魔道具専門店ウィッチ(ローテFOH期ア前)
はじめに
このnoteはローテFOH期アディショナル前にグラマス0を達成した際に使っていた、魔道具専門店ウィッチの解説記事です。
採用カードについての解説はもちろん、デッキの基本的な回し方や特定のクラスへの対策など、思いつく限りのことをまとめてあります。
7/16追記:誤字脱字の修正とわかりづらい部分の文章に補足or表現の変更
デッキの採用カードについて
キーカード
この項目ではこのデッキのキーカードについて解説します。
・魔道具専門店
「カードをプレイするたびに相手のフォロワーか相手リーダーに2ダメージを与える」、さらに「自分のデッキにフォロワーがいない場合はカードをプレイするたびにPPを1回復する」という効果を自分リーダーに付与するアミュレットです。
フォロワーが自分のデッキにいない状態でこのカードが場に存在する場合、1コストのカードは実質消費PP0、0コストのカードであればプレイするとPPが1回復するようになります。
これを利用し、7ターン目にこのカードをプレイした後に0コストのカードをプレイしてPPを1回復、そのまま1コスト以下のカードを連打することでプレイ数を稼ぎ、相手のリーダーの体力を1ターンで0にするという、7ターン目のワンショットキル(OTK)を狙うのがこのデッキの勝ち筋です。
またこのリーダー付与効果は重複するため、7ターン目に設置したもののOTKができなかった場合、8ターン目に2枚目を設置することでPP回復とバーンダメージを2倍にし、一気に体力を削り切るというサブプランも存在します。
なお、忘れがちですが10ターン目以降の自分のターン開始時、自身のEPが1以上ならEPを1消費して自分のデッキから直接召喚されるという効果も持っています。
レアケースではありますが、コントロールデッキ相手では後述するラブソングシンガーや聖なる守り手・ユカリのUBによって粘られてしまい、10ターン目までもつれ込んでしまうことがあります。
この際の直接召喚によって、カードをプレイするための盤面の空きが埋まってしまって動けなくなる、それとは逆に盤面を調整したうえで直接召喚をし、10PPをフルに使ってOTKを達成するといったこともできるため、9ターン目ではデッキに専門店が残っているか、EPが1以上存在するかを確認してこのカードの直接召喚を意識しておく必要があります。
・エレメンタル・マナ
通常時はナテラの大樹1枚を手札に加え、5ターン目以降であればPPを1回復、10ターン目以降であればランダムな相手フォロワー1体と相手リーダーに2ダメージを与える効果が追加されるスペルです。
専門店設置後にこのカードと生成したナテラの大樹を使うことで、1枚のカードで実質1PP回復しながら専門店のバーン効果を2回起動、さらにナテラの大樹設置後なら1枚ドローできるという専門店でのメイン火力です。
専門店設置後に1PPの状態から盤面を介さずにPPを回復できるというのは地味ながらかなり重要で、でたらめな接合で出たクレイゴーレムで盤面が埋まってしまった場合でもPP回復ができるのはこのカードだけの利点です。
また、1PPでスペルからアミュレットを生成するカードでもあるので、3ターン目のでたらめな接合の条件調整としても有用なのは覚えておきたいです。
10ターン目以降の相手フォロワーと相手リーダーへのダメージ効果が発動することはあまりありませんが、もし10ターン目になった場合は専門店のバーンが少しでもリーダーに向かうように、先にこのカードから使うようにした方がいいです。
・荒野の休息
自分リーダーの体力を2回復し、0コストのナテラの大樹を手札に加える効果を持つスペルです。
専門店設置後はこのカードと0コストになったナテラの大樹を使うことで、実質PP消費無しで自分リーダーを2回復して専門店のバーン効果を2回起動、ナテラの大樹があるならさらに1ドローという効果になります。
また、専門店設置前に使って0コストのナテラの大樹を手札に温存できるので、専門店設置後のPP回復のための0コスト生成としても優秀です。
一方で、専門店設置後は実質PP消費無しとはいえ最初に2PPを払う必要があるため、残り2PPで使ったでたらめな接合やマジックミサイル、真理の術式でドローした場合はすぐに使えないという点に注意する必要があります。
回復効果についてはおまけのように見えますが地味にありがたく、相手の盤面に5枚のカードがある際に、盤面フォロワーでの総攻撃によるリーサルラインから逃れつつOTKの準備を行い(盤面ロック)、リーサルを取れなかった相手にOTKを決められる可能性があることも覚えておきたいです。
・グラウンドサークル
0コストでプレイでき、ラストワードで自分のデッキが20枚以下ならガーディアンゴーレムを1体出す効果を持つ土の印アミュレットです。
同じくキーカードである荒野の休息とは異なり、元から0コストなので、専門店設置後の0PPからのPP回復はもちろん、ドローソースの項目で説明する、でたらめな接合で引いた際のPP回復としても重宝します。
これ以外にも真理の魔鏡の真理の術式生成条件や、エクステンドマジックの土の秘術2の条件を0コストの後付けで満たせるというのもとても便利です。
ただしメリットばかりのカードかというとそうではなく、不用意にプレイすると専門店を設置した後に使う盤面の空きがなくなる、単体では何もしないので手札に被ると動きの幅がかなり狭まるといった弱点もあります。
また、デッキが20枚以下ならガーディアンゴーレムを出すというラストワードは一見メリット効果に見えますが、実際は専門店設置後に発動することが多く、その際には土の印を消費して盤面を空けたいため、むしろ邪魔になることの方が多いです。
ちなみに、ガーディアンゴーレムの効果の発動条件の判定は土の印が破壊される前なので、デッキが21枚の時にエクステンドマジックで破壊された場合はガーディアンゴーレムは召喚されません。
扱いに慣れこそ必要ですが、7ターン目OTKのためには必須といえるカードのため、うっかり盤面を埋めないよう先を見据えて使う必要のあるカードといえます。
ドローソース
この項目ではデッキのドローソースについて解説します。
厳密にはドロー以外の効果を含むカードもありますが、主にドロー目的で使われるものはこちらに入れています。
