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追悼コラム「人が人を呼ぶ仙台のホルモン屋」
私の固定記事に記載してある通り、私はBGMという媒体で「宮城看板放浪記」というコラムを書いていました。
2019年7月に記事を公開した、仙台市の文化横丁にある「すみやきホルモンだるま」さんは、ベテランのお母さんがひとりで切り盛りしているホルモン屋さん。
実は先日、そのお母さんが闘病の末お亡くなりになりました。
私も闘病中は息子さんに様子を伺っており、回復に向かっているとのこと少し安心しておりました。
また、お店に伺える日が来るかも、そう思っていました。
先日亡くなった事を知り、追悼コラムを書こうと筆を取っています。
宮城看板放浪記
第十三回「だるま」を回想して
私の取材は直感勝負
私の看板探しは直感勝負で、行き当たったお店に何かを感じたらアタックして、取材していました。しかしそれは少し交渉が必要な事もあった。
だるまさんの取材当日、その日も私は数件断られたり、前日には取材に応じてくれそうだったお店に断られたりして途方に暮れていました。
だるまのお母さんは、取材の日、暖簾や看板を出して開店準備をしていました。もちろんお会いするのは初めてです。私はお母さんに、こんな記事を書いている事、取材先が決まらない事を話しました。
するとすぐに
「良ければうちを取材していいよ、さあ入って」
そんな風に声をかけていただきました。こちらが心の準備が出来ておらず、呆気にとられるまま中へ。
テキパキと開店、そして次々に入るお客さん。お母さんが答えなければ常連さんが答えてくれる。私も初めて入ったお店なのに、何故か以前から知っていたような居心地の良さです。
「私が作るものは何でも美味しい!」
そんな風におっしゃるお母さんのホルモンは絶品!
気持ちよく取材を終える事が出来ました。
原稿を読んで初めての拍手
数日後、原稿の読み合わせ。その時もお客さんがたくさんいて、
「ここでいいから読んでみて」
そんな風に声をかけてもらって、肩がぶつかるほどの狭い店内で、そして大勢のお客さんの前で緊張して読み上げた原稿。読み終えるとお客さんの拍手。
初めての経験でした。お母さんも
「可愛く描かれていて嬉しい」
そんな風におっしゃっていただけました。
とってもハッピーになる「だるま」という店名
店名の「だるま」はシンプルな名前ながらとってもハッピーが詰まっている気がした。店内に並べられた仙台の縁起物の銘品「松川だるま」がお客さんの笑顔を笑顔で見守っている、そんな気がしました。
「だるま、という文字はね、平仮名の字画がすごく縁起が良いんだって! 訪れたお客さんが、どんどん新しいお客さんを連れてくるって知り合いが考えてくれてこの名前したの。」
そう、嬉しそうにハキハキとおっしゃっていた奥さんの言葉は宝物。
仙台にお越しの際は、仙台の老舗が並ぶ文化横丁にある、ホルモン屋さん「だるま」に立ち寄られてみてください。
とっても元気をもらえるお店です。
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