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電子書籍の監修者になって       ~はじめての挑戦~      


2023年11月8日。人生初となる監修書籍を出版しました。
この書籍は自身3作目。出版社を通さない自己出版としては2作目です。

本作は、わたしが企画監修を担当。執筆は公募した複数のライターさんにお願いするオムニバス形式をとりました。




はじめに

「定年ライターシリーズ」2作目となる本作は、第1作『時間に縛られない自分らしい稼ぎかた』の続編です。前作を読んで、無事に新人ライターとしてデビューした読者を想定し「彼らがぶつかる壁をどう乗り越えていくか」というテーマで執筆しました。

内容自体は「定年ライターシリーズ」の計画当初から考えていたものですが、大きく変わった点があります。それは自身で執筆するのではなく「監修者として出版する」ということ。

今回、本作の企画から出版にいたるまでの記録をまとめましたので、電子書籍の監修に興味があるかたは読んでみてください。出版のヒントが見つかるかもしれません。

企画立案で行き詰まる

今回の案を思いついたきっかけは「前作の続編を自分自身が執筆するための経験が不足している」と感じたことでした。

これから足場を固めていく新人ライターが読む本を、中途半端な知見で書くわけにはいきません。そこで思い至ったのが「本作品の執筆に見合う知識と経験があるライターさんの協力を得る」アイデアでした。

まず企画したのが、クラウドソーシング、直営業、所属コミュニティの紹介といった、ライター案件の依頼経路別に構成する案。しかし、どうも上手くまとまらず行き詰まり……。

そこでフリーランスWebライターとして活躍されている七瀬ユウ先生に相談。ユウ先生からは「切り口を変えて、ライターの種別で構成したほうが面白いのでは」とのアドバイスをいただきました。

まさに目からウロコ。このアドバイスがヒントになり、本作品のベースができあがったのです。

取り上げたテーマは次のとおりです。

・取材系ライター
・シナリオライター
・副業ライター
・校正校閲者
・薬機法ライター
・特化型ライター
・SEOライター

わたしは確信しました。各分野で活躍するライターさんに執筆していただければ「必ず素晴らしい作品ができあがる」と。

執筆メンバー募集

初めに37名の候補者を選びました。もともと自分が知っている人、電子書籍の作者、X(旧Twitter)から候補者をリサーチ。最終的に10名に絞り込み、直接コンタクトをとりました。

候補者の皆さんは多忙をきわめる方ばかり。たとえ依頼しても門前払いだろうと予想していました。

「はたして自分が声をかけて、執筆してくださる方はいるだろうか」
「もし全員から断られたらどうしよう」

いちど悩みだすとつぎつぎに不安がわきあがってきます……。

しかし「案ずるより産むがやすし」とはよく言ったもの。大変うれしい誤算で、予想に反し、みなさん真剣に話を聞いてくださったのです。

もちろんこれは、自分だけの力でできたのではありません。Webコピーライターの権威、野口真代先生のロードマップに従って企画したものであり、先生と「ものかき大学校(通称:ものがく)」の後ろ盾があってこそ。改めて、つながりの大切さを感じました。

さて、最終的に参加いただけることになったのは次の6名です。

・水上ゆかりさん
・TAYUHATAさん
・かとうあゆりさん
・もなかさん
・ノーンさん
・青海ゆうさん

他の仕事との兼ね合いで、今回は調整がつかないライターさんもいらっしゃいましたが、改めて、この場をお借りして、かかわってくださった全員に御礼申し上げたいと思います。

執筆開始とディレクション

執筆者が決まったら、まず打ち合わせ。

最初に基本的なレギュレーションをまとめ、個別にZoomで打ち合わせをしました。今回、1人あたりの執筆量は約3千文字。この文章量であれば、通常、打ち合わせは行いません。時間をかけても採算がとれないからです。

しかし、ここでも皆さん本作の主旨を理解され、こころよく応じてくださいました。打ち合わせは想像以上に真剣な意見交換の場となり、皆さんの姿勢と心意気に胸が熱くなるばかり。

画面を通して、お一人お一人の思いや信念だけでなく、日常の素顔も垣間見えました。オンラインとはいえ、直接の会話はとても有意義ですね。

さらにありがたいことに、ライターの皆さんから「顔合わせのミーティングはいつやるんですか?」「せっかくこれだけのメンバーがそろったんだからやりましょうよ」との声も。あきらめていた念願の顔合わせまで実現し、メンバー同士の距離感もグッと縮まったのです。

執筆中のドラマ

さぁ、執筆開始です。
通常であれば、監修者はライターさんの納品を待つのみでしょう。しかし勢揃いしたプロのみなさん。「いかに読者に納得感を与えられるか」といった視点でさまざまな疑問や提案の声があがりました。

たとえば「一人」と「ひとり」の表記方法。本来であれば同じ本のなかで統一すべきだとは思います。ところがことはそう簡単ではありません。ライターさんの作風や内容、そのことばへの思いによって「漢字でなければならない」「どうしてもひらがなにしたい」と意見が分かれてしまったのです。