・知恵の光
カードを一枚引くというシンプルな効果のスペルです。
1コストで盤面を介さずにカードをドローできるため、専門店設置後は実質消費PP無しで1ドローとバーン効果の起動を行うことができるカードです。
エレメンタル・マナや荒野の休息と違い、ドローするまでにワンテンポ置く必要がないのは地味に重要で、トップでエクステンドマジックを引いた際に対象がいない、または体力4以上のフォロワーに専門店のバーンが当たって損をするといったことが起こりづらいので、手札に知恵の光と上記のドローカードの両方がある場合はこちらから使った方がいいです。
その他単純な1ドローで専門店や荒野の休息のようなキーカード、後述するフューチャービジョンやアブソーブスペルのような特定のクラス相手に握っておきたいカードを探しに行くことができるのもうれしいです。
なお、専門店設置後に使うことでバーン効果を起動できることから、除去カードやキーカードのような特定のカードが揃っていないときにのみ使うようにし、通常はできるだけ専門店設置後に使うようにした方がいいです。
・魔女の大釜
ラストワードでカードを1枚引く効果を持つ土の印アミュレットです。
同じドロー効果を持つ知恵の光と比較すると、盤面を介す必要がある分タイムラグはありますが、エクステンドマジックの土の秘術や真理の魔鏡の真理の術式生成条件を満たすなどの専用の役割が存在します。
専門店の設置後には実質PP消費無しでバーン効果を起動できますが、置いた瞬間にエクステンドマジックで消費しないと盤面が足りなくなる可能性があるので、できるだけ序盤の土の秘術起動要員として使いたいです。
・フューチャービジョン
ターン終了時にターンごとに決まった効果が3回まで発動するリーダー効果を付与するスペルです。
発動する効果は、10ターン目までの奇数ターンは1ドロー、偶数ターンでは相手フォロワー全てに1ダメージ、そして10ターン目以降は相手リーダーに5ダメージの効果が発動します。
このスペルは使用したターンが奇数なら奇数、偶数なら偶数の効果が2回発動するため、タイムラグはありますが奇数ターンなら手札が差し引き1枚増えます。
一見ダメージ効果は地味に見えますが、4,6ターン目にマジックミサイルを合わせれば体力2までのフォロワー除去が可能、体力1のフォロワーは放っておいても除去されるという、使ってみるとわかる便利な効果です。
このダメージ効果が一番効く相手が連携ロイヤルで、後攻を取ったときの2ターン目に使うことで、クイックブレーダー+オースレスナイトorシールドフォーメーションの横展開を全除去しつつ、さらに4ターン目の1点ダメージによる除去を予約できます。
ですが欠点も当然あり、序盤に使用できないと効果の恩恵を十分に受けられない、しかし一方でリーダー効果は重複しないので、マリガンでキープしたときに被ってしまうと死に札になってしまうといった問題もあります。
とはいっても、被ってしまったとしても序盤であれば強力な効果であることには変わりないため、2枚目以降はでたらめな接合の手札交換条件用として割り切り、マリガン前に来たらマストキープなカードだと思います。
なお、このカードのダメージ効果はターン終了時に発動するので、ネクロマンサーの不可侵の死霊・ヘリオを破壊した場合に出るゾンビorリッチは、このターンの終了時ではなく、次の自分のターン終了時に出ることに注意する必要があります。
・でたらめな接合
プレイすると手札を全て捨て、捨てたカードの種類によって様々な追加効果が発動するスペルです。
追加効果の条件は同じ種類のカードを2枚以上捨てることであり、複数の種類のカードをそれぞれ2枚以上捨てた場合はそれぞれの効果が全て発動します。
発動する追加効果と条件は、フォロワーを2枚捨てるとお互いの場のフォロワー全てを破壊、スペルを2枚捨てるとデッキから5枚ドロー、アミュレットを2枚捨てるとクレイゴーレムを2体召喚し、相手のリーダーに2ダメージを与えるというような効果になっています。
基本的に魔道具専門店のデッキでは、序盤はスペルとアミュレットを2枚ずつ捨てることで、デッキの圧縮とクレイゴーレム2体召喚による盤面制圧、専門店設置後は余った除去スペルを2枚以上捨てることでドロー効果を発動させ、エレメンタル・マナや荒野の休息を探しに行くための手札交換というように、場面に応じて使い方の変わるスペルになっています。
注意すべき点として、追加効果でドローするためには、でたらめな接合の他にスペルが2枚以上必要になることがあげられます。
長時間のランクマなどで集中力が切れていると、でたらめな接合を捨てるスペルの枚数に数えてしまったり、専門店設置後にできるだけ動いてから接合を使おうとしてスペルを使いすぎてしまったりなど、スペルの枚数が足りなくなるといったプレイミスが起こりやすいため、このカードを使う前には一度スペルの枚数を確認するようにした方がいいです。
加えて、でたらめな接合で捨てたスペルやアミュレットにエクステンドマジックやエレメンタル・マナ、グラウンドサークルが含まれる場合は、しっかりと枚数を覚えておく必要があります。
これは7ターン目に専門店を設置した後にでたらめな接合をプレイする場合、盤面がクレイゴーレムで埋まってしまったり、残りPPが1になってしまったりしたときに、PP回復や盤面の土の印の除去ができるかを予測するためです。
この他に、接合を連発したせいでデッキ枚数が足りなくなってカードをプレイできない、エレメンタル・マナや荒野の休息のような重要なカードを捨てすぎてしまって7ターン目OTKができないといったこともありえるので、強力ですが扱いの難しいスペルだといえます。
除去カード
この項目では相手フォロワーを除去するためのカードを解説します。
こちらも除去以外の効果を含むカードがありますが、主に除去目的で使われるものをこちらに入れています。
・エクステンドマジック
通常時は相手フォロワーに1ダメージですが、土の秘術2でダメージが4になりカードを2枚ドローする効果が付くスペルです。
土の秘術が前提とはいえ、たった1コストで相手の大体のフォロワーを除去できるのはかなり強く、3ターン目ではフューチャービジョンや静寂の実験室or真理の魔鏡と合わせてテンポよく動く、5ターン目ではこれと突然の落石を合わせることで、中型フォロワー2体を合計3コストで除去しつつ残った2PPを自由にできる、専門店を設置した後では実質PP消費無しで中型フォロワーを除去しつつ2ドローし、専門店のバーンを相手リーダーに集中させる、といったように八面六臂の活躍をします。
