timeleszの挑戦 -これまでもこれからも革新的なグループ-
はじめに
あれやこれやと様々なグループのことについて日頃語っているが、私のオタク人格を作り上げたのは紛れもなくSexy Zoneだ。
そして彼らは今大きく変わろうとしている。
マリウス葉、中島健人のメンバー2人の卒業を経て、現メンバー3人も"Sexy Zone"との決別を果たすべくtimeleszという新たな名前を背負って、新たなグループの形に挑んでいる最中だ。
デビュー10年超えのジャニーズがオーディション番組で新メンバーを募集。
もはや「革命」。
そんな革命に挑んでいるtimeleszだが、Sexy Zone時代も含めこれまで彼らには何度も「革新的だ」と思わされた。
今回は、個人的にこれまでの革命、革新的な取り組みについて楽曲面及びマインド面に分けて振り返るとともに、新生timeleszへの期待を綴ってみようと思う。
Sexy Zoneとしてのこれまでの革命
①楽曲面
Sexy Zone時代の楽曲を扱うので、ここからは「Sexy Zone」「セクゾ」という呼び方で。
これまで彼らは楽曲面において「見たことないSexy Zone」を何度も更新した。
王道キラキラアイドルソングが絶対的に似合うにも関わらず、胡坐をかくことなく様々なジャンルに挑戦してきたSexy Zone。
そんな彼らの素晴らしい楽曲面における挑戦、革命を振り返っていこうと思う。
新境地への挑戦
2011年にデビュー以降、キラキラ!かわいい!かっこいい!トンチキ!といった良い意味で「分かりやすい」曲、アイドルらしい曲を数多く歌ってきたように思う。
勿論お洒落な曲も結構あったが、あくまでアイドルの範疇でクオリティの高い曲という感じ。
そんな中、2018年発売のアルバム『XYZ=repainting』あたりから徐々に風向きが変わり(「Unreality」が最も印象的)、2019年発売のアルバム『PAGES』の収録曲「make me bright」ではグルーヴ感のある曲とSexy Zoneの親和性の高さを見せつけた。
良い意味でアイドルらしからぬ彼らの一面が徐々に見受けられ始め、2020年発売のアルバム『POP×STEP!?』やシングル「NOT FOUND」ではまさに洗練された都会的な印象を強くアピールした。
そして、彼らは果たしてアイドルなのか…これはかなり攻めてきたぞ…と思わされた楽曲が2021年発売のアルバム『SZ10TH』のタイトル曲「RIGHT NEXT TO YOU」だ。
「こんなSexy Zone見たことない」という衝撃と
「こんなSexy Zoneがずっと見たかった」という感動が重なり、高揚感が半端なかったと記憶している。
全編英語詞&高難易度な振付で彼ら自身もリスクを感じたと言及していたが、そのような挑戦が彼らの格を何段階も上げたように感じる。
https://youtu.be/C7690uB18TU?si=W0MCb45UvFKxXoQV
(ケンティーの挑発的な雰囲気がこの曲にバッチリと合ってて、魅せ方がめちゃくちゃ上手いです。)
からの翌年に出たアルバムが「ザ・ハイライト」という名盤。
「音楽」で勝負するんだという宣戦布告かと思った。
シンセサイザーの音が響く80年代の洋楽を意識した「Forever Gold」であったり、
ひと昔前の東京の夜が目に浮かぶようなシティポップ「THE FINEST」であったり。
海外及び日本の音楽トレンドをしっかりと取り入れつつ、彼らなりに自然に消化していた。
その他の収録曲も音楽性の高いものばかりで、こちらの公式サイトにて楽曲解説が載っているので是非見てほしい。
(音楽に疎い私は音楽用語に関してボキャブラリーがないので、解説は難しい。公式に頼るのみ。)
名だたるアーティストの提供曲を詰め込みながらも、一つの作品としてバランスが取れたアルバムに仕上がっているのも感動した。
もちろん革新的な曲ばかりではなく、
王道のバラードソング「夏のハイドレンジア」や
セクゾならではの遊び心が詰まった「休みの日くらい休ませて」なども収録されていたが、今までのアルバムと比べると既存のアイドル曲と新しく攻めたテイストの曲の割合が逆になったと感じた。
圧倒的に攻めたアルバムだった。
アイドルの枠に囚われず、音楽のトレンドを意識した楽曲たち、そしてその楽曲に果敢に挑戦するメンバーの姿勢はSexy Zoneに新しい風を吹かせたと確信した。
2023年発売のアルバム『ChapterII』でもタイトル曲「Purple Rain」にて80年代テイスト攻め。同じテイストでもForever Goldは青春を歌う曲であったのに対し、こちらは疾走感はありつつも大人の余裕が加わった感じ。
その後も簡単な言葉で言うと「レトロ」「エモい」系の楽曲が続き、そろそろお腹いっぱいになったファンも少し出てきたところで…
これぞ更なる革命、
「本音と建前」が来た。
また違った方向から攻めてきた…!
