藤野古白句 「第三會十二人(大會)従軍送別」より15句
講談社版「子規全集 第十五巻 俳句會稿」より、明治28年2月17日に詠まれた藤野古白の俳句を選出しました。
お気に入りの句が見つかりましたら幸甚です。
「第二會八人」の次に開催された句会の句稿です。そちらもまとめていますので合わせてどうぞ。
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日付 明治二十八年二月十七日
表題 第三會十二人(大會)従軍送別
泥舟の泥に散りたる桜哉
芹つむや女四五人泥の中
山やくや塔ほの見ゆる寺の椽
海遠く野末の山の焼けに鳧
下京や藪の垣根のつくつくし
大砲の車の側のつくし哉
食ふとて取るにもあらじ土筆
飴売の虻に追はるゝ野道哉
舟底にこぼれて落し蜆哉
小雨ふる都の街を蜆うり
草花を添て贈りし蜆籠
砂掘れば掘れば鴨川の蜆哉
裏町や雨夜に戻る蜆売
管弦の平家の衆や汐干狩
草ちょぼちょぼ泥に澄みけり春の水
底本:「子規全集 第十五巻 俳句會稿」講談社
発行:昭和52年(1977年)7月18日