ただし、空打ちすることができないという欠点があり、相手がフォロワーを展開しない魔道具専門店ミラーでは手札に腐りがちだったり、専門店を設置した後で相手のフォロワーを全滅させた後にトップで引いてしまうと邪魔になるといったこともあります。
ちなみに、FOH期のローテーションにおいて、土の印の消費だけができるフォロワー以外のカードはこれしかないので、不用意に土の印を3枚(グラウンドサークルを使うなら2枚)以上置いてしまうと、このカードを使わない限り専門店設置後の盤面が足りなくなることには注意しておく必要があります。(土の印3枚、専門店、ナテラの大樹で盤面が埋まるので、アミュレットが出せなくなる)
・突然の落石
盤面のフォロワー全ての中からランダムで1体を破壊する効果を持つスペルです。
盤面のフォロワー全ての中からランダムなので、自分の場にフォロワーがおらず、相手の場にフォロワーが一体だけの場合は実質確定除去として使うことができます。
コストが2コストと軽いのも特徴で、《世界》・ゼルガネイアや波濤のプレシオサウルスのような中盤で出てくるスタッツの高い単体フォロワーを2コストで除去しつつ、残ったPPで荒野の休息での0コスト作りやキーカード集めのためにドローカードを使えるのもうれしいところです。
また、白銀の閃き・エミリアや魔獣の女帝・ネレイアのような中型フォロワーを2面展開するカードの場合、片方のカードをエクステンドマジックや真理の術式で除去し、残った方を突然の落石で除去するといった動きができるのも強いです。
地味ながら自分のフォロワーを自壊させられる、または空撃ちができる点も優秀で、専門店設置後にグラウンドサークルから出てきたガーディアンゴーレムを破壊して盤面に空きを作る、コストはかかるものの手札が燃えそうなときは空撃ちで捨てられる、専門店でのバーン効果を盤面が埋まっていても起動させられるといった細かい利点があります。
欠点としては、小型フォロワーを含めた3面以上の横並べには使いづらいことがあげられます。
例えば、対連携ロイヤルでオースレスナイト+ナイト+猛然たる騎士・ゲルトといった盤面を先攻4ターン目に除去したい場合、フューチャービジョン+ウィンドブラストor真理の術式なら全除去できるものの、このカードは対象を選択できないので運よくゲルトに当たらない限りは全除去できません。
この他に2コスト以下のフォロワーと3コスト以上のフォロワーが並んでいる場合に、真理の魔鏡でコピーしたフォロワーによる進化殴りと合わせて使おうとすると、魔鏡でコピーする前に使うと2コストフォロワーが破壊されてコピーできない、魔鏡の後に使うと自分のコピーが破壊されてしまう可能性があるなど、微妙にかみ合わせが悪いという欠点もあります。
・マジックミサイル
相手フォロワーか相手リーダーに1ダメージを与え、1ドローする効果を持つスペルです。
単体でも体力1のフォロワー除去として使えますが、4ターン目に事前に発動しておいたフューチャービジョンの1ダメージと合わせて体力2のフォロワーを除去したり、専門店設置後に相手フォロワーで体力が奇数のフォロワーに使うことで、専門店のバーン効果の効率をあげるといった使い方もできます。
また、相手リーダーも対象にできることからエクステンドマジックのように手札で腐ることは少なく、余ったPPで気軽にキーカードを探すためのドローソースとしても使えるのがとても便利です。
・真理の魔鏡(真理の術式)
ファンファーレで相手の盤面の2コスト以下のフォロワーと同じフォロワーを1体出す効果と、自分の場に土の印があるなら真理の術式を生成する効果を持つ土の印アミュレットです。
相手の2コスト以下のフォロワーをコピーする効果は、有用なラストワードを持つ対ヴァンパイアや対ドラゴンで非常に便利で、密約の吸血鬼や岩石のアンキロサウルスをコピーすれば、デメリットを受けずに1ドローできたり、金剛のパキケファロサウルスをコピーすれば、進化時効果で盤面処理が非常に楽になります。
また、対ロイヤルや対ネクロマンサーでペインレスサムライやモーターグレイブディガーをコピーできた場合、相手のフォロワーを生成した真理の術式で除去することで、厄介な盤面を押し付けることができます。
もしフォロワーをコピーできなくても、土の印さえあれば実質4コス3ダメージと1ドローになるため、手札で腐ることはほぼありません。
回復カードの採用が少ない葬送ネクロマンサーや土ウィッチ、確実な7ターン目OTKが求められる専門店ミラーでは、生成した真理の術式による3ダメージを積極的にリーダーに与えることで、7ターン目OTKの難易度を大きく下げることができます。
このカードの欠点として、プレイする際に相手の場に2コスト以下のフォロワーがいるなら必ずコピーしないといけないことがあります。
ターン終了時に自分リーダーへのダメージがあるサードニックデーモン、進化しないと自分のデッキに戻ってしまうクラウドギガースといったカードとの相性はかなり悪いことには気を付ける必要があります。
・アブソーブスペル
通常時は相手の体力2以下のフォロワー、自分のデッキが20枚以下なら制限なしで相手のフォロワー1体を消滅させ、1枚ドローする効果を持つスペルです。
3コストと若干重いですが相手フォロワーを消滅させられるという点がとても重要で、岩石のアンキロサウルスや《恋人》ミルティオのようなドロー効果持ちを消滅させることでリソースを枯らしたり、不可侵の死霊・ヘリオを消滅させることで、破壊では発生していたゾンビによる直接攻撃やリアニメイトによる蘇生を妨害できるのが非常にありがたいです。
デッキが20枚以下なら体力の制限がなくなるというのも地味にありがたく、でたらめな接合を2回以上使うことが前提とはいえ、中盤のフォロワー除去でドロー付きの確定除去を3コストで使えるのは便利です。
またデッキ単位で不利とはいえ、聖なる守り手・ユカリのUBバリアを無視して除去ができるため、相手のユカリやラブソングシンガー切れを狙っての遅延ができるというのも地味ながら重要な点です。
