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最終章・みんなで古里、心のフルサト

 こんにちは、TANIです。今回は2022/10/22〜10/23に行われた自然環境リテラシー学海回についてお話ししたいと思います。日にちを見て気がついた方もいらっしゃるかもしれませんが、二木島の感動覚めやらぬ中6日、連闘でございます。タイトルにもあります通り、今回が実習としては最終回です。また、鳥羽回と同じく、1日目が「みえアウトドアヤングサポーター育成事業」として実施されました。最後の実施場所は紀北町古里海水浴場。海岸から小島を望むことができ、夏は海水浴客で賑わう海水浴場です。最近では、地球温暖化の影響なのかサンゴや熱帯魚を見ることもできるそうです。それでは1日目から見ていきましょう!

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1日目〜プロメテウスを探して〜

 まず、古里海水浴場への道のりを紹介したいと思います。電車を松阪駅で下車しまして、そこから路線バスで1本!すごく行きやすい!おいおいおい、松阪から紀北って遠いだろ、路線バスなんかねーよ、あるんだな、それが。三重交通松阪熊野線。松阪駅から熊野市を結ぶ運行距離本州2位の長距離路線バス。高速バスみたいなのが来ると思ったら普通の路線バスが来てビックリ、座れてよかった〜

 バスが出て束の間、TANIはもう1つの懸念事項に思考を巡らせます。なんと、マリンブーツを忘れた。最後の最後に「慣れ」の良くない部分が出てしまいました。しばらくバスに揺られていると道の駅「奥伊勢おおだい」で休憩とのアナウンスが、しかもそれなりにお店がある。これはチャンス。日用品店に駆け込み手頃な靴を購入。これでなんとかやれそう。ありがとう道の駅「奥伊勢おおだい」

!感謝のリンク掲載です!

 大台から何山越えたかわからないくらい山道を走り、リアス海岸の海岸線を走ると古里海水浴場の文字が、最寄りのバス停で下車し、民宿が立ち並ぶ道を抜けると海岸へ。荷物を置いて昼食と着替えを済ませてカヤックの置いてある砂浜へ向かうと一際大きなカヤックが、なんと4人乗りらしいです。結論から言いますと乗れずじまいでしたが乗っている人たちはとても楽しそうでした、乗りたかったなぁ

やまみち
年季を感じる看板
4人乗りとは恐れ入ったね

 ミーティングで伝達されたプランではカヤックで漕ぎ出して海岸で薪を拾い、古里海水浴場に戻って焚き火をするとのことでした。移動や技術向上以外を主目的としてカヤックを漕ぐのは初めてのことで、最終回にしてカヤックが目的から手段になったのかなとグッとくるものがありました。また、三重県庁の職員の方からみえヤングサポーター育成事業としての今回の目的について説明があり、海での安全管理、危機管理、災害発生時の対処、復旧について学ぶというテーマが設けられました。頑張るぞ〜
 勿論、カヤックは鳥羽で手にした瞬発力と的矢湾で手にした持続力を存分に発揮することができ、改めて実感。

県からの期待も実感

 目的地の海岸に到着して、みんな思い思いに薪を拾います。乾いているものを選ぶこと、濡らさずにカヤックに載せて帰って来られるものを選ぶこと、この2つを念頭に置いて巻きを拾うことができました。

 そろそろ帰ろうとみんなが集まりかけたところで新たな発見が。ウミガメの産卵跡が残されていて、卵の殻が散乱していました。ウミガメの産卵なんてテレビの世界だったTANIにとってとても貴重な体験になりました。♪ウミガメ産卵!殻散乱!俺感嘆!♪

着火剤になる松ぼっくり
新たなウミガメの息吹

 古里海水浴場に戻り、テントを張ってひと段落したら次はロープワークが始まりました。今回教わった結び方は片手のもやい結び自在結び、なかなか1回のレクチャーで定着させるのは難しくいきなりやれと言われたらできませんが、レクチャーの間に一度はできるようになりました(汗)

!もやい結びと自在結び!

縛られる人たち

 さて、ここからが1日目の山場、火おこしです。各自ファイヤスターター(火打ち石と着火剤のマグネシウムが組み合わさったもの)が配布され、グループに分かれて火を起こし、焚き火をつくります。

 以前サバイバル番組(ベア・グリルスさん出演の『MAN vs WILD』ですね)を見るのにハマっていたこともあり、おがくずや繊維のようなものに火をつけてそれを次第に燃やすものを変えながら大きくしていく…という手順は理解していましたが、火がつかないつかない、奇跡的についてもコチラの願いに反してすぐ消えてしまう。求ム、プロメテウス。天界より火をもたらしたまえ。いとも簡単に点火させて焚き火にするベアさんは偉大。実際にやってみるって大事ですね。今日のプロメテウスは学生スタッフの方でした。人類が初めて火を起こした時のこと、その感動が悠久の時を経て現代で追体験される…想いが壮大になっていく、これも大自然の力でしょうか。