これはもう語りつくせないので、とりあえずMVを堪能してくださいませ。
椎名林檎さんに感謝してもしきれない。
彼らの麗しさと退廃的な世界観が見事にマッチして、この上ない作品が生まれた…震えた…
聞けば聞くほど歌詞が当時のSexy Zoneそのものを体現しているかのようの感じられ、一口目でもとびきり美味しいのに噛めば噛むほど更に旨みが増す、そんな曲だった。デビュー曲で「大人の決めたやり方、それが正解なの?」と歌った彼等が「外野の機嫌など窺うの止した 大人ほど自然にしたいことしかしないようだ」と歌う。
何かを悟り、自分達の手で突き進む強気な姿勢を示したように感じた。
「本音と建前」が出たあたり流れと勢いが凄くて、これもしかしてSexy Zone天下とれるんじゃないの…と舞い上がってた頃が懐かしい(泣)
(懐古厨すみません)
少し話が脱線するが、
「本音と建前」に見られるように彼らはコンセプトをがっちり固めた楽曲がとても似合うように思う。
K-POPの話を持ち出すのはどうかとも思うが、特定のコンセプトを基にまるで一つの映画のような作品を生み出しているK-POPアイドルの楽曲を見る度、Sexy Zoneもこういうの絶対合うのにと少し羨ましくなる。
これまで見てきたように2018~2023年の5年間ほどでセクゾの楽曲は随分と幅を広げ、楽曲を見るだけでも彼らがいかに前衛的か見受けられる。そして、アーバンな雰囲気を自分達のものにしていった。
勝利くん自身もインタビューにて次のように語っている。
まさにその理想を楽曲を通して体現しているし、彼らが「音楽」に対してかなり真剣なことを世に知らしめたように感じる。
方向転換というよりは彼らの多彩さ、様々な可能性を見せてくれたというのが正しいだろう。
グループへの責任と覚悟、そして信頼
その背景の一つとして取り上げたいエピソードがある。風磨くんがSexy Zoneに似合う楽曲は何か模索し、様々なジャンルの音楽を聞き漁り、自分達の歌声にはアーバンな雰囲気やシティポップが合うと確信したということだ。その確信が実際にアルバム制作に繋がっていき、近年のSexy Zoneの音楽が確立していった。
Sexy Zoneの音楽性が評価された「Unreality」も「make me bright」も元々風磨ソロ曲の予定だったものが、こんなにも良い曲なので折角ならグループでやりたいという風磨くんの意見によってグループ曲に。
今回のオーディションの発端として増員を最初に考え始めたのも彼だ。
「菊池風磨」個人として爆売れした時期を中心に、グループというものに対する彼への態度に少し疑問を感じることもあったが(風磨くん、ごめんなさい)
何だかんだ言ってグループへの覚悟と責任のようなものを強く感じる。
グループのお兄ちゃんだからというのもあるかもしれないが、何よりメンバーに絶大な信頼を置いている故なのだろうなと勝手ながら思う。
②マインド面
そして、彼らが革新的なグループだと思わせる要因をマインド面からも見ていきたい。
一言で言うと、彼らは様々な方向に配慮できるグループだ。
Z世代的価値観、時代錯誤ではない令和ならではの価値観をしっかり備えているといえば良いだろうか。
ジェンダー観/環境問題/セルフラブという3つのテーマに分けてもう少し細かく見ていこう。
ジェンダー観
例えば、男性アイドルを応援するにあたって、ミソジニーを感じる発言にヒヤヒヤするという経験は残念ながら少なくない。
勿論そのような発言をしたからといってその人の全てを否定する訳ではないが、何かとジェンダー関連の話題に敏感な現代においては、時代に合わせアップデートされた価値観を持っていることは応援したいポイントとしてかなり重要になってくると思う。
セクゾに関して言えば、幼少期から国際的な環境で育ったマリウスくんを中心に、メンバーの発言から彼らがいかに寛容な価値観を持っているのかが覗える。
・Sexy girlからSexy Loversへのファンネーム変更(性別を問わないように)
・「女子力という言葉は古い」など
「女らしさ」という性規範に囚われないようにという発言
・男性からの告白や握手会での対応について
etc…
この頃は新たなジェンダー観が徐々に若者を中心に日本社会にも浸透してきたように思うが、割と数年前からこういった類いの発言や取り組みをしていた彼らはかなり先進的だったなと今振り返って思う。