ただし、あくまでこのカードはメタカードであり、コストパフォーマンスや汎用性自体は他よりも悪いということには注意しておく必要があります。
その他のカード
この項目では上記のどれにも当てはまらないカードを解説します。
・静寂の実験室
ファンファーレでクレイゴーレムかゾンビを1体召喚する効果を持つ土の印アミュレットです。
効果自体はとてもシンプルで、2コストバニラ相当のフォロワーを出しつつ土の印を設置できるため、序盤に使うことでエクステンドマジックの土の秘術や真理の魔鏡の真理の術式生成条件を満たせるのは便利です。
ですが、最近の構築ではハングリースラッシュやエクステンドマジックのような相手のフォロワーを除去しつつ追加効果のあるカードが多く、相手のフォロワーを除去するために先置きしたつもりが、むしろ相手のデッキの回転に貢献してしまうということもありえるのがネックになっています。
また、このカード自体は他のカードと組み合わせないと単なる2コストフォロワー相当の効果しかなく、土の印で盤面が圧迫されやすいこのデッキでは被ると非常に困るという欠点があります。
加えて、《世界》・ゼルガネイアの存在から半端なビートダウンではむしろデメリットになることもありえるため、そもそも2コストフォロワー出す効果自体がそこまで強くないというのも向かい風になっています。
このことから、あえてこのデッキでは採用枚数をピン挿しに留め、他のカードに枠を割くようにしています。
採用カードの相互互換の効果を持つカード
この項目では、このデッキには採用されていないものの似たような効果を持ち、入れ替えることでデッキの使用感が変わるカードについて解説します。
・覇食帝の調理
相手フォロワーに5ダメージを与え、進化権が相手より多い場合はカイザの激辛料理を生成する効果を持つスペルです。
入れ替え候補としては突然の落石かアブソーブスペルで、差別化点は選択できる中型除去であること、条件を満たせば1枚のカードで2体フォロワーを除去できることが挙げられます。
ネクロマンサーのミルティオによる横展開に天覇風神・フェイランが絡んだ場合、体力5になったミルティオを除去しつつ、条件を満たせばフェイランも一緒に除去できる、3ターン目のスピリットキュレーターや猛然たる騎士・ゲルトのようなスタッツの高いフォロワーも返しのターンに問題なく除去できるのが魅力のカードです。
ただし、コストが重いことから手札に被ると弱く、進化権が少ない先攻ではスペル生成の条件を満たすことが難しいという点がネックです。
性能自体は使いやすい除去スペルですが、中型フォロワーを出すのがロイヤルやヴァンパイア以外では少ない、コストの重さから専門店の後に使えないということから、このデッキでは不採用としました。
・エンジェルシュート
相手のフォロワーかアミュレットを1枚消滅させ、互いに1ドローするスペルです。
入れ替え候補としてはアブソーブスペルで、差別化点は最初から除去対象に制限がないことと、アミュレットも除去できることが挙げられます。
主にネクロマンサーの幽暗の墓守の結晶やビショップのエイラの祈祷、異形エルフの頂きの闘技場のような、対処の難しいカードを除去できることが魅力のカードです。
除去の対象に制限が無い上に好きなカードを選択できるため汎用性が高く、コストの重さこそ気になりはするものの、使い勝手は悪くありません。
ただし、互いに1ドローするという点がとてもネックで、この1ドローによってメタカードであるラブソングシンガーやそのデッキのコンボパーツを引かれる可能性をわずかでも上げてしまうのはかなりきついです。
除去効果自体は優秀なのですが、互いにドローすることでメタカードを引かれる危険性を重く見た結果、このデッキでは不採用になりました。
(備考)フォロワーピン挿し構築について
魔道具専門店はデッキ内にフォロワーがいない場合にPP回復効果が発動しますが、これは言い換えると構築段階でフォロワーが入っていても、引き切ってしまえばPP回復効果は使えるということを意味します。
これを利用し、ウィッチフォロワー1枚(ピン挿し)と結束の魔術(イザベルの詠唱)3枚をセットで採用することで、専門店のPP回復効果と優秀なフォロワーの採用を両立した構築が存在します。
この項目では、そのフォロワーピン挿し構築で使われるフォロワーと、フォロワーの入っていない純魔道具専門店との違いについて解説します。
ピン挿しされるフォロワー
前提としてフォロワーは1枚だけの採用で、イザベルの詠唱でサーチできるウィッチフォロワーであることが求められます。
・境界の魔道士
ファンファーレで土の魔片を生成する効果に加え、進化時には土の秘術1で2ダメージ、土の秘術2なら4ダメージを相手フォロワー全てに与える効果を持つフォロワーです。
純専門店では対処の難しい《恋人》・ミルティオによる中型の横展開や、先攻ロイヤルの4ターン目フェイランなどを1度だけとはいえ全処理できるのは非常に強力です。
本体が土の魔片を生成する効果を持つことから効果が不発にならないことに加え、本体が2コストなので結束の魔術でサーチした同じターンに使いやすいのも非常にありがたいです。
さらに、進化時効果の空撃ちで盤面の土の印を除去することもでき、エクステンドマジックを使わずとも、専門店設置後にカードをプレイするための盤面の空きを作ることができるのは、地味ながらかなり重要な点です。
結束の魔術でのサーチと相性がいい上に苦手な横展開を返せるということから、現在のフォロワーピン挿し構築ではこのカードが主流であり、他のカードが採用されているのは稀といっていいです。
・カオスウィザード
ファンファーレでカードを二枚ドローする効果と進化時にスペルブーストする効果、さらにスペルブーストで自身のコストが下がる効果を持つフォロワーです。
過去の専門店の構築ではドローソースが貧弱だったため、このカードはリソースを補給する目的で採用されていました。
しかし、FOHにて強力なドローソースや除去カードが追加されたため、このカードをピン挿しした構築はかなり珍しくなっています。
・アダマンタイトゴーレム
手札に加わるときに盤面の土の印の数が2枚以下なら、土の魔片を盤面に一つ出す効果、さらにファンファーレで自分の場の土の印を全て破壊し、破壊した土の印の数+1回分のランダムな効果を発動させるフォロワーです。
