パリ花留学のススメ vol.3
1ヶ月のパリ滞在。
当時は、憧れた土地で暮らすことができた自分に若干酔っていたので(笑)ただ楽しく充実した日々を過ごせたことにひとり満足していましたが、時が経ち、この幸せな体験は私だけの思い出に留めず、きっとシェアした方が誰かにとっては参考になるものではないかと思い至ったので書くことにしました。
今回の記事では、当時の記憶を遡り、「なぜ私がパリ花留学を勧めるのか?」について理由をまとめてみました。
パリで過ごした体験談は、別の記事でいろいろとご紹介していきますので、今回はパリ花留学を経て私自身が人生観の見直しをしたことや価値観視点での変化についてお話ししたいと思います。
私がパリ花留学でしたかったこと
パリスタイル(フラワーデザイン)を習得
パリで暮らすこと
フランス人との交流
フランスの芸術や文化に触れること
おそらく大まかには、この4つに絞られると思います。
フラワーデザインに関しては「スキルの向上」を求め、他には「体験」を通して日本では感じられない「刺激」や「変化」を求めていたのでしょう。
当時、現状に満足していなくて、変わらなきゃと不安や焦りも感じていました。
結局そういった環境に身を置いているのも自分が無意識に選んでいる状況なので誰のせいでもないのですが、私自身抱えていた悩みがあり環境を変えることで何か変わるんじゃないかと期待していたんだと思います。
考え方はとても子供っぽいですが、偶然にも行動してみたことで貴重な経験ができたし、時間はかかりましたが今こうして語ることができるようになり、それは本当に良かったです。
もし、これからパリで花留学をしてみたいと思っている人がいるのなら、必ず事前にパリに行く目的や何を得たいと思っているのかを明確にして準備しておくことをおすすめします。
私の場合、目的ははっきりしていましたが、その先にある将来のビジョンや夢をしっかり描けていなかったので、ここに辿り着くまでにだいぶ遠回りしてしまいました。
人にはそれぞれ、その人のタイミングや転機のようなものがあるのかもしれませんが、自らそれらを引き寄せることは出来ると私は思います。
花留学は何のためにするのか?
そして、その先にある未来の自分はどうなりたいのか?
それらがより明確で言語化できる人ほど何でも現実化させていきます。
花留学を「きっかけ」にするのか「人生の目的のための通過点」にするのかは人それぞれです。
「成長すること」や「経験を積むこと」など何に価値を感じるかも人それぞれなので、自分の本心にフォーカスすることを何よりも大切にしてください。
ただ、価値観もその時の心情や状況、さまざまな経験を通して変化していくものなので私はこうだと決めつけず、柔軟に捉えていきましょう。
留学したいと思っているくらいだから、旅行者よりは何らかの思いがきっと強いはずです。
私がパリ花留学で経験したことから得た気づきや学び
フラワーレッスンをたくさん受けて、スキルの習得と心の在り方(力を抜くことの大切さ)を学んだ。いかに固定概念に囚われていたかを思い知った。
美術館・教会・街巡りをして、フランスの歴史や文化にたくさん触れることが出来た。美的センスを養った。
海外での一人暮らしをして、言葉が通じない人とのコミュニケーションに苦戦しながらも楽しむことが出来た。フランス人の暮らしぶりに触れることが出来て自分らしく生きることの大切さに気づいた。
蚤の市でアンティーク探しをして、ものを長く大切に使うことの本質を知ることができて、サステナブルへの理解が深まった。
趣味のカメラを堪能して、自分の好きなものが何かをフィルターを通して改めて知ることが出来た。表現の幅が広がった。
私はこれらの経験から気づきや学びを得て、自分が本当に心から求めていたものを見出すことができました。
それは留学してから何年も後、確信したのはわりと最近のことです。
時間がかかってしまった原因は、もしかしたらこうして自分の経験を事実と感情を切り離してアウトプットできていなかったからかもしれません。
以前は、仕事をする自分にしか価値を見出せていなかったので、人生を楽しむという視点では全くフォーカスしていませんでした。そこに人生の目的が他にあったにも関わらず当時は見えていなかった、気づけなかったということに今気づけたことが私にとっては価値があることだと思っていますが、もう少し早く気づきたかったなと実は後悔もしています。
花留学をする目的が、「フローリストになるために」であったとしてもフローリストになってその先の人生をどう生きていきたいのか、目的の先にある夢や願望は本人にしか分からないし、向き合おうとしなければ見つけることもできません。
まずはやってみようと行動すること、今を丁寧に生きることも大事ですが、私のように将来について迷いやすい人は未来のビジョンを明確に持っておくことがやはり大切なのかなと思います。
花留学の経験から何を学び、何を得るのかは本人次第なので、ぜひ楽しみながら自分の人生に集中していきましょう^^
私が帰国後にしたこと、変化したこと
余談になりますが、私が帰国後に感じたことやその後の仕事の変化についてお話しさせてください。
まず、空港に着いて無事に帰ってきた安堵感とともにすぐに変化が訪れました。それは、日本人が全員一緒に見えすぎて気持ち悪さを感じたのです。家に帰ると部屋には要らないものが溢れすぎていることに居心地の悪さを感じ、すぐに断捨離を試みました。
いかにパリでの暮らしが、自由でかつミニマルなのに心が豊かだったかを痛感しました。
また花仕事においては、ガチガチにとらわれていた固定概念が取っ払われ、独自性を持った表現で良いんだと自分を認めてあげられるようになっていたので、パリで学んだシャンペトルスタイルを自分なりの表現に落とし込みながら、写真と組み合わせたフラワーレッスンを開催したり、創作料理を手がける友人にケータリングをお願いして、花と料理とテーブルスタイリングを組み合わせたワークショップやイベントを企画したりと独創的な手法で、どちらかというとクリエイティブな活動にエネルギーを注いでいました。
個性的で自己主張がはっきりしているフランス人に良い刺激を受けたことで、独自のスタイルを確立することに価値を感じるようになっていたのだと思います。
こんな人はパリ花留学に向いている
あくまで主観的な意見なので、参考程度に。
フランスの芸術や文化に触れてみたい人
個性を大切に生きたいと感じている人
パリの暮らし(ファッション、食文化、住まい)に興味がある人
パリに憧れのフラワーデザイナーがいる
さいごに
私自身は、腕を磨くことばかりにずっとフォーカスしていましたが、そのスキルを活かしてどうビジネスをするのかも学ぶ必要があったと今では感じています。
花留学して7年経ちますが、あの頃から時代は変化し多様性な生き方がしやすくなりました。そんな今、フラワーデザインのスキルやパリでの経験は、自分が花仕事をするためだけに使うのではなく、そのスキルや経験を活かして社会に役立てることをしていきたい・・・と、そういう視点に変化しました。今後は、フランスに関わる仕事がもっとしたいと思っているので、今フランス語を学び直しているところです。
私がパリ花留学をすすめる理由は、やっぱり「パリが好きだから」です。
個性であったり、美的感覚やアーティシズムを育てるのには良い影響を与えてくれる環境だと私は思いますし、そういったたくさんの価値を感じているから本気でおすすめします(笑)
まだまだこれからもパリの魅力をお伝えしていきますので、今後の記事も楽しみにしていてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。