見出し画像

何故宇宙

アルバム一枚、二枚
部屋で聞いててもわからないだろう。
自分の中でそんなアーティストがいくつかいる。GRATEFUL DEAD、FRANK ZAPPA、SUN RA。そしてGEORGE CLINTON率いるFUNKADELICやPARLIAMENT、BOOTSY COLLINS等の総称でもあるP-FUNKがまさにそれである。

その中でもP-FUNKはまだいわゆる名盤とされる作品が多いのと後世への影響の濃さからも学生の頃より入りやすく聞き続けている。でも全貌を知ろうとおもうほど、なにも知れてない気がする。 レアグルーヴとして触れた『One Nation Under A Groove』俺にはしっくりこなかった。

とくにGRATEFUL DEADとP-FUNKはライブの時間が長尺なことでも有名。「作品」であると同時に「体験」としての音楽が彼等の活動にあるのだろう。それは「価値観」にも繋がる。そしてP-FUNKのその価値観は、宇宙へと繋がる。
76年のPARLIAMENTのアルバム『Mothership Connection』その表ジャケットではジョージクリントンはUFOから大股ひらいて飛び乗っている。でも裏ジャケットではそのUFOは惑星ではなくストリートの裏通りに着陸している。ジョージクリントンは地球に降り立っている(※)。EW&Fや土星からくるSUN RAともまた違う宇宙感。差別の歴史からも地球に居場所がない黒人の心情は、宇宙へと飛び立たせるのか、しかし戻るべく場所もまた地球。辛い現実だからこそ妄想をみる
"Fantasy is Reality"
ジョージクリントンはそう歌い、叫ぶ。
ダークマター、宇宙を構成する成分のうち観測不可能な物質を指すという、そこにFUNKがあるのか。Black Lives Matter等差別が止まらぬ現代でもP-FUNKが生き続き有効なのは必然かもしれない。

丁度来日したこのタイミングでタングルで特集をやりたい。長い時間かけてP-FUNKを聞こう体験しよう。でもP-FUNK詳しい人によるP-FUNK好きな人の時間では意味がない。愛好会も素敵だが、それは他であればいい。今の音楽、今のシーンの中でどのようにP-FUNKが鳴るかそれをタングルではやりたい。
その意味で先月の「ブルースとアンビエント」に続く企画が「P-FUNKと宇宙」である。
今回いっしょにやるDJは、TYO GQOMのmitokonさんをお呼びしました。現代のアフリカのダンスミュージックをプレイしている彼女にP-FUNKを存分に鳴らしてもらいたいとおもいます。彼女の参加に心より感謝致します、この企画が成り立ちます。私Tangle店主マイケルは、P-FUNKもちろんあと可能な限り宇宙的脱線を繰り返したいとおもっています。たとえば

SUN RA
JIMI HENDRIX
SLY & THE FAMILY STONE
MILES DAVIS
FRANK ZAPPA
PRINCE
CARL CRAIG
RAS G
FLYING LOTUS
THUNDERCAT
CHILDISH GAMBINO
KENDRICK LAMAR
ANGEL BAT DAWID
MOOR MOTHER...

いろんなダークマターを散りばめmitokonさんといっしょに道玄坂に小宇宙をしっかりつくりあげたいとおもいます。金曜日の夜に心よりお待ちしております。来てくれるあなたに、なにかひとつ大きな違和感と興奮を必ず持って帰ってもらえますように。

最後に、
黒人だけに問わず数多のアーティストが音と思想を飛ばす宇宙。
何故宇宙か、
加速するためには全部わかりたくなんかないんだろうと俺はおもう。 
ファンタジーはリアリティ。

渋谷Tangle
マイケル

※この指摘は、レコードコレクターズ1989年8月号P-FUNK特集の高橋健太郎氏の『Mothership Connection』アルバムレビューより。

09/27 Fri.
A PARLIAFUNKADELICMENT THANG
『Pファンクと宇宙』
19:00~24:00
渋谷Tangle
CHARGE:¥1,500(w1D)
※パーティ終了後は、深夜まで通常営業となります。
DJ:
Mitokon(TYO GQOM)
Michael(Tangle)
Bar:
mio、Sio

渋谷Tangle - Music bar & Floor
shibuyatangle.com




いいなと思ったら応援しよう!