発動するランダム効果は「ガーディアンゴーレム1体を出す」、「魔術の一撃を手札に加え、そのコストを0にする」「相手のリーダーに2ダメージ、自分のリーダーを2回復」のどれかになります。
最大で5回のランダム効果を発動させることができ、守護フォロワーや回復効果で自分リーダーを守って7ターン目まで生き残りつつ、0コストの魔術の一撃で専門店設置後のプレイ数稼ぎを行えるというのが魅力です。
相手が横展開をしていないときにプレイできれば、7ターン目のOTKの難易度が大きく下がりますが、発動する効果がランダムなこと、6ターン目でしか使えないことがネックであり、そこまで採用率は高くないように思えます。
純魔道具専門店との違いについて
この項目では純魔道具専門店とピン挿し魔道具専門店の違いを解説します。
・スペルやアミュレットでは対処できない盤面に対処できる
最大の魅力がこれであり、ネクロマンサーの《恋人》・ミルティオによる横展開への回答になります。
ネクロマンサー側に先攻を取られた場合、6ターン目のミルティオ+リアニメイトされたフォロワー2体+征伐の死帝のリッチ+フェイランのバフという盤面に対処する必要があり、純魔道具専門店では全処理というのはほぼ不可能になっています。
ですが、フォロワーピン挿し構築では境界の魔道士の進化時効果によってミルティオ以外のフォロワーを全滅させたり、アダマンタイトゴーレムによって召喚されたガーディアンゴーレムでリーダーを守ったりといった対策ができるため、7ターン目を迎えられる可能性が純魔道具専門店よりも高くなります。
・デッキから関連カードが引けないとデッキが機能不全を起こす
逆に最大の欠点がこれであり、純魔道具専門店と比べるとこの点は明確に劣っています。
7ターン目までにフォロワーを素引きするか結束の魔術でのサーチを行えなかった場合、魔道具専門店のPP回復効果は発動せず、OTKを行うことはほぼ不可能になります。
これを避けるためにはドローソースのカードを使って関連カードを引き込む必要があるのですが、ドローソースは実質OTKのパーツでもあるため、使えば使うほどOTKの確率は下がってしまいます。
また、結束の魔術はフォロワーを引いた後は無意味なスペルになってしまうため、被ってしまった場合はでたらめな接合のドロー効果のために捨てるか、魔道具専門店のバーン効果の起動に使うぐらいしか使い道はありません。7ターン目OTKのためにはどうしてもドローからのトップ解決が求められることが多いので、無意味になる可能性のあるカードを3枚積み込んでOTKの安定性を下げるのは、かなり痛いということは理解しておきましょう。
総評
フォロワーピン挿し型の魔道具専門店はOTKの安定性を多少犠牲にした代わりに、7ターン目を迎えられることを重視した構築だと思います。
ネクロマンサーやロイヤルなどの盤面にフォロワーを横展開するデッキが多い場合はこちらの構築も有効だとは思います。ですが、7ターン目OTKを決めないと勝てない土ウィッチやコントロールヴァンパイア、エイラビショップ、専門店ミラーといった相手も多いため、筆者としてはOTKの可能性が高い純魔道具専門店の構築の方がランクマでは有効であると感じています。
このデッキの基本的な回し方
マリガン
魔道具専門店(対ウィッチ、ビショップのみ)>各種メタカード>でたらめな接合(初手)>魔女の大釜=フューチャービジョン
メタカードは後のクラス別対策の項目でも説明しますが、ロイヤルの序盤の横並べ対策のフューチャービジョン、ネクロマンサーの3ターン目不可侵の死霊・ヘリオ対策のアブソーブスペルなどです。
ウィッチやビショップ相手のみ専門店をキープする理由は、ウィッチでは猫耳の魔法使い・キャルによる特殊勝利やミラー戦での7ターン目OTK、ビショップでは聖なる守り手・ユカリのUBが8ターン目以降だと間に合ってしまうため、確実に7ターン目に専門店を置けるようにするためです。
でたらめな接合をマリガン前に引いた場合は、手札のエレメンタル・マナや荒野の休息、エクステンドマジックなどのキーカードをマリガンで返し、2ターン目の手札交換とクレイゴーレム2体の召喚を狙います。
なおスペル3枚、アミュレット1枚で手札交換しかできない場合は、エレメンタル・マナや荒野の休息がある場合は使用して3ターン目に接合を、それ以外の場合は2ターン目の時点ででたらめな接合をプレイした方がいいです。
魔女の大釜をキープする理由は、1ターン目に魔女の大釜を置くことで、2ターン目に真理の魔鏡で真理の術式を生成出来たり、3ターン目に真理の魔鏡や静寂の実験室+エクステンドマジックでテンポよく動けるようにするためです。
また、知恵の光とは異なり、盤面に一度出す必要があるうえに土の秘術を持つカードを使わないと除去できないので、専門店設置後にプレイする場合はエクステンドマジックがほぼ必須という点から、序盤に使っておきたいというのも理由の一つです。
デッキの基本的な回し方
どのクラス相手にも共通することとして、7ターン目まで生き残れるようにフォロワーの除去を行いながらキーカードを集め、7ターン目に専門店を設置した後に0コストのカードでPPを回復、そのままOTKを達成するというのがこのデッキの基本的な回し方です。
そしてこれのためには相手のデッキの次の動きを予測しつつ、最適だと思われる除去カードを切ることがとても重要です。
除去カードの切り方に正解はありませんが、クラスごとの対策では筆者なりの指標をのせておくので、参考になれば幸いです。
(備考)魔道具専門店設置後の注意点
魔道具専門店を設置した後のプレイ数稼ぎには注意する点がいくつかあり、それを意識することでOTKの達成率を多少上げることができます。
この項目ではそういった知識について解説します。
・0PPからの回復には0コストのナテラの大樹かグラウンドサークルが必要
魔道具専門店設置後の0コストのカードのプレイでPPを回復するのは基本の動きではありますが、0コストナテラの大樹は事前に荒野の休息を使っておく必要があること、グラウンドサークルは盤面に土の印が1枚以下でないと盤面が足りなくなることには注意が必要です。