プロメテウスは誰だ⁉︎
心に平穏をもたらす「火」

 火が安定してきたら今度は夕食、グループのメンバーで材料をシェアして鍋を作りました。焚き火で煤が付いて鍋が真っ黒になりました。その後家で使ってみたら火の通りがよくなりました。それから今回、初めてご飯をメスティンでうまく炊くことが出来ました。的矢湾では炊く必要がなかったし、二木島では忘れて主食:魚状態だったからね、しょうがないね。

共有写真なので自分のものではありませんが…

 食後は星を眺めました。季節も秋から冬へ、空気も澄んできているのかとても星が綺麗でした。

キセキの1枚

 夜は初めてシュラフを使いました。シュラフ自体は二木島に行く時にそろそろ必要になるからと言われて準備していたのですが、二木島は天候に恵まれて使わずに済んでいたのです。暖かかった〜

2日目〜ありがとう三重の海〜

 2日目の朝も穏やかで心地よい。朝ごはんは味噌汁とお餅。お餅を焚き火で焼いて味噌汁に浮かべて食べる。これがなかなか美味い。

 朝食を済ませた後はカヤックに荷物を積み込んで…その前に、アルガフォレストの柴田さん(柴田さんについてはみえアウトドアヤングサポーター育成事業と同じく鳥羽回をチェックして下さい!)からカヤックを漕いでいる時に役に立つアイテムや、災害が起こった時に対処する方法についてお話しを聞くことができました。中でも印象に残ったアイテムはライトで、夜にカヤックを漕ぐことになった時に周りの船に自分たちの存在を知らせるために用います。また、カヤックを漕いでいる時に地震が起こった場合、岸に上がるか、水深のある沖に逃げるかを判断しなくてはいけないので、どれぐらい漕げば十分水深のある場所まで辿り着けるかを把握しておくことが大切だという話はとても勉強になりました。こういう事態を自分で想定出来るようになって初めて一人前ですね。

 さて、しっかりと安全意識を高めたところでラストライドへ出発します。今日は古里海水浴場周辺の島を巡って海岸に上陸して昼ごはんを食べて古里海水浴場に戻るコース。サンゴの生えている島や、砂州で2つの島が繋がった島、釣りのポイントになっている島…カヤックならではの水面に近い目線で個性豊かな島を眺めながら、時には磯が入り組んで流れのある浅瀬をカヤックを巧みに操りながらスルスルと抜けたり…カヤックツーリングの楽しさが大分分かってきた気がします。昼食を食べた海岸には神社があり、みんなで参拝。移動手段がカヤックの参拝なんでもちろん人生で初めてです。

サンゴと熱帯魚?
水面に近い目線
海岸で昼休み
神様もオッタマゲ?海からの参拝者


 昼ごはんを食べた後は、古里へ戻って…ん?出艇早々、盛り上がってる一団が、なんか、死にかけのウツボを掴み取りしてる人がいる😱凄い

帰りに少し寄り道をして、狭い水路を抜けました。水路は浅くなっていて流れも速そうでしたがしっかりとカヤックをコントロールして真ん中を抜けてくることが出来ました。最後の最後で改めて自信を深めることができました。

真ん中奥のすき間を通りました

 古里海水浴場に戻ってきてからは集合写真を撮ってから最後の片付けをして最後の1分間スピーチをしました。1分間スピーチでは島の複雑な水路を漕ぎ切ったことでカヤックを漕ぐことへの自信を深めることができたことと、神社を参拝したり、星を見たり、ウツボを観察したり、楽しいことを誰かと共有することで楽しさは増えていくし、他人の「楽しい」に乗っかっていくことで自分の楽しみも増えていく、そのようなことを話したと記憶しています。
 ここからそのまままとめに入っていきますが、今回の実習は今までで1番、「楽しかった」実習でした。中学、高校でも海に出ることはあり、楽しみましたが、過去の事故の教訓などから、常に「安全に」という言葉を暗唱しながら取り組んでいるような、終わってみるとそんなイメージももってしまっていました。そんな気持ちを引きずりながら参加し、カヤックの漕ぎ方やレスキューの方法を学びながらの河芸回と鳥羽回は「授業だから」とイマイチ楽しみきれてないところがありました。そこから的矢湾回でカヤックのコツを掴み、星空の下で他愛もない話をし、二木島回では自然豊かな漁村で海の幸を堪能し、その未来について語り合い、今回古里では楽しかったという感想が最初に出てきました。勉強って楽しいところから始まって詳しく深めていくはずなのに、逆の方向へ向かっていって、そのはずなのに学びは深まっていってる…自然環境リテラシー学はTANIにとってそんな不思議な授業でした。

 最後に、僕に自然の本当の楽しみ方を思い出させてくれた授業を用意してくださった先生方、学生スタッフの方、三重県庁の方、外部から駆けつけてくれた講師の皆さん、各回の実施場所を管理されている皆さん、時間を共有してくれた受講生のみんな、ここまで付き合っていただいた読者の皆さん!三重の海!本当にありがとうございます!最高の時間でしたこれからの人生で何度も思い出して僕を奮い立たせてくれる、そんな心のフルサトになる体験になったと思います!

みんなありがとう!

発表会が残ってるらしいのでまだサヨナラは言いません(笑)

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