割り切るところは割り切り時間を優先したいところ、細部までこだわってくださるみなさん。その姿勢には、本当に頭が下がる思いでした。それだけ新人ライターへの思いがあふれていたのですね。

結局、章(作者)によって表記を分けることが決定しました。しかし今度は校正担当者から「それはおかしい」と指摘が入ります。わたしも説明に追われ、右往左往することになりました。

このように一見ささいに見えることでも、製作の舞台裏にはたくさんのドラマがあるのです。

初のペーパーバックに挑戦

そんな数々のドラマを経験し、いよいよすべての原稿がそろいました。無事に出版申請も完了。このまま電子書籍が出版されれば「一件落着!」となりますが……今回はここで終わりではありません。

というのも、初の「ペーパーバック(紙の本)」にも挑戦してみたのです。

「本当に上手くできるだろうか」と期待と不安でドキドキでした。しかし心配は無用。なぜなら今回の「クリエイトチーム」には、ペーパーバッククリエイターの「ことさん」がいたからです。

本来クリエイターさんの役割は、完成原稿と表紙をペーパーバック用にPDF化するだけ。ところが、ことさんは手続きの方法から失敗しないためのアドバイスまで、実にきめ細かくレクチャーしてくださいました。

・QRコードは正確に読み込まれるか
・仕上げの色はおかしくないか
・印刷ずれはないか

ひとつひとつ念入りに確認しながらすすめていく、ことさん。その様子はまさに「ペーパーバック職人」そのものでした。

こうして初めてのペーパーバック出版申請が完了。早速、自分用の注文をしたのですが……まぁ届くまでの時間の長く感じられること。実際はわずか1日ほどでしたが、ドキドキ、ソワソワ。他のことが手につかないほどでした。


そしてプロモーション

さぁ、ついに出版の工程です。
大勢の皆さんの協力を得てつくりあげた大作。万全を期してリリースしなければなりません。

改めて、今回かかわってくださった皆さんを紹介すると……
・執筆:6名のライターさん
・クリエイター:3名(まめさん、むぎさん、ことさん)
・アドバイザー:2名(七瀬ユウ先生、なつめももこ先生)
そうそうたる顔ぶれです。

自分ひとりの作品であればセールスもそこまで気を使いませんが、今回はここでつまずくわけにいきません。

そんなことを考えていたときでした。またしても、うれしい大ハプニング! プロモーション最大の目玉企画ができあがったのです。

それは「ライティングカレッジ(通称:ライカレ)」の大先輩である"マリコねーさん"のスペースへの出演。発売日である11月8日に、執筆されたライターさんたちとともに出演することが決定しました。

執筆メンバーのひとりである青海ゆうさんが、旧知の仲であるマリコねーさんにお願いしてくださり実現したこの企画。通常ランチタイムに放送している番組ですが、なんと!特番として夜9:00からのゴールデンタイムに放送していただけることになりました! マリコねーさんの粋な計らい。もう感謝しかありません。

さて、本作の売れ行きは……20部門で第1位を獲得!

前作の39部門には及ばなかったものの、売上自体は前作を大きく上回る好成績となりました。これも読者の皆さんに購入、ダウンロードしていただいたおかげです。

終わりに

チームで1冊の本を製作するのは、本当にやりがいのある仕事です。もちろん執筆者と監修者では大きく立場が変わり、苦労も少なからずあるでしょう。

しかし監修者として身に着けられるスキルや経験、ひととのネットワーク。これは何よりも大きな価値があります。1冊の本を通して得られるものは、決して目に見えるものだけではないのです。

わたしも本作を通じて、かけがえのないものを手に入れました。ライターさん、クリエイターさんをはじめ、アドバイザーや製作・出版にご協力いただいたすべての皆さんに感謝するとともに、今回得たものを次につなげていきたいと思っています。

あなたも監修者になって、このやりがいを感じてみませんか。

~ご協力いただいた皆さん~

【執筆チーム】
・水上ゆかりさん(取材系ライター)https://twitter.com/mizukami05
・TAYUHATAさん(シナリオライター)https://twitter.com/TAYUHATA2020
・かとうあゆりさん(医療系特化型ライターhttps://twitter.com/ayuri_writer
・もなかさん(副業葬祭系特化型ライターhttps://twitter.com/monakas1228
・ノーンさん(校正士)https://twitter.com/WriterNone
・青海ゆうさん(専業Webライター)https://twitter.com/yonyunyeen

【クリエイトチーム】
・まめさん
☆(イラスト・表紙デザイン・epub・A+)https://twitter.com/mame55trip
☆(ココナラ)https://coconala.com/services/2363769
・むぎさん(章扉デザイン)https://twitter.com/mugi_create
・ことさん
☆(ペーパーバック)https://twitter.com/nekonohiraki315
☆ココナラ:https://coconala.com/users/2241241

【アドバイザー】
・七瀬ユウ先生(ものかき大学講師)https://twitter.com/nanayu_writer
・なつめももこ先生(ものかき大学講師)https://twitter.com/natsume_momoko

 皆さん、ありがとうございました。

本記事はWebライター・小夏さん@konatsu_40がリライトしました


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