これはつまり、6ターン目にでたらめな接合で専門店を探しに行って7ターン目OTKを狙う場合、グラウンドサークルでPP回復を狙うのなら盤面を空けるためにエクステンドマジックがほぼ必須、荒野の休息による0コスナテラでの回復を狙うなら、でたらめな接合で引いた後に荒野の休息を使う必要があるので、でたらめな接合を使う時点で合計4PP必要ということになります。
・エクステンドマジックやマジックミサイルは早めに使う
魔道具専門店設置後はランダムな相手フォロワーか相手リーダーにバーン効果が飛ぶため、これらのカードのプレイを後回しにすると、体力1のフォロワーに専門店のバーン効果が飛んでしまって損をしたり、エクステンドマジックの対象がいなくなってしまい土の印を除去できないといったことになりかねません。
そのため、魔道具専門店の設置後に0コストアミュレットでPPを回復したら、エクステンドマジックはすぐに使った方がいいです。
ただし、マジックミサイルは2コストのカードなので、残りPPが2の時に使うと荒野の休息が使えなくなるという問題もあります。
なので、エレメンタル・マナなどで残りPPを2まで回復できる場合かつ相手フォロワーに体力が奇数のフォロワーがいればすぐに使う、そうでないなら後に回すようにした方がいいです。
・デッキの枚数や残りのキーカード枚数を把握する
専門店の設置後にはドローカードを多用することから、自分のデッキの枚数には特に気を配っていないと思わぬプレイミスが発生してしまいます。
特にありがちなミスとして、グラウンドサークルのラストワードで召喚されるガーディアンゴーレムのせいで盤面が埋まってしまい、カードをプレイすることができなくなるということが挙げられます。
このラストワードによる召喚は自分のデッキが20枚以下で発動するため、グラウンドサークルや真理の魔鏡で一旦盤面を埋める場合は、デッキが20枚以下ではないか、土の秘術でグラウンドサークルが割れるのかどうかを確認し、場合によってはガーディアンゴーレムを盤面から取り除けるかどうかまで考える必要があります。
ガーディアンゴーレムを盤面から取り除くのに一番簡単なのは、進化して攻撃力5以上のフォロワーに攻撃することなので、攻撃力5以上の相手フォロワーがいるなら、あえてそのフォロワーを置いておくことも重要です。
また、でたらめな接合で手札を交換する場合、まだ引いていないエレメンタル・マナやグラウンドサークル、エクステンドマジックなどの枚数とデッキの枚数を把握しておくと、手札交換をした後にPPを回復してさらにプレイ数を稼げるかどうかの判断材料になります。
特に、専門店設置後にでたらめな接合を残りPP2でプレイしてクレイゴーレムで盤面が埋まってしまった場合、エレメンタル・マナかエクステンドマジックからのグラウンドサークルを使えないとPPが2にできず、荒野の休息を使えないというのは覚えておきたいです。
クラスごとの対策や注意点
この項目ではランクマで遭遇しやすいデッキタイプと、それらのデッキへの対策について解説します。
・エルフ
デッキタイプ:地を裂く異形OTK、豪風のリノセウスOTK、アマツ
一番多いのは地を裂く異形を主軸にしたOTKデッキです。
地を裂く異形は初手から融合を繰り返すことで、こちらのリーサルターンである7ターン目より早く攻撃力20を達成できるのが非常に厄介です。
また、異形が初手になかった場合でも、頂きの闘技場を直接召喚した上でスピアーエルフやハンマーモンキーで異形では足りない分を削ることができる一方、こちらは頂きの闘技場の効果を受けることができないという勝ち目がないマッチとなっています。
一応、こちらが先攻かつ相手が異形を引けていない場合はギリギリ7ターン目に間に合うこともあるので、導きの巫女・コッコロのようなドロー効果を持つフォロワーを森林の狼のアクセラレートで再利用されないように除去することで、異形をドローする確率を下げるといった対策を行った方がいいです。
豪風のリノセウスとフェアリーブレイダー・アマツは数が少ないとはいえ、こちらも異形と同じくリーサルターンが7ターン目より早いため、デッキの相性としてはかなり悪いです。
ですが、豪風のリノセウスの場合は対空射撃の対象を出さないという対策で豪風のリノセウスのプレイ回数を稼がせないこともできるため、エルフのデッキの中ではまだ戦える方だとも言えます。
・ロイヤル
デッキタイプ:連携アグロ、ゼルガネイア猛虎OTK
一番多いのは序盤から積極的に攻め、エンハ6信念の剣閃や君臨する猛虎で削り切る連携アグロです。
ロイヤル側のデッキはどれも序盤から体力1のフォロワーを並べることが多いため、フューチャービジョンのダメージ効果が刺さります。
逆に言えばフューチャービジョンが無いと相手の横並べを除去することができず、フェイランやエンハ6信念の剣閃によるバフで押し切られてしまうので、初手がかなり重要なマッチになっています。
そのためマリガンではフューチャービジョンを全力で探し、先攻は3ターン目、後攻は2ターン目にプレイできるようにしておきたいです。
一方、ゼルガネイア猛虎OTKの場合は、サブプランであるカゲミツ猛虎を含めても基本的にリーサルターンは8~10ターン目になるので、フォロワーの除去さえ丁寧に行っていれば、専門店の設置自体は容易に行えます。
ただし、対策としてラブソングシンガーを積んでいることもあるため、アブソーブスペルによるゲルトのラストワード防止、ゼルガネイアのドロー効果を使わせないために体力を14以下にしないといったケアが必要になります。
除去カードの切り方については、白銀の閃き・エミリアやお姉ちゃん剣士・シズル、《世界》・ゼルガネイアなど突然の落石が刺さる相手が多いので、序盤は真理の術式やエクステンドマジックで除去を行い、突然の落石のような確定除去カードは温存するようにしたいです。
・ウィッチ
デッキタイプ:土とリンクルキャルの混合、専門店ミラー
一番多いのは禁約の黒魔術師による特大バーンに、体力最大値減少効果を持つ《愚者》・リンクルと猫耳の魔法使い・キャルを混ぜた混合型です。
このデッキはリーサルターンが8ターン目と遅めであることから、通常であれば有利なマッチになっています。
ですが、ドローソースに大地の魔女やエクステンドマジックのような優秀なカードが存在するので、メタカードであるラブソングシンガーを引かれる可能性が高く、油断ができないマッチであるともいえます。
