伝えるということ
人間の唯一と言っても過言ではない武器が「伝える」ということだと思う。
日常の会話からビジネスでの会話、広告にプレゼン。
書籍、テレビ、映画、youtube。また絵画や音楽なども伝えるということだと思う。
これは全部、誰かが誰かに何かを伝えるという行為になる。
伝えるために勉強をして言語能力を磨き色んな物をみて感性を磨く。
絵画や音楽について筆者は門外漢なので、今回は横に置くことにして会話にフォーカスした内容を書こうと思う。
普段筆者が指導する中には伝え方という項目が多分に含まれる。
「伝え方」と「話し方」は別の事柄として分けて考える必要がある。
「話し方」とは技術で本質ではない。
「伝える」というのは自分が言いたいこと。意味やニュアンスまで含めて相手に届けるという行為だ。
ここを誤解して話し方講座に通うなどという的外れな行動に出る人もいるが、それは勘違いで、伝えるというのは技術ではなく、意思を相手に届けるという行為になる。
そこに技術があれば、なお良いが無くても用は足りることが多い。
筆者が指導していて思うのは「伝え方」が下手な人の共通した特徴は、相手に「察して」もらおうとするということ。
まずは察してもらうのではなく、全力で伝えることが大事なのに。
察してもらおうというのは、自分の意思が込められていない。
わかってくれるだろうという勝手な思い込みがベースにあり、それを察してくれなかったら相手が悪いような気持ちになる人が多い。
まずは全力で伝える努力をするのが最低限の礼儀ではないかと思う。
その全力の中には、相手の知識レベルに合わせた語彙にするということも含まれる。
小学生に伝えるのに難しい言葉を列挙したり英語が使えない人に英語で説明したり。
これは言いたいことを言っているだけで、相手に伝えようとする行為ではない。
筆者は現在は以前パソコンのサポートなどをやっていて、年配の方への話し方は苦労した覚えがある。
なんでトラブルが起きているかを伝えるために「正しいことを話す」ではなく「伝わるように話す」を意識して話をしていたからだ。
そのためには専門用語を使わず、名詞といえど業界人しか使わず一般に浸透していない言葉は避けてきた。そのために100点の説明にならないこともあるが、あらかじめお客様には100%正しい表現ではないですが、概要をおお掴みしていただくために雰囲気で話をしますね。などと前置きをして話をしたものだ。
当時の同業者は名詞だからといって「正しく」話をしてお客様を怒らせている姿を頻繁に見かけたものだ。
言いたいことを言うのではなく、言いたいことを相手に伝えようと思って話をするだけで、コミュニーションの質が上がると思うので、自分の言いたいことが相手に伝わらないと思って悩んでいる方は、ぜひ「伝える」を意識して話をしてほしい。きっと何かが変わってくるから。