Skill Exchange Day
ここ数日は、会津でのお仕事。
西会津国際芸術村に滞在中のアーティスト・北山景子さんとSkill Exchange Day・お互いのスキルをシェアして学び合う日。
彼女の作品は、サイアノという感光剤を使い、太陽の光でさまざまな形を写し取る。まずは草木の採集。
複雑なカタチのほうが面白いという。草や花の複雑なカタチが青い紙の上に白いカタチを映し出してとても美しい。
感光した青い色は深海のようでもあり宇宙のようでもある。
私は草木染めを一緒に。自然豊かなので素材はどこからでも手に入る。
今回は葛の葉とヨモギをいただく。
端から見れば、草刈りしている人。でも私たちはホクホク。
今回は、緑色を染めることにも挑戦してみた。
葛の葉をアルカリ抽出して、2番目以降の染液を使い、染めていく。
抽出のしかた、媒染剤の種類で色はさまざまに変化する。
自然がみせてくれる色の美しさに心がおどった。
新しい技法に出会うって、あるようでそんなにない。
正確に言うと、ネットには無限に情報は飛び交っているけど、私の目の前に差し出されることはない。
なので、このようなカタチで教えてもらいながらお互いのスキルを交換できたのはとても刺激的だった。これをつかって、何をつくってみようか。とワクワクする。
「今のうちにいろいろやっておきたい」と言う北山さんは、2ヶ月後に出産を控えているとは思えないアクティブさ。これから実家で出産に備えている間に草木染めをして過ごすという。
彼女から「どうして展示をしないの?」と聞かれ、言葉につまった。
うーん、自分が展示をするというイメージを全く持っていなかった。
みんなで手しごとの楽しさを分かち合う場づくりが好きだから展覧会を開いて誰かに鑑賞してもらうということは全く考えていなかった。
もっと踏み込んで考えてみると、私の作品など展覧会をする作家の作品とは、ほど遠いと思っている自分がいた。
私の染めは、とてもざっくりしたやり方かもしれない。
できた作品を見せる目的でつくるというよりは、「その時、その場所のエネルギーを写し取り、まとう。」という感覚に近い。
プロセスを体験することをとても大事に思っている。
草木を採集するときには、山の草木を口に含むし、煮出した染め液を飲んでみることもある。それによって草木とチューニングを合わせる。
新しい技法もさることながら、沢山の刺激をいただき、1年後には、二人展をしようと約束した。
人から言われたことで、自分の染めに対する思いを改めて見つめ直し、頭の整理ができたことがとても嬉しかった。
また、ひとつ扉を開けたような日だった。
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