このマッチで一番重要な部分として、《愚者》・リンクルの生成する剥落の暴圧や猫耳の魔法使い・キャルの体力最大値減少効果より前に受けたダメージは、ほぼ無視していいということです。
例えば、相手が先行で2ターン目にリンクルをプレイ、3ターン目に剥落の暴圧をプレイ、4ターン目に2枚目のリンクルと剥落の暴圧をプレイされた場合、こちらの体力の最大値は6ターン目終了時に13になります。
これはつまり、リンクルに直接攻撃されようが、リンクルを除去して直接攻撃を防ごうが、結局は6ターン目終了時に体力が13まで減るため、2,3ターン目あたりの直接攻撃や真理の術式によるダメージはほぼ無意味ということを意味します。
なので、3ターン目に無理して除去するよりも、フューチャービジョンで手札を増やすことに専念し、4ターン目以降に真理の術式やエクステンドマジックなどを使い、一括で除去する方が状況が有利になりやすいです。
ただし、形成の魔術師や猫の奇術師のような小型フォロワーが並んだ場合、放置すると減少した後の体力最大値よりも削られてしまうので、そういった場合は除去を行っていく必要があります。
除去カードの切り方については、猫の奇術師はできるだけ放置し、除去する場合はアブソーブスペルによる消滅を狙うようにします。
猫の奇術師を放置する理由は、土の印を盤面に出させないことで、大地の魔女やエクステンドマジックによる大量ドローを防ぐためです。
また、土の印1枚と効果の発動した猫の奇術師が場にいる状態で、アダマンタイトゴーレムの効果で土の魔片が出た場合、相手がフォロワーを出した後に猫の奇術師を破壊することで、フォロワー1体と土の印4枚という盤面ロックを作り出すことができます。
この状態では事前に真理の魔鏡で真理の術式を生成していない場合。こちらがフォロワーを出さないと相手は土の印を除去することができず、小型フォロワーでは7ターン目までに体力を削り切ることはできないため、魔道具専門店の置ける7ターン目を悠々と迎えることができます。
ちなみに相手の場が土の印5枚で埋まっており、相手のデッキの枚数がこちらのデッキより少ない場合、何もしなければ相手がデッキ切れを起こすのでこちらの勝利が確定します。
専門店ミラーに関してはフォロワーを出さないことを意識し、真理の術式で相手リーダーの体力をガンガン削っていくことで、OTKの難易度を下げるようにします。
フォロワーを出さない理由は、エクステンドマジックによる土の印の除去とドロー効果によるキーカード探しをさせないためです。
特に後攻側は先攻側が7ターン目OTKを失敗しないと勝ち筋がないので、相手にキーカード探しをさせないように立ちまわることはかなり重要です。
ただし、先攻側がガン有利なことには変わらないので、後攻で勝てたらラッキー程度の気持ちで挑むようにしましょう。
・ドラゴン
デッキタイプ:ディスカード、進化ゼウス
一番多いのが波濤のプレシオサウルスのバーン効果と、ダークジェイルドラゴンのような中型疾走フォロワーを組み合わせたディスカードです。
このデッキはリーサルターンが相手のPP加速によって大きく変わるため、有利不利は一概には決められません。
ただし、ディスカードという性質上、メタカードであるラブソングシンガーを自然と積むことができるので、7ターン目にOTKをできる可能性は他のデッキよりも少なめであるとはいえます。
除去カードの切り方については、岩石のアンキロサウルスをアブソーブスペルで消せると相手の手札を減らすことができ、間接的に相手の展開を妨害することができます。
また、6PPでは相手が引けていれば波濤のプレシオサウルスが必ず出てくるので、前のターンに真理の魔鏡で2コストフォロワーをコピーした場合、進化置きをすることでプレシオサウルスの進化時効果で倒されないようにし、プレシオサウルスの進化殴りを強要してエクステンドマジックなどの除去で取れるようにする、プレシオサウルスの除去用に突然の落石を温存するといったケアが有効です。
ちなみに、対ドラゴンは真理の魔鏡でコピーできる2コスト以下のフォロワーが多く、岩石のアンキロサウルスなら1ドロー、金剛のパキケファロサウルスなら進化時効果で盤面除去などメリット効果が多いため、真理の魔鏡でできるだけ相手のフォロワーをコピーすることを意識すると、盤面除去やキーカード集めが楽になります。
なお、ダメージカットの存在や安定性の低さから遭遇率は少ないですが、ゴブリンスクラムで進化回数を稼いでゼウスを投げるタイプのデッキもいまだに存在します。
こちらは魔道具専門店ではどうしようもないマッチアップなので運が悪かったと割り切るようにした方がいいです。
・ネクロマンサー
デッキタイプ:葬送アグロ、葬送冥府
一番多いのは《恋人》・ミルティオなどが持つ葬送で天覇風神・フェイランや征伐の死帝の直接召喚を達成して横展開を行い、不可侵の死霊・ヘリオや冥守の頂点・アイシャ、フェイタルオーダーで出したデッドメタルスターで体力を削り切る葬送アグロです。
このマッチでは、先攻はミルティオの横展開に1回対処するだけでいいのに対し、後攻は2回対処する必要があるため、先攻を取れないとかなり厳しいです。
なので、後攻の場合はとにかくリーダーの体力を大事にし、6ターン目のミルティオによる横展開はライフで受けるつもりでいた方がいいです。
除去カードの切り方としては、3ターン目の不可侵の死霊・ヘリオは絶対にアブソーブスペルで消滅させるようにします。これは、ラストワードで召喚されるゾンビによる直接攻撃を防ぐだけでなく、ミルティオによるリアニメイトで(3,3)が選ばれた場合のミルティオ+ヘリオ2体というどうしようもない盤面ができることを防ぐためです。
また、相手がカーニバルネクロマンサーを2ターン目に出した場合、放置するとスピリットキュレーターや百鬼夜行、ハングリースラッシュで手札を稼がれてしまうため、多少もったいなくても突然の落石やエクステンドマジックなどで除去したほうがいいです。
なお冥府を採用した型はアイシャの代わりに冥界神・ハデスを採用し、バトルキョンシーガールが3コス枠に入ったくらいで、対策については葬送アグロとほぼ変わりません。
・ヴァンパイア
デッキタイプ:背徳渇望コントロール
一番多いのは《世界》・ゼルガネイアや魔獣の女帝・ネレイア、背徳の狂獣のバーンで盤面を維持しつつ、夜を統べる者・イリヤのUBや紅のワルツ、インサニティ・マナの10ターン以降のバーン効果で体力を削り切るコントロールです。
