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日本の木造住宅の構造設計について

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構造とは建物を支える骨組みのこと

現在の木造住宅では昔ながらの梁と柱を組み合わせた構造に、耐力壁と呼ばれる地震に耐えるための壁を取り入れた方法で多くの家が建てられています。特に最近では木造住宅の弱点になる接合部(梁や柱の交差するところ)へ金物を用いて接合させる方法が主流になりつつあります。この金物接合と耐力壁によって、木造の建物は固く地震に耐える様な設計を主に考えられています。

関東圏での住まいづくり

世界でも地震大国の日本において、住まい手として気になるのは100年に一度の大地震が起こった時に家が倒れずに、住み続けることができるかどうかではないでしょうか。関東圏においては関東大震災が1923年に発生してから、丁度今年で100年になりますし、これから住まいを建てるならより一層耐震には気を使った家でなくてはなりません。

そこで大切なのは、構造設計がなされた建物かどうかという事です。熊本の震災では耐力壁や柱の直下率の低さから倒壊や損傷が起こったという結果が報道などもされていますが、それは表面上の問題に過ぎないと私は思っています。直下率を上げていれば地盤まで建物からの地震力が伝わりやすくはなりますが、建物全体には大きな力の流れがあり、その力を分散させながら地盤まで伝わるように設計がなされているかどうかで、建物の耐震性が決まると考えています。

住まいづくりでの構造計算

ここで大切になってくるのは構造計算と構造設計は異なるものだという所です。構造計算でOKを出していても、実際の建物がどのように壊れるかという所までは、従来の木造住宅で行っているような計算(壁量計算)では算出しません。その建物の弱点になってくるようなところや、全体の力の流れをイメージすることはまだまだ、設計者が判断しながら検討しなければ、余計な構造費やバランスの悪い建物になってしまうことも考えられます。

吹き抜けがあるか、建物の形が複雑になっているか、一階部分に力の弱点になるような箇所がないか、スキップフロアや小屋裏の力を地盤まで伝えられる構造になっているか。挙げればキリが有りませんが、クライアントの住まいへの夢を実現しながら安全に暮らせる住まいを築かなければなりません。

また2025年にはこれまで建築士の裁量に任せられていた、耐力壁の配置による建物の安全性の確保も確認申請の対象になります。当然ですが、構造に関する知識を建築士が深く持っていなくてはいけません。

下記に最近購入した本を紹介しておきます。


[http://木造住宅の許容応力度計算 テキスト:title]

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