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青春とモラトリアム

青春って何なのか。

高校生の頃って、大人たちから
「いいねェ~!!君たち、青春してるねェ~!!!!」

とか知ったようなことを言われませんでした?

そう。たとえば文化祭の準備してる時とか。

「青春してるねェ~!!!!」って。

ありますよね!?

そんなときは「教師ども、人をバカにしやがって・・・・・・・・・・・・」ってトンカチぶん回して憤慨していた僕ですが、確かに文化祭の成功のために一生懸命だったあの頃は青春だったのかもしれません。

でも、文化祭も毎年のルーティーンになっている先生にとっては青春じゃなかったんだろうなぁ。

その先生も、始めたてはけっこう青春だった仕事が、仕組み化して青春じゃなくなっちゃったのかもしれません。それとも仕事を始めた時からずっと青春じゃなかったのかも?

そんなことを思いながら、いざ自分の身を振り返ると、目が完全に死んでいる日が多い気がする!!!

でも周りを見ると輝いている大人はいっぱいいる。そんなギャップの日々。

ふと、「こんな風に生きられたら」と思った先輩を1人思い出してしまいました。

大学時代。

友達のサークルがミュージカルを上演しました。

別にうちの大学って、演劇でプロを目指す人が集まるような所じゃなくて、劇ごとに知り合いをかき集めて役者やってもらう、みたいな突貫工事スタイルが多いんですね。

その公演も同様で、主役を演劇経験が全くない、ド素人の先輩がやっていまして。

もうね、セリフとか棒読み。

歌も、なんと言えばいいのか、・・・、先輩に対してストレートな表現はどうかと思うので遠回しに言うと、すごくヘタ。

だけど、彼は大学4年生で、今までの人生で演劇なんてやったことはなく、就職も決まっており、卒業したら2度と演劇なんてやらない。一生に一度のチャレンジのつもりで取り組んでいたそうです。

そのエネルギーが半端じゃなかった。

最初はヘタさにしか目がいかず「大丈夫かな?」って感じだったのですが、物語が進むにつれ、「力も金もない学生が革命を起こす」というストーリーも相まってか、歌も演技もどんどん情熱がこもっていき、それまでの歌がウソみたいな素晴らしいハイトーンを一番の見せ場で出してたりして、気づけば心をわしづかみにされていました。

10分前の自分さえも上回り続ける、後先省みない全力投球。圧倒的な気迫。

あとから話を聞くと、練習では音程が出ないから1オクターブ下げてやっていたのに、本番で突如1オクターブ上げて歌ったらしいんですね。(笑)

やってる側はヒヤヒヤでしょうが、逆に言えば、本番で1オクターブ上がるとかもう奇跡じゃないですか。しかもカンペキな音程で。同じことを2度はできないだろうなぁ。

そして最後、椅子に座りながら老衰で死ぬ みたいなシーンがあるんですが、2時間の怒涛の芝居を終えて、

先輩はマジで死にそうになってたんですよ。

椅子で死ぬって変すぎるから、周りの役者が「お父さん!死なないで!涙」みたいな説明ゼリフをつけるのが一般的だと思うんですが、照明が上がって、彼が椅子に座っているのを見ただけで僕は「あ…この人、ここで死ぬんだな」と思わされてしまって。いやいや、佇まいだけで全てを理解させるとか、ガラスの仮面かよ、みたいな。

激動の生涯を終えた主役と、まったくの未経験からこの2時間を走り抜けた先輩の姿が重なってもう僕は感動の嵐。

カーテンコールの拍手の中、ずっと被っていたシルクハット右手で握りしめ天を仰いで号泣する先輩の姿を見て僕も大号泣。Twitterで「良かったを言い続けるbot」と化してしまいました。


あ~


青春してるねェ~!!!!


(※もちろん主役の力だけではなく、脇役の皆さんのうますぎる演技とか神がかり的な照明演出とか中馬がイケメン役やってたりとか語るところは色々あるんですがこれ以上喋ると話がそれるので割愛します)

そのとき僕は思いました。

自分もあの先輩のように「やりきった人生だった」と思って死にたい。年を取るにつれ、守りに入って、惰性で生きるような人生は絶対嫌だ。

たぶん青春って、2度と再現できない瞬間の連続のことで、
であれば、青春=過去のものなんて思いたくない。
いつも新しいことに取り組んで、どんどん進化していきたい。それが一番人生を楽しくすると思うから。

(その結果へこたれて目が死んでいるんですが・・・!?)


そんな僕らの新曲。(すみません。宣伝でした!!!!!!!!!)


「モラトリアムは終わらない」

8月1日 ざ・えんどYouTubeチャンネルにてPV公開。


僕にとって一番の青春の象徴である、さっきのミュージカルの主題歌のフレーズを一瞬使っちゃったりもしている、そんな曲。


公開をお楽しみに。チャンネル登録してマテ!

▼ざ・えんどチャンネル


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