このタイプのデッキはリーサルが7~10ターンなので基本的には有利なのですが、それを見越してラブソングシンガーを積んでいることも多いため、そこまで有利といえるマッチングではありません。
除去カードの切り方としては、序盤は真理の魔鏡でコピーしたフォロワーや真理の術式でフォロワー除去を行い、中盤のネレイアやゼルガネイアのような中型フォロワーは突然の落石で処理するようにします。
また、でたらめな接合があるなら早めに使っておくことで、アブソーブスペルの体力制限をなくすことができ、中盤のフォロワー除去が楽になるということは覚えておきたいです。
ちなみに、ランクマで見かけるヴァンパイアのデッキはほぼ確実にゼルガネイアを採用しているため、仮にでたらめな接合で盤面を取れていたとしても、相手リーダーへの攻撃は行わない方がいいです。(自傷カードもあるので少しでも削ると14点以下になってしまうため)
・ビショップ
デッキタイプ:守護エイラ、ソフィーナカウントダウン
一番多いのは守護フォロワーをエイラの祈祷でバフし、聖なる守り手・ユカリで詰みの盤面を作る守護エイラです。
直接的なリーサルはユカリUB後の8~10ターン目と遅いですが、ラブソングシンガーとユカリというメタカードがほぼ確実に6枚体制で入っているので、魔道具専門店ではかなりきつい相手です。
除去カードについてはエクステンドマジックや真理の術式などのダメージ系は序盤に使い、突然の落石やアブソーブスペルなどの破壊や消滅の除去カードを中盤から終盤に使うようにすると、エイラでバフされた守護フォロワーやユカリUBで守られたフォロワーを手軽に処理出来て楽になります。
この他にカウントダウンアミュレットを5ターン目に一斉に割った後、《力》・ソフィーナを置くことで一気に押し切るカウントダウン型の構築もあります。
ですがこの構築は必要カードをトップでドローする必要があり安定感がないため、ランクマで会うことは稀な構築だと思われます。
・ネメシス
デッキタイプ:パラダイムAF、コントロールヴィズヤゼルガネイアOTK
一番多いのはパラダイムシフトでAFの破壊された種類を稼ぎ、アブソリュート・モデストやヴァーテクスコロニーのバーン効果で相手を削りきるパラダイムAFです。
デッキのリーサルターンは守護の居ない魔道具専門店ではかなり早くなり、7ターン目を迎えられないこともある厳しいマッチです。
デッキ自体が機構の技師やロボティクスユーザー、マジックエンジニアといった序盤から横並べができるフォロワーで構成されているので、除去できなければ直接攻撃で体力が尽きる、除去をしてもパラダイムシフトのコストが下がってブリッツAFで削り切られるというように、根本的な対策ができないのがつらいです。
また、フォロワーがいないことからアブソリュート・モデストのバーン効果がほぼ確実に自分リーダーに飛んでくるのも痛く、運命への反逆(ユアンの憤怒)を使われると毎ターン2ダメージ以上のバーンが飛んでくるため勝ち目がありません。
一応、エンシェントAFは1コストなので真理の魔鏡でコピーすれば実質3点除去になったりするので、相手にモデストを進化されず、フォロワーの除去を徹底することができれば、何とか7ターン目まで生き残ることができるかもしれません。
幸い、パラダイムAFのデッキが他のクラスのデッキに特別有利というわけではないからか、そこまで遭遇率が高くないことが救いではあります。
一方で、コントロール型の場合はバーンダメージこそ飛んできませんが、魔笛の奏者・ハーメルンでラブソングシンガーを増やされたり、《運命の輪》・スロースでこちらの場にアミュレットを送り込んで盤面の空きを潰してくるなど、専門店のバーンダメージを通すのがかなり難しいです。
ドローソース自体は貧弱なので、ラブソングシンガーさえ引かれなければ勝ち目はありますが、こちらもあまり有利なマッチではないと言えます。
(備考)ラブソングシンガーについて
・カードの解説とデッキへの採用率
ファンファーレで相手リーダーか相手フォロワー1体を選択し、選択した対象に「与えるダメージは0になる」という効果を付与するフォロワーです。
このカードはフォロワーだけでなくリーダー効果によるバーンダメージを防ぐことができるニュートラルカードで、WUP期にも存在自体はしていましたが、あまり日の目を見なかったカードです。
ですが、FOH期に魔道具専門店がトップメタに上り詰めたこともあり、その魔道具専門店のバーン効果を防ぐことができるラブソングシンガーの採用率はかなり上昇することになりました。
採用されているデッキについてはクラス別対策でも軽く書きましたが、コントロール型のヴァンパイア、ビショップではほぼ確実に積まれており、メタカードを積みやすいディスカードドラゴンで採用されることもあります。
一方でネクロマンサーでは葬送というシステムの仕様上、不可侵の死霊・ヘリオのリアニメイト枠を潰してしまうのを避けるために、採用されているのは稀のように感じます。
・魔道具専門店のランクマッチでの勝率への影響
結論から言うと、そこまで勝率に影響はないイメージがあります。
ランクマッチではメタカードを積んでいる構築に当たるよりも、メタカードを積んでいないデッキに当たることがいまだ多く、メタカードが無いと対処不能である魔道具専門店は、トータルで勝ち越せばいいランクマッチでのポイント稼ぎにはすごく向いているデッキといえます。
もちろん、このカードが出されると負け濃厚であることは確かなので、1度しか負けることのできないグランプリ予選やトーナメント形式の大会などでは別のデッキを持ち込む方がいい場合もあります。(リスクは高いですが、メタカードで負けるから専門店を持ち込む人はいないだろう、というメタ思考を読んであえて持ち込むという手もありますが……)
おわりに
このnoteを書いたきっかけは、初登場時はただの地雷デッキだった魔道具専門店が、メタカードを積まれるぐらいのトップメタに上り詰めたことに嬉しさと少しの寂しさを感じたためです。
このnoteの解説で、専門店側はどう動けばOTKを達成できるか、そして専門店と対戦する場合はどのように動くと専門店側は嫌なのか、少しでも参考になったのならば幸いです。