楽曲面においても、新しい恋にときめきながらメイクをする女の子の気持ちを違和感なく歌い上げている(歌わされている感が無い)のもまた彼ららしいな、と思わされる。
環境問題へのアプローチ
これもまたマリウスくんの意見をもとに、影響力のある立場を利用して環境問題へのアプローチも試みた。
ただ情報を発信するだけではなく、ファンが日頃の生活で環境に配慮した行動をすることができるようにコンサートでエコなグッズを販売するという手段を採ったのは本当に賢いと思った。
最近では聡ちゃんがInstagramにて「SDGsアート」と題して、ロケ弁のプラスチックの蓋を再利用してアートにするという素晴らしいリール動画を投稿していた。
(何故か今は削除されたのか見当たらない…)
彼らの取り組みは環境問題解決への直接的なアプローチではないかもしれない。
しかし、私たちが環境問題を始めとする社会問題に対して興味を持つきっかけなんて何でも良いと思う。
推しがエコグッズをコンサートで販売してたから買ってみた。
なんかエコなアートやってる〜こんなリユース方法もあるのか〜なるほど。
そうして少しずつ環境問題についてちょっと考えてみようという人が増えていく。
良くも悪くも影響力の強いアイドルという立場を利用して、確実に良い影響を与えている。
推しがそういう人であることが、どれだけ誇らしいか。
セルフラブ
最後に、彼らは「セルフラブ」の精神を発信してくれるアイドルだ。
ライブ等でファンにかける言葉、
卒業するメンバーへ贈った言葉、
彼らが放つ言葉の端々から
「自分らしく生きよう」
「ありのままの自分を愛そう」
という精神をファンに対してもメンバー間でも共有していることが感じられる。
キラキラ輝くアイドルだけれども、
それぞれにちゃんと人間味、人間臭さがあって、
「がんばれ」という言葉よりも
「自分のペースで良いんだよ」という言葉を
かけてくれる、そんな温かさで包み込んでくれるようなグループだ。
そんな彼らが歌う「ぎゅっと」にどれほどの人が救われただろうか。
だいぶ端折って紹介したが、このようにSexy Zoneは全方位に配慮ができる革新的なグループというブランドをゆっくり時間をかけて確立していったように思う。
タイプロから見られる人間性、知性
また、今回のtimelesz projectで審査員を務める3人を見ていると、彼らがいかに人間ができているかが分かるだろう。
これまでルックスばかり評価されてきたグループであるからこそ、惜しくも彼らの内面に世間が注目する機会は少なかった。
もっと内面まで美しいんだということを世に知ってもらいたいのに…とかねてからずっと思っていた。
かく言う私も最初は「かっこいい」という理由で彼らに興味を持ち始めたが、これほど長く彼らを応援できる理由は彼らの言動から品格や知性を感じられ、尊敬できるからである。
今回のオーディションでも
言葉の選び方、言語化能力の高さ
理論的な説明
言い過ぎない品格
候補生に対する対等な接し方やリスペクト
などなど、審査員という立場を通して言動や態度から彼らの人間性が露わになり、良い意味で世間からの印象が変わる機会でもあると思われる。
これからのtimeleszへの期待
Sexy Zoneというグループがいかに革新的なグループであったか振り返ってみたが、今後timeleszはどのような革命を起こしいくだろうか。
新メンバーが加入すること自体がまず革命ではあるが、肝心なのはその後。
どのような楽曲を通して新しいtimeleszを見せてくるのか。
フレッシュな新メンバーを取り入れて、王道アイドルらしい楽曲を再びやってみたり。
今のtimeleszにはない声色を持つ新メンバーを取り入れて、現メンバーの見たことない魅力をも引き出す音楽に挑戦してみたり。
まだ何色にも染まってない新メンバーとともに、新たなコンセプトに挑戦してみたり。
綺麗事かもしれないが、新メンバーと現メンバー「相乗効果」が生まれ、Sexy Zone時代から続く数々の挑戦や革命に並ぶくらい圧倒的に新しいものが見られることが最大の期待である。
そして先述したマインド面に関しても、その先陣を切ったマリウスくんはもういないけれども、どうか今後も維持し続けてほしい。
色々と思うことはあるけれども、現メンバーが腹を括って挑んだこのプロジェクトを今は心から応援したい。
今までSexy Zoneについて書いたnoteはこちら⇓
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