風の恵みが住まいにもたらすこと
風通しの良い住まいは何故気持ちが良いと感じるのでしょうか。
人が感じる体感温度は、気温だけではなく、風速や湿度によって変化してしまう極めて曖昧なものです。ちなみに風速が1m/s増すごとに体感温度は1℃下がります。風によって汗が蒸発することによって気化熱を体表から奪うからです。
さらには、人が快適だと感じる空間の環境には湿度が大きく影響しているという事実も有ります。例えば30℃でも木陰で風さえあれば体から出る汗が蒸発してくれることによって涼しく感じます。反対に25℃であっても湿度が90%にもなれば汗が蒸発することはなくなり、体表がべたつき体温も上昇するため不快に感じます。
人は汗をかくことで体温を調節しています。一般的に、湿度が10%上下すると、体感温度が1℃上下すると言われております。
気温が高くとも、湿度が程よく、しかも風が有れば人は快適に感じます。
風の道を大切に
特に高温多湿となる日本の夏は風の道を大切にしたいものです。
風の入り口→風の通り道→風の出口
を設計することが、自然通風の基本です。
・ここでは東京を例にしますが、日本には季節風と呼ばれる季節によって変わる風の大きな流れが有ります。東京の場合ですと、夏は南東からの風です。反対に冬の風は北西からの風で、乾燥した冷たい風から住まいを守らなければなりません。
・次に考える風の道は温度差による上昇気流の発生です。一階から最上階のハイサイドライトや開閉式のトップライトに向かって流れる風です。特に住宅が密集している地域では、効果的な風の通り道になります。
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