となっているようです。
素晴らしいと思いました!
ただ、この意見は比較的珍しく、多くの意見が下記3つに集約されました。
将来、先生になる可能性がゼロではない
教員免許は、大学で開講される授業の単位をルールに従って取得すれば免許取得申請が可能です(国家試験のようなものはありません)。
しかも、更新制度も廃止となったので、一生有効な資格といっても過言ではありません。
なので、もしもの時の保険として取得しておくには無難な資格といえます。
ただし、教育実習に行ったり、余分に授業を履修したりするので、それなりの時間を使います。
その時間をもっと有効に使って、学校の先生以外の 人生の選択肢を増やしてみるのもいいんじゃないかな…?と思ったりします。
免許を取得することを目的に入学したから
「教員免許を取ること」と「意地を貫くこと」が目的となっているパターンです。
もう、意地になっているので「その時間(教員免許取得に充てている時間)を使って、もっと多様な経験を・・」と促してみても、断固拒否されます。
親に言われているから
個人的に、一番不幸な気がしているパターンです。
学費などを親が払ってくれているのならば、出資者である親の意見は聞くべきだとは思いますが、やる気が無いんだったら、ちゃんと話し合ってお互いが納得する形を模索してほしいです。
おわりに
ここでは、教員免許を例に挙げましたが、他の資格についても似たような理由が考えられるのではないかと思います。
私自身は、教員の養成に携わっているので、多くの学生が学校の先生を志してくれると嬉しいですが、その志の高さというか『熱』は大切にしてほしいと思います。
先生になりたい!と思った時に資格を取得した方が、その過程での学びも濃くなるので、将来の保険として取得するのは あまり有意義ではないし、先生になりたい!と思っておらず、その過程で学ぶことにも興味が無いのであれば、他のことに時間を使った方が人生が豊かになると思います。
ただ、資格を取得する権利は学生にあるわけですし、大学も広報材料として様々な資格をアピールしているので、自分の考えで規制をかけようとするのは好ましくありません。
学生には、その資格取得後のビジョンや資格取得過程の学びについて話をしたり、共有したりしながら 自分で考えて選択できるように促す努力をしていきたいと思います!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました1